以下の場合、モフィレット・エス360mgを服用しないでください。
・モフィレット・エス360mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・妊婦または妊娠している可能性のある人: 妊娠中にほかの免疫抑制剤と併用してミコフェノール酸を服用した人において、耳奇形を含む先天性奇形を有する児を出産した例が報告されています。
以下の場合、モフィレット・エス360mgを服用しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に服用してください。
・妊娠する可能性のある人: やむを得ず服用する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
【警告】
臓器移植におけるモフィレット・エス360mgの服用は、免疫抑制療法および移植患者の管理に精通している医師またはその指導のもとで行なってください。
【慎重服用】
・重篤な消化器系疾患のある人: 症状を増悪させるおそれがあります。
・重度の慢性腎不全の人: 血中濃度が上昇し、副作用が現われるおそれがあります。
・腎移植後臓器機能再開遅延の人: 血中濃度が上昇し、副作用が現われるおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・腎移植後の難治性拒絶反応の治療の場合、急性拒絶反応と確定診断された人で、既存の治療薬(高用量ステロイド、ムロモナブ-CD3など)が無効または副作用などのために服用できない人が使用してください。
・ほかの免疫抑制剤と併用する場合には、過度の免疫抑制により感染(日和見感染症や進行性多巣性白質脳症)に対する感受性の上昇、悪性リンパ腫およびほかの悪性腫瘍(特に皮膚)が発現する可能性があるので、充分に注意してください。
・モフィレット・エス360mgの使用に際しては、次の注意事項をよく理解した後に使用してください。
1.モフィレット・エス360mgは催奇形作用が報告されているので、妊娠する可能性のある人が服用する場合には、妊娠検査が陰性であるとの結果を確認し、モフィレット・エス360mgの服用前、服用中および服用中止後6週間は避妊してください。
2.感染症状、予期せぬ挫傷、出血または貧血などの骨髄抑制症状または下痢などの消化器症状が現われた場合には、直ちに担当医に報告してください。
3.皮膚がんの危険性を避けるため、帽子などの衣類や日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使用により、日光やUV光線の照射を避けてください。
・重度の好中球減少などの副作用が起こることがあるので、頻回に臨床検査を行なうなど、状態を充分に観察し、異常が認められた場合には減量、休薬などの適切な処置を行なってください。
・モフィレット・エス360mgは、イノシンモノホスフェイト脱水素酵素(IMPDH)阻害剤であるため、ヒポキサンチン-グアニン-ホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)欠損症(レッシュ・ナイハン症候群、ケリー・シーグミラー症候群)の人が服用すると、高尿酸血症を増悪する可能性があるので充分注意してください。
・重度の腎障害のある心移植、肝移植、肺移植患者での使用経験はありません。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・重度の慢性腎不全の人(糸球体ろ過率<25ml/分/1.73㎡)では血中濃度が高くなるおそれがあるので、1回服用量は1000mgまで(1日2回)とし、充分に観察してください。
高齢者では、感染症、消化管出血などの副作用発現の危険性が増加するおそれがあるので、観察を充分に行ない、必要に応じて用量などの調節を行なってください。
授乳中の人が服用する場合には、授乳を避けてください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。
モフィレット・エス360mgは通常血液透析では除去されませんが、コレスチラミン(胆汁酸結合剤)服用により排泄を促進することによって除去できます。