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2010-05-18

ソース原文(オリジナル):サイエンスデイリー

ネットと電話を使ったカウンセリングは、チャンティックス投与との併用で禁煙効果のあることが試験で判明

サイエンスデイリー(米科学誌[2010年5月18日]) — バレニクリン(チャンティックス)を用いた禁煙行動プログラムを提供する3つの手段(電話、インターネット、その両方)が1件の無作為化試験で比較された。電話カウンセリングは、早期禁煙に対する治療に高い優位性があり、服薬遵守率を高めるように思われたが、6ヶ月の時点での禁煙成績に差はなかった。

今回の試験結果から、この3つの治療計画は、バレニクリンと併用した場合、すべて有効な治療選択肢となることが示唆される。本試験は、非営利の科学研究所であるスタンフォード国際研究所(SRI International)、集団医療研究所(Group Health Research Institute)、フリー&クリアー社(Free & Clear,Inc.)によって実施されたもので、アメリカン・ジャーナル・オブ・プリベンティブ・メディスン(医学誌)2010年5月号に掲載された。

積極的な電話による行動カウンセリングとネットを使った支援は、禁煙するための一般的な手段である。電話使用およびネット使用による支援はともに有効であることが知られているものの、先行研究では、この2つの支援の併用で、単独の場合よりも成績が改善されるかどうかについて検討されたことはなかった。本試験は、広く使用されている禁煙プログラム(フリー&クリアー生涯禁煙プログラム[Free & Clear Quit For Life Program])の相対的有効性を判定することを目的としたものである。この禁煙プログラムでは、標準的な積極型の電話による行動カウンセリング、インターネットを用いての支援提供、この2つを合わせた併用計画の計3つの手段を提供した。

本試験は、製造業者が研究支援した第一次第III相試験以来、初のバレニクリン使用に関する「実際の医療状況」での調査の1つであった。研究者らは、集団医療研究所において、タバコを止めるための行動療法とバレニクリン投与を受けた成人患者1,200人超を追跡調査した。全被験者は、バレニクリンを12週間投与され、印刷された案内書を配布されたほか、5~10分の電話説明を受け、必要に応じてフリーダイヤルでのサポートにアクセスすることが認められた。

本研究の筆頭著者であり、スタンフォード国際研究所の厚生科学センター(Center for Health Sciences)責任者のゲーリー・スワン(Gary Swan)博士は、「今回の結果では、実際の医療状況でのバレニクリンの使用に関する重要なデータが得られ、個別化した情報に加え、支持療法の原理が、長期的禁煙の成功に最も重要であることが示されている」と述べた。

「どの治療計画も、バレニクリンと併用した場合、カウンセリングの手段として有望であることが示されている」

バレニクリンは、非ニコチン処方薬であり、特に18歳以上の成人に禁煙を促すために開発されたものである。同剤は、脳内のニコチン受容体に対象を定めて付着し、ニコチンがそれらに到達するのを阻害する。観察された禁煙の成績に基づくと、実際の医療状況での行動療法から得たデータが、バレニクリンの第III相臨床試験の成績と同程度であることを同研究者らは見出した。バレニクリン投与に伴う主な副作用には胃腸障害と異常な夢があり、第III相試験で被験者に報告された副作用の割合と同程度であった。バレニクリン使用に起因する重篤な精神神経の異常は、試験中に認められなかった。

共著者は、グループ・ヘルス研究所の主任研究者ジェニファー・マクルーア(Jennifer B.McClure,PhD)博士、副主任研究者シェリル・キャッツ(Sheryl L.Catz,PhD)博士、プロジェクト・マネージャのジュリー・リチャード(Julie Richards,MPH)氏、フリー&クリアー社に属する協力関係にある研究者スーザン・ズビコウスキ(Susan M.Zbikowski,PhD)博士とティモシー・マッカフィー(Timothy A. McAfee,MD,MPH)博士、フリー&クリアー社のモナ・デプレイ(Mona Deprey,MS)氏、スタンフォード国際研究所のリサ・ジャック(Lisa M.Jack,MA)氏、ハロルド・ジェビツ(Harold S.Javitz,PhD)博士であった。

今回報告したプロジェクトは、www.clinicaltrials.gov(NCT00301145)に登録されている。国立がん研究センター(National Cancer Institute)が97.85%(330万ドル)を資金提供した(交付金R01CA071358)。ファイザー社(Pfizer Inc.)は、試験用の薬と、わずかな援助(2.15%)を提供した。


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