【警告】
・インテンシック点滴静注40mgの使用にあたっては、有効性および危険性を充分理解し、同意してから使用を開始してください。
・イリノテカンの臨床試験において、骨髄機能抑制あるいは下痢に起因したと考えられる死亡例が認められています。インテンシック点滴静注40mgの使用は、緊急時に充分に措置できる医療施設およびがん化学療法に充分な経験を持つ医師の下で、インテンシック点滴静注40mgの使用が適切と判断される症例についてのみ使用し、以下の人は使用しないなど適用使用者の選択を慎重に行なってください。
骨髄機能抑制のある人
感染症を合併している人
下痢(水様便)のある人
腸管麻痺、腸閉塞のある人
間質性肺炎または肺線維症の人
多量の腹水、胸水のある人
黄だんのある人
アタザナビル硫酸塩を使用中の人
インテンシック点滴静注40mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・イリノテカンを含む小児悪性固形腫瘍に対するがん化学療法は、小児のがん化学療法に充分な知識・経験を持つ医師の下で実施してください。
・使用に際しては、骨髄機能抑制、高度な下痢などの重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査など)を行なうなど、状態を充分に観察してください。
・骨髄機能抑制による致命的な副作用の発現を回避するために、特に以下の事項に充分注意してください。
使用予定日(使用前24時間以内)に末梢血液検査を必ず実施し、結果を確認してからインテンシック点滴静注40mgの使用の適否を慎重に判断してください。
使用予定日の白血球数が3000/mm3未満または血小板数が10万/ mm3
未満(膵がんFOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万mm3
以上)であっても、白血球数または血小板数が急激な減少傾向にあるなど、骨髄機能抑制が疑われる場合には、インテンシック点滴静注40mgの使用を中止または延期してください。
なお、インテンシック点滴静注40mgの使用にあたっては、添付文書を熟読してください。
【禁忌】
・骨髄機能抑制のある人: 骨髄機能抑制が増悪して重症感染症などを併発し、致命的となることがあります。
・感染症を合併している人: 感染症が増悪し、致命的となることがあります。
・下痢(水様便)のある人: 下痢が増悪して脱水、電解質異常、循環不全を起こし、致命的となることがあります。
・腸管麻痺、腸閉塞のある人: 腸管からの排泄が遅れ、重篤な副作用が発現し、致命的となることがあります。
・間質性肺炎または肺線維症の人: 症状が増悪し、致命的となることがあります。
・多量の腹水、胸水のある人: 重篤な副作用が発現し、致命的となることがあります。
・黄だんのある人: 重篤な副作用が発現し、致命的となることがあります。
・アタザナビル塩酸塩を使用中の人
・インテンシック点滴静注40mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
【慎重使用】
・肝障害のある人: 肝障害が悪化および副作用が強く発現するおそれがあります。
・腎障害のある人: 腎障害が悪化および副作用が強く発現するおそれがあります。
・糖尿病の人(充分な管理を行ないながら使用してください): 高度な下痢の持続により、脱水、電解質異常を起こして糖尿病が増悪し、致命的となるおそれがあります。
・全身衰弱が著しい人: 副作用が強く発現するおそれがあります。
・高齢者
・小児
【重要な基本的注意】
・インテンシック点滴静注40mgは点滴静注により使用してください。
・重篤な過敏反応があらわれることがあるので、観察を充分に行ない、過敏症状(呼吸困難、血圧低下など)が認められた場合には、使用を中止し、適切な処置を行なってください。
・骨髄機能抑制、高度な下痢などの重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、頻回に臨床検査(血液検査、肝機能検査、腎機能検査など)を行なうなど、状態を充分に観察してください。異常が認められた場合には減量、休薬などの適切な処置を行なってください。使用後2週間は特に頻回に末梢血液検査を行なうなど、極めて注意深く観察してください。また、使用が長期間にわたると副作用が強くあらわれ、遷延することがあるので使用は慎重に行なってください。
骨髄機能抑制
インテンシック点滴静注40mgの使用にあたっては、白血球の変動に充分留意し、使用予定日の白血球数が3000/mm3
未満または血小板数が10万/mm3未満(膵がんFOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3未満)の場合には、インテンシック点滴静注40mgの使用を中止または延期してください。使用予定日の白血球数が3000/mm 3未満かつ血小板数が10万/mm3
以上(膵がんFOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3
以上)であっても、白血球数または血小板数が急激な減少傾向にあるなど、骨髄機能抑制が疑われる場合には、インテンシック点滴静注40mgの使用を中止または延期してください。また歯血球数が異常な高値を示す人およびCRPが異常値を示すなど感染症が疑われる人では、使用後に白血球の急激な減少が起こることがあります。このような場合には、使用予定日の白血球数が3000/mm 3未満かつ血小板数が10万/mm3
以上(膵がんFOLFIRINOX法においては、2クール目以降7.5万/mm3
以上)であっても、骨髄機能の回復を充分に確認してから使用してください。
白血球減少(好中球減少)を認めた場合には、観察を充分に行ない、減少の程度に応じてG-CSFなどの白血球数増多剤の使用、発熱を伴う場合には適切な抗製剤の使用、そのほか必要に応じて適切な感染症対策を行なってください。
下痢
インテンシック点滴静注40mgの使用により排便回数の増加、水様便または腹痛を伴うような場合は、継続使用により下痢が強く発現することがあります。また、腹痛を有する人がインテンシック点滴静注40mgを使用した場合、高度な下痢があらわれることがあります。したがって、このような場合には症状の回復を待って使用を行なってください。
下痢が発現した場合には、以下の事項に留意してください。
○高度な下痢の持続により、脱水および電解質異常などをきたし、特に重篤な白血球・好中球減少を伴った場合には、致命的な経過をたどることがあるので、次のような処理を行なってください。
・ロペラミド塩酸塩などの止瀉剤を使用してください。(ただし、腸管麻痺を引き起こすことがあるので、ロペラミド塩酸塩などの予防的使用や、漫然とした使用は行なわないでください)
・脱水を認めた場合は、輸液、電解質補充を行なってください。
・重篤な白血球・好中球減少を伴った場合には、適切な抗製剤の使用を考慮してください。
○高度な下痢や嘔吐に伴いショック(循環不全)があらわれることがあるので、観察を充分に行ない、呼吸困難、血圧低下などが認められた場合には、使用を中止し、適切な処置を行なってください。
なお、インテンシック点滴静注40mgによる下剤に関しては、以下の2つの機序が
考えられます。
早発型: インテンシック点滴静注40mg使用中あるいは使用直後に発現します。コリン作動性と考えられ、高度である場合もありますが多くは一過性であり、副交感神経遮断剤の使用により緩和することがあります。
連発型: インテンシック点滴静注40mg使用後24時間以降に発現します。主にインテンシック点滴静注40mgの活性代謝物(SN-38)による腸管粘膜障害に基づくものと考えられ、持続することがあります。
・重症感染症、播種性血管内凝固症候群(DIC)、出血傾向、腸管穿孔、消化管出血、腸閉塞、腸炎および間質性肺炎の発現または俗悪に充分注意してください。
・悪心・嘔吐、食欲不振などの消化器症状が高頻度にあらわれるので、観察を充分に行ない、適切な処置を行なってください。
・使用初期または比較的低用量の使用でも副作用があらわれることがあるので、使用上の注意に充分注意してください。
・小児および生殖可能な年齢の人が使用する場合には、性腺に対する影響を考慮してください。
・Gilbert症候群のようなグルクロン酸抱合異常の人においては、イリノテカンの代謝が遅延することにより骨髄機能抑制などの重篤な副作用が発現する可能性が高いため、充分注意してください。
・イリノテカンの活性代謝物(SN-38)の主な代謝酵素であるUDP-グルクロン酸転写酵素の2つの遺伝子多型について、いずれかをホモ接合体またはいずれもヘテロ接合体として持つ人では、UGT1A1のグルクロン酸抱合能が低下し、SN-38代謝が遅延することにより、重篤な副作用(特に好中球減少)発現の可能性が高くなることが報告されているため、充分注意してください。
・小児悪性固形腫瘍にインテンシック点滴静注40mgを使用する際には、関連文献を熟読してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・治癒切除不能な膵がんの場合、病期、全身状態、UGT1A1遺伝子の有効性および安全性を充分に理解した上で使用を考慮してください。
・インテンシック点滴静注40mgの術後補助化学療法における有効性および安全性は確立していません。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・オキサリプラチン、レボホリナート、フルオロウラシルとの併用療法(FOLFIRINOX法)を行なう場合には、以下の使用可能条件、減量基準および減量痔の使用量を参考にしてください。
2クール目以降の使用可能条件(使用予定日に確認し、当該条件を満たす状態へ回復するまで使用を延期すると共に、「減量基準」および「減量痔の使用量」を参考に、使用再開時に減量してください。)
種類
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程度
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好中球数
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1500/mm3以上
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血小板数
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75000/mm3以上
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減量基準
前回の使用後のいずれかの程度に該当する副作用が発現した場合は、該当するごとに以下の減量方法に従って使用レベルを1レベル減量します。また、いずれかの程度に該当する好中球減少または血小板減少が発現した場合は以降のフルオロウラシル急速静脈内投与を中止します。
副作用*
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程度
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減量方法
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好中球減少
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以下のいずれかの条件を満たす場合:
1)2クール目以降の使用可能錠を満たさず使用を延期
2)500/mm3未満が7日以上持続
3)感染症または下痢を併発し、かつ1000/mm3未満
4)発熱性好中球減少症
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インテンシック点滴静注40mgを優先的に減量します。
ただし、インテンシック点滴静注40mgの使用レベルがオキサリプラチンより低い場合は、インテンシック点滴静注40mgと同じレベルになるまでオキサリプラチンを減量します。
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下痢
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発熱(38℃以上)を伴う
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グレード3**以上
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フルオロウラシル持続静注を減量します。
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血小板減少
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以下のいずれかの条件を満たす場合:
1)2クール目以降の使用可能条件を満たさず使用を延期
2)50000/mm3未満
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オキサリプラチンを優先的に減量します。
ただし、オキサリプラチンの使用レベルがインテンシック点滴静注40mgより低い場合は、オキサリプラチンと同じレベルになるまでインテンシック点滴静注40mgを減量します。
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総ビリルビン上昇
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2.0mg/dL超3.0mg/dL以下
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インテンシック点滴静注40mgを120mg/m2に減量します。
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3.0mg/dL超
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インテンシック点滴静注40mgを90mg/m2に減量します。
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粘膜炎
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グレード3**以上
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フルオロウラシル持続静注を減量します。
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手足症候群
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*:複数の副作用が発現した場合は、薬剤ごとに減量が最大となる基準を適用します。
**:CTCAE version4.0
減量痔の使用量
(オキサリプラチン85mg/m2、インテンシック点滴静注40mgを180mg/m2
、フルオロウラシル持続静注2400mg/m2で使用を開始した場合)
使用レベル
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オキサリプラチン
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インテンシック点滴静注40mg
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フルオロウラシル持続静注
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-1
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65mg/m2
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150mg/m2
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1800mg/m2
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-2
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50mg/m2
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120mg/m2
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1200mg/m2
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-3
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中止
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中止
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中止
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【適用上の注意】
・調製時: インテンシック点滴静注40mgは細胞毒性を有するため、調製時には手袋を着用することが望ましいとされています。皮膚、眼、粘膜に薬液が付着した場合には、ただちに多量の流水でよく洗い流してください。
・使用経路: 必ず点滴静脈内投与とし、皮下、筋肉内には使用しないでください。
・使用時:
静脈内投与に際し、薬液が血管外に漏れると、注射部位に硬血・壊死を起こすことがあるので薬液が血管外に漏れないように使用してください。
インテンシック点滴静注40mgは、輸液に混和後、できるだけ速やかに使用してください。
インテンシック点滴静注40mgは光に不安定なので直射日光を避けてください。また、点滴時間が長時間におよぶ場合には遮光して使用してください。
【高齢者】
・一般に高齢者では生理機能が低下しており、排泄が遅れることから、骨髄機能抑制、下痢などの副作用の注意し、異常が認められた場合には、回復を充分に確認してから使用を行なうなど、使用間隔に留意してください。
【妊婦、産婦、授乳婦】
・妊婦または妊娠している可能性のある人は使用しないことが望ましいとされています。
・授乳中の人は授乳を中止してください。
【小児など】
・小児悪性固形腫瘍:
幼児または小児が使用する場合には、副作用の発現に特に注意し、慎重に使用してください。低出生体重児、新生児または乳児に対する安全性は確立していません。
・小児悪性固形腫瘍以外:
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。