以下の場合、オベスチン膣クリーム15gを絶対に使用しないでください。
・妊娠中の人
・乳がんの人、または疑いのある人
・エストロゲン依存の悪性腫瘍(子宮内膜がんなど)の人、または疑いのある人
・診断未確定の性器出血のある人
・未治療の子宮内膜増殖症のある人
・過去に特発性の、または現在静脈血栓塞栓症(深部下肢または骨盤静脈血栓塞栓および肺塞栓)を起こしている人
・現在または最近動脈血栓塞栓疾患(狭心症、心筋梗塞)を起こしている人
・急性の肝臓疾患または肝機能検査の数値が正常に戻らない肝臓疾患の既往歴のある人
・オベスチン膣クリーム15gの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・ポルフィリン症の人
【使用上の注意】
・ホルモン治療療法(HRT)の利益とリスクを充分に理解した上で使用してください。
・HRTを行なった場合、心臓血管、血栓症、腫瘍などの副作用が発現する可能性が高まることを理解してください。
・HRTの治療中はがんのリスクが高まりますが、治療中止後数年以内にはリスクが減少するとの臨床結果が出ています。
・HRTの開始または再開には、家族を含めた完全な病歴確認を行なってください。また治療中も定期的に検査を受けることが望ましいとされています。
・治療中、胸部に変化が起こった場合はただちに医師に報告してください。
・現在認められているスクリーニングに従い、マンモグラフィを含む検査を行ない、治療方針を決定してください。
・オベスチン膣クリーム15gはセチルアルコールおよびステアリルアルコールを含有しているため、部分的な皮膚反応(接触性皮膚炎など)を起こすことがあります。
・オベスチン膣クリーム15gはラテックスゴムコンドームに対して、破裂、滑り落ちなどの影響を与えることがあるため、併用はしないでください。
・閉経後症状の治療の開始および継続は、効果が出現する最低量を最短期間の使用にとどめてください。
・HRT治療を受けていない人、またはHRTとの複合療法の継続から切り替える場合は、オベスチン膣クリーム15gをいつから使用しても問題ありません。周期的HRT療法から切り替える場合は、周期が完了した1週間後からオベスチン膣クリーム15gの使用を開始してください。
●子宮内膜増殖症
・子宮内膜増殖症の出現を防ぐため、1日の使用量は1アプリケーション(エストリオール0.5mg)を超えないようにし、またこの最大使用量を数週間以上使用しないでください。
・少量のエストリオールを長期間経口服用(膣投与ではない)は、子宮内膜がんのリスクを高めるとの疫学的研究結果があります。このリスクは使用期間に応じて上昇し、使用を中止後1年以内に消失します。治療中に膣出血が起こった場合は調査をし、このような場合はただちに医師の診断を受けてください。
・エストロゲンは子宮内膜がんのリスクを高めるため、エストロゲン治療を受けている間は充分な観察が必要となります。
・天然エストロゲンと合成エストロゲンの違いによる子宮内膜へのリスクは確立していません。
●乳がん
・HRTはマンモグラフィ濃度を増やすため、放射能による乳がんの発見を複雑化することがありますが、エストロゲンと比較してエストリオールによる治療はマンモグラフィ濃度を上げない、と考えられています。
●静脈血栓塞栓症(VTE)
・HRTは、静脈血栓塞栓症(深部下肢、肺塞栓など)のリスク亢進と関係していることが臨床試験により報告されていますが、この試験にオベスチン膣クリーム15gは含まれていないため、オベスチン膣クリーム15gの使用により同じリスクが発生するかどうかは不明です。
・VTEの再発または血栓形成傾向にある人においては、VTEのリスクが上昇し、さらにHRTもこのリスクに含まれます。そのため個人や家族の既往歴を調査し、その危険要素を究明するか、もしくは抗凝血剤を使用しない限りはHRT治療を行なわないでください。
●脳卒中
・結合型ウマエストロゲン(CEE)とメドロキシプロゲステロン(MPA)による治療により、脳卒中のリスクが高まるとの報告がありますが、ほかのHRTにおいても同じリスクがあるかどうかについては報告されていません。
●卵巣がん
・卵巣を摘出した人でエストロゲンの単剤治療を長期間(5-10年)継続した人において、卵巣がんのリスクが高まるとの報告があります。しかし複合型ホルモン補充療法や作用が弱いエストロゲン(オベスチン膣クリーム15gなど)の長期間使用と比較した場合のリスクについては確定していません。
●その他
・エストロゲンは体液うっ滞を引き起こすことがあるため、心臓病や腎臓疾患のある人では状況を充分に観察してください。末期腎機能不全の人はオベスチン膣クリーム15gの有効成分の循環レベルが増えることが考えられるため、緊密な観察が必要です。
・エストリオールには、内分泌系には大きな影響を与えない弱い性腺刺激ホルモン阻害作用があります。
・認知機能に影響を与えるという決定的な証拠はありませんが、65歳以降にCEEとMPAを継続的に使用した人において認知症の発現が認められたとの報告があります。しかし閉経年齢の若い女性およびほかのHRTを使用した場合についての報告はありません。
【慎重使用】
現在または過去に以下の症状が認められている人、妊娠中または過去のホルモン療法により以下の症状が悪化した人は、治療中は充分な観察を受けてください。また治療流はこれらの症状が悪化する可能性があることを考慮してください。
・平滑筋腫(子宮筋腫)、子宮内膜症
・血栓塞栓症の既往歴、または危険因子のある人
・エストロゲン依存性腫瘍(I度遺伝性乳がん)の危険因子のある人
・高血圧
・肝臓疾患(肝腺腫など)
・血管障害を伴う/伴わない糖尿病
・胆石症
・片頭痛または(重度の)頭痛
・全身性エリテマトーデス
・子宮内膜増殖症の既往歴のある人
・てんかん
・ぜんそく
・耳硬化症
治療中に禁忌が発見された場合、または以下の状況が出現した場合は治療を中止してください。
・黄だん、肝機能低下
・著しい血圧の増加
・片頭痛タイプの新頭痛の発現
・妊娠