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2012-01-03

ソース(記事原文):パームビーチ・デイリーニュース

喫煙による肺の損傷を降圧薬により軽減しうることが、ジョンズホプキンスによるマウス試験で明らかとなる

パームビーチ・デイリーニュース(2012年1月3日)― デイビッド・ロジャース(DAVID ROGERS)著、デイリー・ニュース常勤ライター

一般的に処方される降圧薬が、喫煙に起因するかなりの量の肺損傷を防ぐ能力を持つと考えられる。

慢性の肺気腫・気管支炎などの喫煙関連の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象とするロサルタンカリウムという薬の臨床試験にジョンズ・ホプキンス・メディスン(Johns Hopkins Medicine)が着手するきっかけとなったのが、マウスに基づく試験の結果である。

現在、COPD(慢性閉塞性肺疾患)を回復させる方法はないものの、症状を緩和する治療がいくつかある。

2009年8月~2011年6月に実施された研究において、ジョンズ・ホプキンス・メディスンの研究者らは、タバコ煙に暴露したマウスの肺は、屋内空気にしか触れていないマウスの肺と比べ、トランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)という重要な信号タンパク量を4倍も多く含んでいると判定した。

低用量のロサルタン(0.6g/L)、高用量(1.2g/L)、またはトランスフォーミング増殖因子β(TGF-β)の中和抗体を用いて一部のマウスを治療したところ、喫煙暴露が肺の構造・機能へ及ぼす影響がロサルタンによって軽減されたことが見出された。

気管壁の厚さは未治療マウスで倍増していたのに対し、ロサルタンまたはTGF-β抗体のいずれかの治療を行ったマウスではこのダメージが50%少なかった。さらにロサルタン投与マウスでは、肺の過膨張の所見や、コラーゲン蓄積量の増加の所見は認められなかった。酸化ストレスや、炎症、細胞死をはじめとする肺損傷の所見についても、ロサルタン投与マウスで軽減がみられた。

動物試験の主任研究者で 呼吸器科医のイーニッド・ネプチューン(Enid Neptune)は「今回検討した損傷のパラメータ(要因)の全てが改善した。我々は正しい道に的を絞っているのだという強い安心感を得た」とボルティモア(メリーランド州)にて語った。

これらの結果から、ロサルタン(商品名Cozaar)または同じ種類の類似薬は、ヒトにおける喫煙関連の肺疾患に対する有効な治療になりうることが示唆される。

ジョンズホプキンス大学医学部准教授のネプチューン氏は、同剤は既に高血圧の治療薬としてアメリカでの使用が承認されているため、COPDの治療法に取り入れるのは「かなり迅速」となるのではないかとしている。

一方、ヒトにおけるタバコ煙への暴露の性質は、実験用マウスでみられるものよりも複雑であることを同氏は認めている。

ネプチューン氏は「我々が証明したいのは、マウスモデルで観察したのと同じ改善が、同剤で治療を受けたCOPD患者でも認められるということである」としている。

同氏らはロサルタンがヒトの肺組織に及ぼす影響についても検討した。生化学的解析から、COPDの喫煙者8人におけるTGF-βシグナル伝達は、喫煙量が約1ダースでCOPDのない人の組織中で検出されたものよりも、25%多かったことが明らかにされた。

予備的臨床試験の域を出た次のステップは、TGF-βシグナル伝達がCOPDにおいて果たす役割に関する更なる実験と、TGF-βシグナル伝達を遮断する治療に対し最良効果を示す人を具体的に特定することである、と研究者らは述べている。ネプチューン氏は、これがCOPD患者に対する個別化治療につながる可能性があり、その通りに承認されたとしても、薬剤は恒久的な解決策にはならないとしている。

ネプチューン氏は「重視される1番の治療法として禁煙が提案されるが、患者にとっては極めて困難である」と述べた。同氏は禁煙プログラムと併用して同剤を使用したらどうかと考えているという。

COPDの治療としてロサルタンを使用する臨床試験を主導したジョンズホプキンス教授ロバート・ワイズ(Robert Wise)博士は、ジョンズホプキンスが出した発表の中で今回の発見を「素晴らしい」としている。ヒトでの試験が有効であると証明されれば、ロサルタンをはじめとする同種類の薬剤の新たな用途が、喫煙関連のCOPDに苦しむ何百万人もの肺の健康を回復させる可能性がある、とワイズ氏は語った。

試験結果は、アメリカ心肺血液研究所と、同剤を製造しているメルク社から寄せられたものである。

結果はジャーナル・オブ・クリニカル・インベスティゲーション(米医学誌)に木曜日掲載された。


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