以下の場合、セフォタキシムを絶対に使用しないでください。
・セフォタキシムの成分によるショックの既往歴のある人
・リドカインなどアニリド系局所麻酔剤に対し過敏症の既往歴のある人: 筋注用の溶解液としてリドカインなどのアニリド系局所麻酔剤を用いる場合
以下の場合、セフォタキシムを使用しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に使用してください。
・セフォタキシムの成分またはセフェム系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある人
【慎重使用】
・ペニシリン系抗生物質に対し過敏症の既往歴のある人
・本人または両親、兄弟に気管支喘息、発疹、じんましんなどのアレルギー症状を起こしやすい体質を有する人
・高度の腎障害のある人: 血中濃度が持続するので減量または使用間隔をあけて使用してください
・経口摂取の不良な人または非経口栄養の人、全身状態の悪い人: ビタミンK欠乏症状が現われることがあるので観察を充分に行なってください。
・高齢者: 生理機能が低下していることが多く副作用が発現しやすく、またビタミンK欠乏による出血傾向が現われることがあるので、用量ならびに使用間隔に留意するなど状態を観察しながら慎重に使用してください。
【重要な基本的注意】
・セフォタキシムによるショック、アナフィラキシー様症状の発生を確実に予知できる方法がないので、次の措置をとってください。
1.事前に既往歴について充分確認してください。特に抗生物質などによるアレルギー歴は必ず確認してください。
2.使用に関しては、必ずショックなどに対する応急処置のとれる準備をしてください。
3.使用開始から終了後まで、安静な状態を保ち、充分な観察を行なってください。特に使用開始直後は注意深く観察してください。
【用法および用量に関連する使用上の注意】
・セフォタキシムの使用にあたっては、耐性菌の発現などを防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用にとどめてください。
【適用上の注意】
・調整方法
1.点滴静注の際には、注射用水を使用しないでください。
容液が低張となるため、むくみなどが現われることがあります。
2.溶解後は速やかに使用してください。
・注射速度
点滴静注にあたっては、原則として100-300mlの補液に溶解し、およそ1時間かけて点滴静注してください。
また500mlの補液に溶解し、およそ2時かけて点滴静注することもできます。
静脈内大量投与により、まれに静脈炎を起こすことがあるので、注射液の調整、注射部位、注射方法などについて充分注意し、注射速度はできるだけ遅くしてください。
・筋肉内注射時
1.筋肉内注射により、注射部位に疼痛、硬結をみることがあるので、繰り返し注射する場合には、同一部位への反復注射は避けてください。
なお注射時疼痛を緩和するためにリドカイン注射液に溶解したときには、静脈内注射には使用しないでください。
2.乳幼児、小児には筋肉注射をしないでください。
3.筋肉内注射にあたっては、神経走行部位を避けるよう注意して注射してください。
妊婦、授乳婦に対する安全性は確立していないため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
テステープ反応を除くベネディクト試薬、フェーリング試験、クリニテストによる尿糖検査では偽陽性を呈することがあるので注意してください。
ヤッフェ反応によるクレアチニン検査では、クレアチニン値が見かけ上高値を示すことがあるので注意してください。
直接クームス試験陽性を呈することがあります。