【警告】
・レミケード100mgの使用により、結核、敗血症を含む重篤な感染症および脱髄疾患の悪化などがあらわれることがあり、レミケード100mgとの関係性は明らかではありませんが、悪性腫瘍の発現も報告されています。レミケード100mgが疾病を完治させる薬剤でないことも含め、これらの情報を充分に理解し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。また、レミケード100mgの使用において、重篤な副作用により、致命的な経過をたどることがあるので、緊急時に充分に措置できる医療施設および医師のもとで使用し、レミケード100mg使用後に副作用が発現した場合には、主治医に連絡するようにしてください。
・感染症:
重篤な感染症
敗血症、真菌感染症を含む日和見感染症などの致死的な感染症があらわれることがあるため、充分な観察を行なうなど感染症の発症に注意してください。
結核
播種性結核(粟粒結核)および肺外結核(髄膜、胸膜、リンパ節など)を含む結核が発症し、死亡例も認められています。結核の既感染者では症状の顕在化および悪化のおそれがあるため、レミケード100mg使用に先立って結核に関する充分な問診および胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験またはツベルクリン反応検査を行ない、適宜胸部CT検査などを行なうことにより、結核感染の有無を確認してください。川崎病の人で、レミケード100mgの使用に緊急を要する場合には、少なくとも充分な問診、胸部レントゲン検査を行なうことにより、結核感染の有無を充分に確認してください。また、結核の既感染者は、抗結核薬を使用した上で、レミケード100mgを使用してください。ツベルクリン反応などの検査が陰性の人では、使用後に活動性結核が認められた例も報告されています。
・レミケード100mg使用に関連する反応
Infusion reaction
レミケード100mg使用中あるいは使用終了後2時間以内に発現するInfusion
reactionのうち、重篤なアナフィラキシー様症状(呼吸困難、気管支けいれん、血圧上昇、血圧低下、血管浮腫、チアノーゼ、低酸素症、発熱、じんましんなど)、けいれんがあらわれることがあります。レミケード100mgは緊急時に充分な対応のできる準備をした上で使用を開始し、使用終了後も充分な観察を行なってください。また、重篤なInfusion
reactionが発現した場合には、レミケード100mgの使用を中止し、適切な処置を行なってください。
遅発性過敏症(再使用の場合)
レミケード100mg使用後3日以上経過後に重篤なものを含む遅発性過敏症(筋肉痛、発疹、発熱、多関節痛、そう痒、手・顔面浮腫、嚥下障害、じんましん、咽頭痛、頭痛など)があらわれることがあります。再使用には遅発性過敏症の発現に備え、充分な観察を行なってください。
・脳髄疾患の臨床症状および/または画像診断上の悪化が、レミケード100mgを含むTNF抑制作用を有する薬剤であらわれることがあります。脱髄疾患(多発性硬化症など)およびその既往歴のある人には使用しないこととし、脱髄疾患を疑う人や家族歴を有する人に使用する場合には、適宜画像診断などの検査を実施するなど、充分な観察を行なってください。
・関節リウマチの人では、レミケード100mgの治療を行なう前に、非ステロイド性抗炎症剤およびほかの抗リウマチ薬などの使用を充分勘案してください。また、レミケード100mgについての充分な知識とリウマチ治療の経験を持つ医師が行なってください。
・ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎では、レミケード100mgの治療を行なう前に、既存治療薬(シクロスポリンなど)の使用を充分勘案してください。また、ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎の治療経験を持つ眼科医とレミケード100mgについて充分な知識を有する内科などの医師が診断と治療に対して充分な連携をとり使用してください。
>
・乾癬では、レミケード100mgの治療を行なう前に、既存の全身療法(紫外線療法を含む)の使用を充分勘案してください。また、乾癬の治療経験を持つ医師とレミケード100mgについて充分な知識を有する医師が連携を取り使用してください。
・強直性脊椎炎では、レミケード100mgの治療を行なう前に、既存治療薬(非ステロイド性抗炎症剤など)の使用を充分に勘案してください。また、レミケード100mgについての充分な知識と強直性脊椎炎の診断および治療の経験を持つ医師が使用してください。
・腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、および血管型ベーチェット病では、レミケード100mgの治療を行なう前に、既存治療薬の使用を充分に勘案してください。また、レミケード100mgについての充分な知識と腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、または血管型ベーチェット病治療の充分な知識・経験を持つ医師が行なってください。
・川崎病の人は、レミケード100mgの治療を行なう前に、既存治療薬の使用を充分に勘案してください。また、レミケード100mgについての充分な知識とクローン病治療の経験を持つ医師が行なってください。
・潰瘍性大腸炎の人は、レミケード100mgの治療を行なう前に、既存治療薬の使用を充分に勘案してください。また、レミケード100mgについての充分な知識と潰瘍性大腸炎治療の経験を持つ医師が行なってください。
【禁忌】
・重篤な感染症(敗血症など)の人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・活動性結核の人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・レミケード100mgの成分またはマウス由来のたんぱく質(マウス型、キメラ型、ヒト化抗体など)に対する過敏症の既往歴のある人
・脱髄疾患(多発性硬化症など)およびその既往歴のある人: 症状の再燃および悪化のおそれがあります。
・うっ血性心不全の人: 症状を悪化させるおそれがあります。
【慎重使用】
・感染症の人、または感染症が疑われる人: レミケード100mgは免疫反応を減弱する作用を有し、正常な免疫応答に影響を与える可能性があるので、適切な処置と充分な観察が必要です。
・結核の既感染者(特に血管の既往歴のある人、および胸部レントゲン上結核治療所見のある人): 結核を活動化させるおそれがあるので、胸部レントゲン検査などを定期的に行なうなど、結核症状の発現に充分注意してください。
・脱髄疾患が疑われる徴候を有する人、および家族例のある人: 脱髄疾患発現のおそれがあるため、適宜画像診断などの調査を実施し、充分注意してください。
・間質性肺炎の既往歴のある人: 間質性肺炎が増悪または再発することがあります。
・重篤な血液疾患(汎血球減少、再生不良性貧血など)の人、またはその既往歴のある人: 血液疾患が悪化するおそれがあります。
・インフリキシマブの使用経験のある人
・高齢者
・小児など
【重要な基本的注意】
・インフリキシマブは血中濃度が長期にわたり持続するため(5mg/kg使用時は少なくとも8-12週間)、この間には副作用の発現に注意してください。また、ほかの生物製剤との切り替えの際も注意してください。
・レミケード100mgの使用に先立って結核に関する充分な問診および胸部レントゲン検査に加え、インターフェロン-γ遊離試験またはツベルクリン反応検査を行ない、適宜胸部CT検査などを行なうことにより、結核感染の有無を確認してください。川崎病の人でレミケード100mgの使用に緊急を要する場合には、少なくとも充分な問診、胸部レントゲン検査などを行なうことにより、結核感染の有無を充分に確認してください。結核の既往歴を有する場合および結核感染が疑われる場合には、結核の診療経験がある医師に相談してください。以下のいずれかの人は、原則として抗結核薬を使用した上で、レミケード100mgを使用してください。
胸部画像検査で陳旧性結核に合致するか推定される陰影を有する人
結核の治療歴(肺外結核を含む)を有する人
インターフェロン-γ遊離試験やツベルクリン反応検査などの検査により、既感染が強く疑われる人
結核の人との濃厚接触歴を有する人
また、レミケード100mg使用中も、胸部レントゲン検査などの適切な検査を定期的に行なうなど、結核症の発現には充分に注意し、結核を疑う症状が発現した場合(持続する咳、発熱など)には速やかに主治医に連絡してください。なお、結核の活動性が確認された場合はレミケード100mgを使用しないでください。
・レミケード100mgを含む抗TNF製剤を使用したB型肝炎ウイルスキャリアの人、または既往感染者(HBs抗原陰性、かつHBc抗体またはHBs抗体陽性)において、B型肝炎ウイルスの再活性化が報告されています。レミケード100mg使用に先立って、B型肝炎ウイルス感染の有無を確認してください。B型肝炎ウイルスキャリアの人または既往感染者がレミケード100mgを使用する場合は、肝機能検査値や肝炎ウイルスマーターのモニタリングを行なうなど、B型肝炎ウイルスの再活性化の徴候や症状の発現に注意してください。なお、これらの報告の多くは、ほかの免疫抑制作用を持つ薬剤を併用使用した人にも起きています。
・間質性肺炎があらわれることがあるので、レミケード100mgを使用した後、発熱、咳嗽、呼吸困難などの症状があらわれた場合には速やかに主治医に連絡するとともに、このような症状があらわれた場合には胸部レントゲン検査および胸部CT検査などを行ない、副腎皮質ホルモン剤の使用などの適切な処置を行なってください。主としてメトトレキサート製剤併用時において、間質性肺炎を発現し致命的な経過をたどった症例が報告されています。
・メトトレキサート製剤と併用する場合、メトトレキサート製剤の添付文書についても熟読し、リスク・ベネフィットを判断した上でレミケード100mgを使用してください。
・レミケード100mgでの治療中は、生ワクチン接種は行なわないでください。また、レミケード100mgの使用と生ワクチンとの間隔は充分にあけることが望ましいとされています。やむを得ず生ワクチン接種からレミケード100mgの使用まで充分な間隔をあけることができない場合は、リスク・ベネフィットを慎重に判断した上で使用してください(生ワクチンによる感染症発現の可能性が否定できません)。
・レミケード100mgを含む抗TNF療法において、中枢神経系(多発性硬化症、視神経炎、黄だん性骨髄炎など)および、末梢神経系(ギラン・バレー症候群など)の脱髄疾患の発現や悪化が報告されています。そのため脱髄疾患およびその既往歴のある人はレミケード100mgを使用しないでください。脱髄疾患が疑われる人は、神経学的評価や画像診断などの検査を行ない、慎重に危険性と有益性を評価した上でレミケード100mg適用の妥当性を検討し、使用後は充分に観察を行なってください。
・レミケード100mg使用により、Infusion
reactionが発現する可能性があるため、適切な薬剤治療(アドレナリン、副腎皮質ホルモン剤、抗ヒスタミン剤またはアセトアミノフェンなど)や、緊急処置を直ちに実施できるようにしておいてください。また、遅発性過敏症(3日以上経過後)が発現する可能性もあることから、発疹、発熱、そう痒、手・顔面浮腫、じんましん、頭痛などが発現した場合、主治医に連絡をするなど適切な対応をとってください。
・臨床試験における使用後3年間の追跡調査で、悪性リンパ腫などの悪性腫瘍の発現が報告されています。慢性炎症性疾患のある人が長期に免疫抑制剤を使用した場合、感染症や悪性リンパ腫の発現の危険性が高まることが報告されています。また、レミケード100mgを含む抗TNF製剤をした小児や若年成人においても、悪性リンパ腫などの悪性腫瘍が報告されています。レミケード100mgに起因するか明らかではありませんが、悪性腫瘍などの発現には注意してください。
・レミケード100mgはマウスたんぱく由来部分があるため、ヒトには異種たんぱくであり、使用後、レミケード100mgに対する抗体が産生されることがあります。臨床試験においてレミケード100mgに対する抗体の産生が確認された患者群は、抗体が産生されなかった患者群に比べInfusion
reactionの発現が多い傾向にあり、また、レミケード100mgの血中濃度の持続が短くなる傾向がみられ、血中濃度が低下した人では効果の減弱の可能性があります。なお、レミケード100mgの臨床試験において、メトトレキサートなどの免疫抑制剤を使用していた人では、レミケード100mgに対する抗体の産生率は低かったとの報告があります。
・レミケード100mg使用後にループス様症候群が発現し、さらに抗dsDNA抗体陽性となった場合は、使用を中止してください(レミケード100mg使用により抗dsDNA抗体の陽性化およびループス様症候群を疑わせる症状が発現することがあります)。
・レミケード100mgを使用した人において、乾癬が悪化または新規発現したとの報告があります。重症な場合にはレミケード100mg使用の中止を考慮してください。
・レミケード100mgとアバタセプト(遺伝子組換え)の併用は行なわないでください。海外で実施したプラセボを対照とした臨床試験において、レミケード100mgを含む抗TNF製剤とアバタセプト(遺伝子組換え)の併用療法を受けた人では併用による効果の増強は示されておらず、感染症および重篤な感染症の発現率がレミケード100mgを含む抗TNF製剤のみによる治療を受けた人での発現率と比べて高かったとの報告があります。また、レミケード100mgとほかの生物製剤の併用について安全性および有効性は確立していないので、併用は避けてください。
・レミケード100mgは、培養工程においてウシ由来成分を培地に添加しています。マスターセルバンクの調整には米国またはカナダ産を含むウシ退治血清を、製造工程の培養段階における培地成分は、米国農務省の検疫により食用可能とされた健康な米国酸を含むウシから採取されたものを用いて製造されたものであり、欧州の公的機関である欧州薬局方委員会(EDQM)の評価に適合することが証明されています。さらに、製造工程での安全対策として、TSE伝播の原因であるプリオンたんぱくを除去し得る工程として限外ろ過処理を培地添加前に実施しています。また、培養工程ごの精製工程でもアフィニティークロマトグラフィー処理、ウイルス不活性化/陽イオン交換カラム処理、ウイルスろ過処理を実施しています。なお、これらの核処理で実際にプリオンたんぱくを除去し得ることを証明するために、意図的にプリオンたんぱくを大量添加し、処理後にプリンたんぱくが除去されていることを、欧米や日本において食品の安全性を判断するためにもちいられているウエスタンプロット法で測定し、陰性であることを確認しています。レミケード100mgの使用によりTSEがヒトに伝播したとの報告はありません。このことから、レミケード 100mgによるTSE
伝播のリスクは極めて低いものと考えられますが、理論的にリスクは完全に否定し得ないため、その旨を上記の安全性に関する対策とともに理解するようにしてください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
■関節リウマチ
・過去の治療において、非ステロイド性抗炎症剤およびほかの抗リウマチ薬(メトトレキサート製剤を含む)などによる適切な治療を行なっても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合に使用してください。また、メトトレキサート製剤にレミケード100mgを上乗せすることのリスク・ベネフィットを判断した上で使用してください。レミケード100mgによる効果は、通常使用開始から14週以内に得られることが確認されています。14週以内にまったく効果が得られない場合や、増量や使用間隔の短縮を行なっても効果が得られない場合には、現在の治療計画の継続を慎重に再考してください。
・レミケード100mgとアバタセプト(遺伝子組換え)は併用しないでください。
■ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎
・過去の治療において、ほかの薬物療法(シクロスポリンなど)などの適切な治療を行なっても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合にレミケード100mgを使用してください。
■乾癬
・過去の治療において、既存の全身療法(紫外線療法を含む)などの適切な治療を行なっても、皮疹が体表面積の10%以上に存在する場合、もしくは難治性の皮疹、関節症状または膿疱を有する場合にレミケード100mgを使用してください。
■強直性脊椎炎
・過去の治療において、ほかの薬物療法(非ステロイド性抗炎症剤など)の適切な治療を行なっても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合にレミケード100mgを使用してください。
■腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病、血管型ベーチェット病
・ 過去の治療において、ほかの薬物療法などの適切な治療を行なっても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合にレミケード100mgを使用してください。
■川崎病の急性期
・過去の治療において、免疫グロブリン療法などを行なっても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合にレミケード100mgを使用してください。
■クローン病
・過去の治療において、栄養療法、ほかの薬物療法(5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド、アザチオプリンなど)などの適切な治療を行なっても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合にレミケード100mgを使用してください。
なお、寛解維持使用は漫然と行なわず、経過を観察しながら行なってください。
■潰瘍性大腸炎
・過去の治療において、栄養療法、ほかの薬物療法(5-アミノサリチル酸製剤、ステロイド、アザチオプリンなど)などの適切な治療を行なっても、疾患に起因する明らかな臨床症状が残る場合にレミケード100mgを使用してください。寛解維持効果は確認されていないため、寛解導入後にはレミケード100mgの継続使用の必要性を検討し、ほかの治療法への切り替えを考慮してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・溶解および希釈方法
レミケード100mg1バイアル当たり10mLの日局注射用水で溶解します。使用者の体重から換算した必要溶解液量を成人は約250mL、体重が25kg未満の小児は約50mL、25kg以上の小児は約100mLの日局生理食塩液に希釈し、ほかの注射剤、輸液などとは混合しないでください。体重が100kgを超える人が使用する場合は、希釈後のインフリキシマブ濃度が4mg/mLを超えないよう、日局生理食塩液の量を調整してください。
・使用方法
レミケード100mgは独立した点滴ラインにより、原則、2時間以上をかけて緩徐に点滴静注してください。
・メトトレキサート製剤の併用(関節リウマチ)
国内および海外の臨床試験により、メトトレキサート製剤併用での有効性および安全性が確認されています。国内臨床試験におけるメトトレキサート製剤の併用量は、6mg/週以上であり、メトトレキサート併用時のレミケード100mgに対する抗体の産生率は、メトトレキサート非併用時よりも低かったとの報告があります。なお、関節リウマチの人におけるメトトレキサート製剤以外の抗リウマチ薬併用の有用性は確立していません。
・関節リウマチにおいて、初回、2週、6週使用までは10mg/kgなどへの増量使用は行なわないでください。また、増量により感染症の発現頻度が高まるおそれがあるため、感染症の発現には充分注意してください。
・乾癬において、初回、2週、6週使用までは10mL/kgなどへの増量使用は行なわないでください。また、増量により感染症の発現頻度が高まるおそれがあるため、感染症の発現には充分注意してください。
・腸管型ベーチェット病、神経型ベーチェット病および血管型ベーチェット病において、初回、2週、6週使用までは10mg/kgへの増量使用は行なわないでください。増量を行なっても、症状や検査所見の改善が認められない場合には、現在の治療計画の継続を慎重に考慮してください。
・クローン病において、レミケード100mgを初回使用後、2週、6週と使用した後、臨床症状や内視鏡所見などにより治療効果を評価してください。効果が認められない場合には、さらに継続使用を行なっても効果が得られない可能性があり、ほかの治療法を考慮してください。また、10mg/kgへの増量や使用間隔の短縮は、5mg/kg8週間隔使用による治療により効果は認められたものの、維持療法中に効果が減弱死、症状の再燃が認められた人に対して行なってください。増量または使用間隔の短縮を行なっても効果が認められない場合には、ほかの治療法を考慮してください。
・潰瘍性大腸炎において、レミケード100mgを初回使用後、2週、6週と使用した後、8週時点で臨床清浄や内視鏡所見により治療効果を評価してください。効果が認められない場合には、さらに継続使用を行なっても効果が得られない可能性があり、ほかの治療法を考慮してください。
【適用上の注意】
■使用器具:
レミケード100mgは無菌・パイロジェンフリーのインラインフィルター(ポアサイズ1.2ミクロン以下)を使用してください。
■使用経路および使用速度:
レミケード100mgは点滴静注用としてのみ使用し、皮下・筋肉内には使用しないでください。レミケード100mgは独立したラインにて使用するものとし、ほかの注射剤、輸液などと混合しないでください(ブドウ糖注射液などの汎用される注射液でも配合変化が確認されているため)。また、原則、2時間以上をかけて緩徐に点滴静注してください。
なお、6週の使用以後、それまでの使用でInfusion
reactionが認められなければ、点滴速度を上げて点滴時間を短縮することができます。ただし、平均点滴速度は1時間当たり5mg/kgを使用する速度を超えないでください。
また、点滴時間を短縮した際にInfusion reactionが認められた場合には、次回以降の使用では、点滴時間を短縮せずに使用してください。
■溶解方法:
レミケード100mgは用時溶解とします(溶解後3時間以内に使用を開始してください)
・ゴム栓をエタノール綿などで清拭した後、21-Gあるいはさらに細い注射針を用いて、1バイアル当たり10mLの日局注射用水(日局生理食塩液も使用可)を静かに注入してください。
・バイアルを回転させながら緩やかに溶解し、溶解後は5分間静置してください(抗体たんぱくが凝集するおそれがあるため、決して激しく振らず、長時間振り混ぜないでください)。
・たんぱく製剤なので、溶解後の性状として、無色から薄黄色および乳白色をしており、わずかながら半透明の微粒子を含むことがありますが、力価などに影響はありません。
・溶解後の残液の再使用や保存は行なわないでください。
・希釈方法:
使用する人の体重当たりで計算した必要量を成人は約250mL、体重が25kg未満の小児は約50mL、25kg以上の小児は約100mLの日局生理食塩液に希釈してください。日局生理食塩液で希釈する際は、溶解駅を緩徐に注入し、混和の際も静かに行なってください。希釈後のインフリキシマブ濃度は0.4-4mg/mLとします。
【その他の注意】
・インフリキシマブの臨床試験は国内で62週間(1年)まで、海外では102週間(2年)までの期間で実施されています。また、インフリキシマブの長期使用に関する特製使用成績調査は2年間までの期間で実施されています。これらの期間を超えたインフリキシマブの長期使用時に安全性は確立していません。
・150例の中等度から重度のうっ血性心不全の人(左室駆出率35%以下で、NYHA新規部分類III/IV度)に、プラセボおよびレミケード100mgお5、10mg/kgを初回、2週後、6週後に3回使用した海外での臨床試験を実施した結果、レミケード100mg使用群、特に10mg/kg群において心不全症状の悪化および死亡が高率に認められたとの報告があります。初回使用後28週時点において、10mg/kg群で3例、5mg/kg群で1例の死亡が認められ、プラセボ群では死亡例はありませんでした。また、症状悪化による入院は、10mg/kg群51例中11例、5mg/kg群50例中3例、プラセボ群49例中5例でした。さらに1年後の評価における死亡例は、10mg/kg群で8例であったのに対し、5mg/kg群およびプラセボ群ではそれぞれ4例でした。
・海外で行なわれた関節リウマチの人を対照とした市販後臨床試験において、初回から10mg/kgを使用した人では、3mg/kgを使用した人よりも重篤な感染症の発現頻度が有意に高かったとの報告があります。
・乾癬の人において、レミケード100mgと紫外線療法または既存の全身治療との併用に対する有効性と安全性は確立していません。
【高齢者】
・一般に高齢者では生理機能(免疫機能など)が低下しているので、感染症などの副作用の発現に留意し、充分な観察を行なってください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
>
・レミケード100mgは胎盤通貨性があるとの報告があります。従って、レミケード100mgの使用を受けた人からの出生児においては、感染のリスクが高まる可能性があるため、生ワクチンを接種する際には注意が必要です。
・授乳中の人は、授乳を中止してください。
【小児など】
■クローン病および潰瘍性大腸炎
国内臨床試験において、6歳未満の用事などに対する使用経験が得られていないため、これらの人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ使用し、副作用の発現に充分注意してください。
■川崎病の急性期
国内臨床試験において、1歳未満の乳児に対する使用経験が得られていないため、これらの人には治療上の有責性が危険性を上回ると判断される場合のみ使用し、副作用の発現に充分注意してください。
■上記以外の効能
小児などに対する安全性は確立していません。