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2013-06-13
p>ソース(記事原文):プロヘルス

線維筋痛症に対する抗うつ薬ミルタザピンの検討

プロヘルス(2013年6月13日)― ProHealth.com

編集者のコメント:ミルタザピン(商品名レメロン)とは四環系抗うつ薬のことである。ミルタザピンが作用する仕組みは正確に分かっていないが、特定の脳内化学物質(ノルエピネフリンやセロトニンなど)の活性を高めるのではないかと考えられている。

線維筋痛症候群患者におけるミルタザピンの有効性と安全性:無作為化 プラセボ対照予備試験(7月/8月)。

抄録:

背景:非盲検試験のデータから、ミルタザピンは線維筋痛症候群の治療に役立ちうることが示唆される。

目的:線維筋痛症候群の第2相臨床試験における必要症例数を見積もるため、ミルタザピン有効性の先行的なデータを取得する。

方法:13週間にわたる無作為化比較試験で、線維筋痛症候群患者40人を対象に、ミルタザピン15 mg/日、ミルタザピン30mg/日、プラセボの各効果を比較した。主要評価項目は、疼痛の程度(PVAS:Pain Visual Analog Scale)における変化と、疼痛反応者(PVAS30%以上減少)の割合とした。副次的評価項目は、睡眠尺度(JSS:Jenkins Sleep Scale)、改善度と満足度の評価(PGIC:Patient Global Impression of Change)、線維筋痛症による影響に関する質問票(FIQ)、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)、患者の総合評価(Patient Global Assessment)、および自己報告型有害事象などから得たスコアとした。

結果:
・ 群内PVASスコアにおける試験開始前からの有意な低下は全3群で認められ、最も改善が大きかったのはミルタザピン30mg群であった(p<0.005)。ただし、群間差は有意でなかった。
・ 疼痛反応者の割合については、有意を示す基準(群間差)には達しなかった(ミルタザピン30mg群で66.67%、ミルタザピン15mg群で50%、プラセボ群で41.67%)。
・ JSSスコアにおける有意な群内改善は、ミルタザピン30mg群(p<0.01)とミルタザピン15mg群(p<0.05)で認められた。
・ 群間比較では睡眠尺度(JSS)の第3項目「一晩で数回目覚める」において有意性が得られた(p<0.05)。
・ 改善度と満足度の評価(PGIC)では、両ミルタザピン群で72.73%が改善したと感じたのに対し、プラセボ群では50%であった。
・ 線維筋痛症による影響に関する質問票(FIQ)における群内改善は両ミルタザピン群でのみ認められた一方、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)と患者の総合評価(Patient Global Assessment)における群内改善は全3群で認められた。
・ この結果に基づくと、ミルタザピン30mg群とプラセボ群との間の疼痛の程度(PVAS)変化における差を検出するための必要症例数(検出力80%、第1種の過誤5%)は、群あたり83人となる。
ミルタザピン関連の一般的有害事象は食欲亢進と体重増加であった。

結論:ミルタザピンを服用した線維筋痛症候群患者は、測定した評価項目のほとんどで有意な群内改善を示した。群間解析は、症例数が少ないことによって予想通り疑わしいものとなった。ミルタザピンは忍容性が良好であった。症例数を増やした試験が、今後役立つ可能性が高い。


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