【禁忌】
・ケープガード500mgの成分またはフルオロウラシルに対し過敏症の既往歴のある人
・テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤使用中の人および使用中止後7日以内の人
・重篤な腎障害のある人
・妊婦または妊娠している可能性のある人
【警告】
・カペシタビンを含むがん化学療法は、緊急時に充分対応できる医療施設において、がん化学療法に充分な知識・経験を持つ医師のもとで、カペシタビンが適切と判断される症例についてのみ実施してください。適応者の選択にあたっては、カペシタビンおよび各併用薬剤の添付文書を参照して充分注意してください。また治療開始に先立ち、家族に有効性および危険性を充分説明し、同意を得てから使用してください。
・テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤との併用により、重篤な血液障害などの副作用が発現するおそれがあるので併用しないでください。
・カペシタビンとワルファリンカリウムとの併用により、血液凝固能検査値異常、出血が発現し死亡に至った例も報告されています。これらの副作用は、カペシタビンとワルファリンカリウムの併用開始数日後からカペシタビン服用中止後1ヵ月以内の期間に発現しているので、併用する場合には血液凝固能検査を定期的に行ない、必要に応じて適切な処置を行なってください。
【慎重服用】
・腎障害のある人: 副作用が重症化または発現率が上昇するおそれがあります。
・肝障害のある人
・冠動脈疾患の既往歴のある人: 心障害があらわれるおそれがあります。
・骨髄抑制のある人: 骨髄抑制が増強するおそれがあります。
・消化管潰瘍または出血のある人: 症状が悪化するおそれがあります。
・高齢者
【重要な基本的注意】
・テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤使用中止後、カペシタビンを使用する場合は、少なくとも7日以上の感覚をあけてください。
・ケープガード500mg服用中は定期的(特に服用初期は頻回)に臨床検査(血液検査、肝機能、腎機能検査など)を行なうなど、状態を充分に観察してください。異常が認められた場合は、休薬などの適切な処置を行なってください。
・感染症、出血傾向の発現または悪化に充分注意してください。
・生殖可能な年齢の人が服用する場合には、性腺に対する影響を考慮してください。
・胃がんにケープガード500mgを使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会 公知申請への該当性に係る報告書:カペシタビン(進行性胃がん)など」を熟読してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・手術不能または再発乳がんに対して
1)カペシタビンの術後補助化学療法における有効性および安全性は確立していません。
2)単剤服用を行なう場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法の増悪もしくは再発例に限ります。
3)併用療法に関して、初回化学療法における有効性および安全性は確立していません。
・結腸がんにおける術後補助化学療法に対して
Dukes C意外の結腸がんにおける術後補助化学療法でのカペシタビンの有効性および安全性は確立していません。また国内での術後補助化学療法に関する検討は行なわれていません。
・治癒切除不能な進行・再発の胃がんに対して
カペシタビンの術後補助化学療法における有効性および安全性は確立していません。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・各用法の回使用量(1回用量)は以下の体表面積あたりの用量から算出しています。
A法:825mg/㎡
B法:1,250mg/㎡
C法:1,000mg/㎡
・治癒切除不能な進行、再発の結腸、直腸がんにおいて、ケープガード500mgと併用するほかの抗悪性腫瘍剤は、状態やがん化学療法歴に応じて選択してください。
・結腸がんにおける術後補助化学療法において、ほかの抗悪性腫瘍剤と併用する場合には、ケープガード500mgを適宜減量してください
・ほかの抗悪性腫瘍剤と併用する場合には、併用するほかの抗悪性腫瘍剤の添付文書を熟読してください。
・休薬、減量について
1)B法およびC法において副作用が発現した場合には、以下の規定を参考にして休薬、減量を行なってください。
休薬・減量の規定
NCIによる毒性のGrade判定
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治療期間中の処置
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治療再開時の服用量
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Grade1
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休薬、減量不要
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減量不要
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Grade2 初回発現
2回目発現
3回目発現
4回目発現
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Grade0-1に軽快するまで休薬
Grade0-1に軽快するまで休薬
Grade0-1に軽快するまで休薬
服用中止、再服用不可
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減量不要
減量段階1
減量段階2
―
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Grade3 初回発現
2回目発現
3回目発現
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Grade0-1に軽快するまで休薬
Grade0-1に軽快するまで休薬
服用中止、再服用不可
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減量段階1
減量段階2
―
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Grade4 初回発現
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服用中止、再服用不可
あるいは治療継続が望ましいと判断された場合は、Grade0-1に軽快するまで服用中断
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減量段階2
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上記の休薬、減量の規定に応じて減量を行なう際、次の用量を参考にしてください。
1,250mg/
㎡相当量で使用を開始した場合の減量時の使用量
体表面積
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1回用量
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減量段階1
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減量段階2
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1.13㎡未満
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900mg
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600mg
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1.13㎡以上1.21㎡未満
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1,200mg
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1.21㎡以上1.45㎡未満
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900mg
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1.45㎡以上1.69㎡未満
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1,500mg
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1.69㎡以上1.77㎡未満
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1,200mg
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1.77㎡以上
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1,800mg
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1,000mg/
㎡相当量で使用を開始した場合の減量時の使用量
体表面積
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1回用量
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減量段階1
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減量段階2
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1.41㎡未満
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900mg
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600mg
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1.41㎡以上1.51㎡未満
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1,200mg
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1.51㎡以上1.81㎡未満
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900mg
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1.81㎡以上2.11㎡未満
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1,500mg
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2.11㎡以上
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1200mg
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※一旦減量した後は増量は行なわないでください。
手足症候群の判定基準
Grade
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臨床領域
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機能領域
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1
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しびれ、皮膚知覚過敏、ヒリヒリ・チクチク感、無痛性腫脹、無痛性紅斑
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日常生活に制限を受けることはない症状
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2
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腫脹を伴う有痛性皮膚紅斑
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日常生活に制限を受ける症状
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3
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湿性落屑、潰瘍、水疱、強い痛み
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日常生活を遂行できない症状
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該当する症状のGradeが両基準(臨床領域、機能領域)で一致しない場合は、より適切と判断できるGradeを採用してください。
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・「結腸がんにおける術後補助化学療法」に関しては、服用期間が8コースを越えた場合の有効性および安全性は確立していません。
【その他の注意】
・フルオロウラシルの異化代謝酵素であるジヒドロピリミジンデヒドロゲナーゼ(DPD)欠損などの人がごくまれに存在し、このような人がフルオロウラシル系薬剤を使用した場合、服用初期に重篤な副作用(口内炎、下痢、血液障害、神経障害など)が発現するとの報告があります。
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、状態を観察しながら慎重に使用してください。特に80歳以上の高齢者において、重症の下痢、嘔気、嘔吐などの発現率が上昇したとの報告があります。
妊婦または妊娠している可能性のある人は使用しないでください。
授乳婦が使用する場合は、授乳を避けてください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。