以下の場合、ハイザールを絶対に服用しないでください。
・ハイザールの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・チアジド系薬剤またはその類似化合物(例えばクロルタリドンなどのスルフォンアミド誘導体)に対する過敏症の既往歴のある人
・妊婦または妊娠している可能性のある人
・重篤な肝機能障害のある人
・無尿の人、または透析をしている人
・急性腎不全の人: 腎機能をさらに悪化させるおそれがあります。
・体液中のナトリウム、カリウムが明らかに減少している人: 低ナトリウム血症、低カリウム血症などの電解質失調を悪化させるおそれがあります。
【慎重服用】
・両側性腎動脈狭窄のある人、または片腎で腎動脈狭窄のある人
・腎機能障害の人
・血清カリウム値異常の人
・肝機能障害、またはその既往のある人: 外国において、軽・中等度のアルコール性肝硬変の人がロサルタンカリウム50mgを単回経口服用すると、健康成人と比較してロサルタンの消失速度が遅延し、ロサルタンおよびカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約5倍および約2倍に上昇することが報告されています。また、ヒドロクロロチアジドは肝性昏睡を誘発するおそれがあります。
・脳血管障害のある人: 過度の降圧が脳血流不全を惹起し、病態を悪化させるおそれがあります。
・体液量が減少している人: 利尿降圧剤服用中、厳重な減塩療法中、水分摂取の不充分な人、過度の発汗をしている人
・減塩療法中の人: 低ナトリウム血症を起こすおそれがあります。
・重篤な冠硬化症または脳動脈硬化症のある人: 急激な利尿が現われた場合、急速な血漿量減少、血液濃縮を来たし、血栓塞栓症を誘発するおそれがあります。
・本人または両親、兄弟の痛風、糖尿病のある人、および高尿酸血症のある人: 高尿酸血症、高血糖症を来たし、痛風、糖尿病の悪化や顕性化のおそれがあります。
・下痢、嘔吐のある人: 電解質失調が現われるおそれがあります。
・高カルシウム血症、副甲状腺機能亢進症のある人: 血清カルシウムを上昇させるおそれがあります。
・ジギタリス剤、副腎皮質ホルモン剤またはACTHを服用している人
・交感神経切除後の人: ハイザールの降圧作用が増強されるおそれがあります。
・高齢者
・乳児
【重要な基本的注意】
・ハイザールはロサルタンカリウム50mgとヒドロクロロチアジド12.5mgの配合剤であり、ロサルタンカリウムとヒドロクロロチアジド双方の副作用が発現するおそれがあるため、適切にハイザールの使用を検討してください。
・ハイザールの服用によって、一過性の血圧低下(ショック症状、意識消失、呼吸困難などを伴う)を起こすおそれがあるので、そのような場合には服用を中止し適切な処置を行なってください。また、ハイザールの服用中は定期的(服用開始時:2週間ごと、安定後:月1回程度)に血圧のモニタリングを実施してください。特に次の人は、状態に充分注意してください。
1.利尿降圧剤服用中の人
2.厳重な減塩療法中の人
3.水分摂取の不充分な人
4.過度の発汗をしている人
・血清クレアチニン値が2.0mg/dlを超える腎機能障害の人においては、ヒドロクロロチアジドにより腎血流量が低下し、ロサルタンカリウムにより腎機能障害が悪化するおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けてください。
・血清クレアチニン値が1.5-2.0mg/dlの腎機能低下の人では、血清クレアチン値上昇および血清尿酸値上昇のおそれがあるので、ハイザール服用中は定期的に血清クレアチニン値および血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を充分に行なってください。
・両側性腎動脈狭窄のある人、または片腎で腎動脈狭窄のある人においては、腎血流量の減少や糸球体ろ過圧の低下により急速に腎機能を悪化させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けてください。
・ハイザールの成分であるヒドロクロロチアジドは低カリウム血症を起こすことが知られています。ハイザールの国内臨床試験において、血清カリウム値は低下傾向を示し、また低カリウム血症の発現頻度は高カリウム血症より高かったため、低カリウム血症の発現がより懸念されます。血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を充分に行なってください。
・ハイザールの成分であるロサルタンカリウムは高カリウム血症の人において、高カリウム血症を増悪させるおそれがあるので、治療上やむを得ないと判断される場合を除き、使用は避けてください。また、腎機能障害、コントロール不良の糖尿病などにより血清カリウム値が高くなりやすい人では、高カリウム血症が発現するおそれがあるので、血清カリウム値のモニタリングを定期的に実施し、観察を充分に行なってください。
・ハイザールの成分であるヒドロクロロチアジドは高尿酸血症を発現させるおそれがあるので、ハイザール服用中は定期的に血清尿酸値のモニタリングを実施し、観察を充分に行なってください。
・ハイザールの成分であるヒドロクロロチアジドは血糖値上昇もしくは糖尿病顕性化のおそれがあるので、観察を充分に行なってください。
・降圧作用に基づくめまい、ふらつきが現われることがあるので、高所作業、自動車の運転など危険を伴う機械を操作する際には注意してください。
・手術前24時間は服用しないことが望ましいとされています。
・ハイザールの成分を含むアンジオテンシンII受容体拮抗薬服用中に、まれに肝炎などの重篤な肝障害が現われたとの報告があります。肝機能検査を実施するなど、観察を充分に行ない、異常が認められた場合には服用を中止するなど適切な処置を行なってください。
・ハイザールの服用により利尿効果が急激に現われることがあるので、電解質失調、脱水に充分注意してください。
・夜間の休息が特に必要な人には、夜間の排尿を避けるため、午前中に服用するのが望ましいとされています。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・過度な血圧低下のおそれなどがあり、ハイザールを高血圧治療の第一選択薬としないでください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・ハイザールは、ロサルタンカリウム50mgあるいはヒドロクロロチアジド12.5mg以外の薬剤と降圧効果の比較検討は行なわれておらず、原則としてロサルタンカリウム50mgで効果不充分な場合にハイザールの使用を検討してください。
脳梗塞などが起こるおそれがあるため、高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされています。
高齢者でのロサルタンカリウム単独服用における薬物動態試験で、ロサルタンおよびカルボン酸体の血漿中濃度が非高齢者に比べて高くなることが認められています(非高齢者に比較してロサルタンおよびカルボン酸体の血漿中濃度がそれぞれ約2倍および約1.3倍に上昇)。
高齢者では、急激な利尿は血漿量の減少を来たし、脱水、低血圧などによる立ちくらみ、めまい、失神などを起こすことがあります。
特に心疾患などでむくみのある高齢者では、急激な利尿は急速な血漿量の減少と血液濃縮を来たし、脳梗塞などの血栓塞栓症を誘発するおそれがあります。
高齢者では低ナトリウム血症、低カリウム血症が現れやすいとされています。
75歳以上の高齢者に対する安全性は確立していません。
妊娠中期および末期にハイザールの成分を含むアンジオテンシンII受容体拮抗剤を服用した高血圧症の人で、羊水過少症、胎児・新生児の死亡、新生児の低血圧、腎不全、多臓器不全、頭蓋の形成不全および羊水過少症によると推測される四肢の奇形、頭蓋顔面の奇形、肺の発育不全などが現われたとの報告があるため、妊婦または妊娠している可能性のある人は服用しないでください。また服用中に妊娠が判明した場合には、ただちに服用を中止してください。
ハイザールの服用中は授乳を中止してください。
小児などに対する安全性は確立していません。
甲状腺障害のない人の血清PBIを低下させることがあるので注意してください。