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2011-10-09

ソース(記事原文):デイリーインターレイク

ピンクリボンを考える:乳癌治療を変える研究

デイリーインターレイク(2011年10月9日)― キャンデス・チェイス(Candace Chase)著

10月はピンクリボン月間と呼ばれています。地元の乳腺外科医メリッサ・フルバット博士(Dr. Melissa Hulvat)は、カリスペル地域医療センター(Kalispell Regional Medical Center)のバス乳腺センター(Bass Breast Center)で、革新的研究に関する情報の更新を始めました。また、それに伴い自身の診療業務も改め始めています。

「私の日々の診療方法を変える革新的な出来事が、頻繁に起こることに驚いています。」とフルバット氏は述べました。

彼女はカリスペル地域医療センターの医師、看護師、その他専門家に対して、最も重要な研究は、米国医師会雑誌(Journal of the American Medical Association)に掲載されたものだと語りました。その研究の被験者は、乳癌が腋の下のセンチネル(ゲートキーパー)リンパ節に広がっている患者でした。

試験では、腋窩リンパ節を平均17個切除した患者群(腋窩廓清)と、平均2個のセンチネルリンパ節だけを切除した患者群の生存率を比較検討しました。患者は、腫瘤摘出術に続いて乳房全体の放射線療法を受けた女性に限られました。

結果は驚くべきもので、6年余りの後、その生存率に有意差は認められなかったことが明らかにされました。

「これは、乳癌治療の世界に大きな転換をもたらしました。」フルバット氏はこう話しています。「私たち全員にとって、癌があるかもしれないリンパ節を患者にそのまま残すというのは単なる不都合に過ぎませんでした。しかし、このデータを信じなければいけません。」

フルバット氏は、腫瘤摘出術と乳房全体の放射線療法を受ける患者の場合、検査で陽性と出たリンパ節が3個以下であれば腋窩廓清はもう実施しないと述べました。腋窩廓清を行わなければ、患者はリンパ浮腫の可能性を回避できます。リンパ浮腫とは、腋窩廓清を行った患者の30%に認められる不快な腫れのことです。

この治療方針によって、多くの女性がこの不快な腋窩廓清とそれに伴う副作用の可能性を回避したと、フルバット氏は語りました。そしてこの研究を、乳腺外科医による女性の乳癌の治療法を根本から変えた研究と呼びました。

また彼女は、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(New England Journal of Medicine)に掲載された「化学予防薬」に関する研究についても述べました。そして化学予防薬とは、現在乳癌を発症していない人に対し、将来的な発症を予防するため投与する薬と定義しました。

彼女の話では、「化学予防薬は少なく、現時点では2種類です。」

その2種とはタモキシフェンとラロキシフェンのことで、これらは乳腺のエストロゲン受容体に結合して乳癌リスクを低下させます。試験では、タモキシフェンおよびラロキシフェンとエキセメスタンの有効性について研究者らが比較検討を行いました。エキセメスタンはアロマターゼ阻害薬で、すべてのエストロゲンを阻害することで作用します。

フルバット氏によれば、この試験によって、副作用はエキセメスタンのほうが少なく、また閉経後女性の浸潤性・非浸潤性乳癌の発生率の低下においてもエキセメスタンのほうが効果的であったことが明らかにされました。副作用が比較的少ないという理由で多くの女性がこの薬を使用するかもしれませんが、タモキシフェンと比べると、エキセメスタンははるかに高価な薬です。

「タモキシフェンは、閉経前の女性にとって今もなお唯一の化学予防薬です。」

3件目は、ランセット・オンコロジー(Lancet Oncology)に掲載された研究論文でした。この研究では、オンコタイプDXと呼ばれる21種類の遺伝子解析検査によって、化学療法の効果を得られる可能性が高い特定の患者を予測できたことが明らかにされました。

「この検査では、本質的に患者の遺伝子ではなく腫瘍の遺伝子を調べています。」

彼女の話では、検査の目的は、再発して患者の生活を脅かす悪性度の高い腫瘍を見つけ出すことです。検査の結果によって、腫瘍は再発の可能性が低い、中程度、高いに分類されます。

この検査は費用がかかるため、フルバット氏は化学療法を行うかどうか決めていない患者に限りオーダーすると述べています。

「私は、これを画一化された治療を打ち破る検査と呼んでいます。」彼女はこう語りました。「私達は、分子医学、つまり個別化医療の時代に入っています。素晴らしいことです。これは、腫瘍の遺伝子が何をすべきか教えてくれているということです。これにより、私達は患者の皆さんに合わせた治療を行います。」

フルバット氏は、現在バス乳腺センターで行われている「一段階再建術」のグループを新しく改めました。

フルバット氏の話では、1回の手術の間に彼女が患者の皮膚と時に乳頭を保存する乳房切除術を行い、続いて地元の形成外科医がインプラントを用いて乳房を再建します。

「患者は、癌のある乳房またはそのリスクが高い乳房と一緒に眠り、目が覚めた時にはすでにインプラントが挿入されています。」彼女はこう話しました。「全国各地で1回の手術が一般的になりつつありますが、私達はまだ時代の最先端にいて、これを実施できる患者はたくさんいます。」

フルバット氏によれば、健康保険に加入していない、またはかかりつけ医がいない女性のための予約がいらない無料センターで、5月から50人以上のスクリーニングが行われました。スーザンG.コーメン(Susan G. Komen)乳癌基金の助成を受けたこのセンターは、画像診断センターにて隔週金曜日に業務を行っています。

「一度の来院の間に、私か他の医療提供者が乳房検査を実施して、来院者をマンモグラフィー検査に送っています。」

1人の女性は、胸のかなり背側に早期乳癌が見つかりました。早期に発見されたことで、彼女には完全回復という素晴らしい見通しがあります。

「私達がしこりに触れることができるようになるまで彼女が待っていたとしたら、話は全く違うものになっていたでしょう。」

フルバット氏は医療専門家らに対し、自分は米国癌学会(American Cancer Society)の推奨事項を支持すると語りました。この学会は、臨床的乳房検査は20歳から、年1回の臨床的乳房検査およびマンモグラフィー検査は40歳からとしています。これに反して、米国予防医療専門委員会(U. S. Preventive Services Task Force)の勧告はマンモグラフィー検査の開始年齢を50歳からに変更するとしており、議論を呼んでいます。

「マンモグラフィー検査は完璧ではありません。その感度は40%です。」と彼女は述べました。「完璧ではありませんが、これより優れたものはありません。MRI検査は、マンモグラフィー検査ほど優れていません。超音波検査もそうです。サーモグラフィ検査については、私達は使用していませんがこれも同じです。ですから、やはり推奨されるのは40歳からのマンモグラフィー検査です。」


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