【警告】
・ゲモキセン1gの使用は、緊急時に充分対応できる医療施設において、がん化学療法に充分な知識・経験を持つ医師のもとで、ゲモキセン1gの使用が適切と判断される症例についてのみ実施してください。また治療開始に先立ち、有効性および危険性を充分理解し、同意してから使用してください。
・週1回使用を30分間点滴静注により行なってください。: 外国の臨床試験において、週2回以上あるいは1回の点滴を60分以上かけて行なうと、副作用が増強した例が報告されています。
・禁忌、慎重使用の項を参照して適応患者の選択に充分注意してください。
・高度な骨髄抑制のある人は使用しないでください。: 骨髄抑制は用量規制因子であり、感染症または出血を伴い、重篤化する可能性があります。骨髄抑制に起因したと考えられる脂肪例が報告されています。
・胸部単純X線写真で明らかで、かつ臨床症状のある間質性肺炎または肺線維症のある人は使用しないでください。: 間質性肺炎に起因したと考えられる死亡例が報告されています。
・放射線増感作用を期待する胸部への放射線療法との同時併用は避けてください。: 外国の臨床試験において、ゲムシタビンと胸部への根治的放射線療法との併用により、重篤な食道炎、肺臓炎が発現し、死に至った例が報告されています。
・使用に際しては臨床症状を充分に観察し、頻回に臨床検査(血液学的検査、肝機能検査など)を、また定期的に胸部X線検査を行ない、異常が認められた場合には適切な処置を行なうとともに、使用継続の可否について慎重に検討してください。
【禁忌】
・高度な骨髄抑制のある人: 骨髄抑制が増悪し、致命的となることがあります。
・胸部単純X線写真で明らかで、かつ臨床症状のある間質性肺炎または肺線維症のある人: 症状が増悪し、致命的となることがあります。
・胸部への放射線療法を施行している人: 外国の臨床試験でゲムシタビンと胸部への根治的放射線療法との併用により、重篤な食道炎、肺臓炎が発現し、死亡に至った例が報告されています。
・重症感染症を合併している人: 感染症が増悪し、致命的なることがあります。
・ゲモキセン1gの成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある人
・妊婦または妊娠している可能性のある人: 動物実験で催奇形作用および胎児致死作用が報告されています。
【慎重使用】
・骨髄抑制のある人
・間質性肺炎または肺線維症の既往歴または合併症がある人: 間質性肺炎などの重篤な肺毒性を起こすことがあります。
・肺障害(肺転移、肺炎、肝硬変など)、アルコール依存症の既往または合併のある人: 肝機能の悪化を引き起こすことがあります。
・腎障害のある人: 腎機能が低下しているので、副作用があらわれやすくなることがあります。
・高齢者
・心筋梗塞の既往のある人: 心筋梗塞がみられることがあります。
【重要な基本的注意】
・腫瘍の明らかな増大、心病変の出現など、病態に進行が認められた場合には使用を中止し、ほかの歴節な治療法に切り替えてください。
・骨髄抑制、間質性肺炎などの重篤な副作用が起こることがあり、ときに致命的な経過をたどることがあるので、使用に際しては臨床症状を充分に観察し、頻回に臨床検査(血液学的検査、肝機能検査、腎機能検査など)を、また定期的に胸部X線検査を行ない、異常が認められた場合には、減量、休薬などの適切な処置を行なってください。
1)
骨髄抑制
ゲモキセン1gの使用にあたっては、白血球数および血小板数の変動に充分留意し、使用当日の白血球数が2000/μL未満または血小板数が7万/μL未満であれば、骨髄機能が回復するまで使用を延期してください。また、前治療により骨髄機能が低下している人では、骨髄抑制が強くあらわれることがあるので、これらの人は使用量を適宜減量し、臨床検査値に充分注意してください。ゲモキセン1gを週1回3週連続使用した場合、白血球数および好中球数の最低値は使用開始平均約2-3週間後にあらわれ、最低値発現日から約1週間で回復します。
2)
間質性肺炎などの肺毒性
ゲモキセン1gの使用にあたっては、臨床症状(呼吸困難、咳および発熱などの有無)を充分に観察し、定期的に胸部X線検査を行なってください。また必要に応じて胸部CT検査、動脈血酸素分圧(PaO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)などの検査を行ない、異常が認められた場合には、減量、休薬などの適切な処置を行なってください。間質性肺炎などの肺毒性の発症あるいは急性増悪が疑われた場合には、ただちにゲモキセン1gによる治療を中止し、ステロイド治療などの適切な処置を行なってください。
・感染症の発現または増悪に充分注意してください。
・過敏症状があらわれた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行なってください。
・ゲモキセン1g使用時に傾眠が認められることがあるので、このような症状が発現しないことが確認されるまで、自動車の運転などは行なわないように注意してください。
・動物実験(マウス、ウサギ)において、生殖毒性(先天性異常、胚胎発育、妊娠経過、周産期発育あるいは生後発育に対する影響など)が報告されているので、生殖可能な年齢な人が使用する必要がある場合には生殖器に関する影響を考慮してください。
・卵巣がん、悪性リンパ腫にゲモキセン1gを使用する際には、関連文献(「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:ゲムシタビン塩酸塩(卵巣がん)」、「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議 公知申請への該当性に係る報告書:ゲムシタビン塩酸塩(再発・難治性悪性リンパ腫)」を熟読してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・胆道がんの場合
ゲモキセン1gの術後補助化学療法における有効性および安全性は確立していません。
・尿路上皮がんの場合
ゲモキセン1gの術前・術後補助化学療法における有効性および安全性は確立していません。
・手術不能または再発乳がんの場合
1. ゲモキセン1gの術前・術後補助化学療法における有効性および安全性は確立していません。
2. ゲモキセン1gを使用する場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の増悪もしくは再発例を対象としてください。
・がん化学療法後に増悪した卵巣がんの場合
ゲモキセン1gを使用する場合には、白金製剤を含む化学療法施行後の症例を対象とし、白金製剤に対する感受性を考慮してゲモキセン1g以外の治療法を慎重に検討した上で、ゲモキセン1gの使用を開始してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・尿路上皮がんおよび手術不能または再発乳がんにゲモキセン1gを使用する場合は、臨床成績を充分に理解した上で使用方法を選択してください。
・ゲモキセン1gの200mgバイアルは5mL異常、1gバイアルは25mL異常の生理食塩液に溶解して使用してください。
【適用上の注意】
・30分間で点滴静脈内投与し、皮下、筋肉内には使用しないでください。
・溶解後は速やかに使用してください。溶液を冷蔵庫に保存すると結晶が析出することがあるので、保存する場合でも室温(15~30℃)で保存し、24時間以内に使用してください。溶解した残液は使用しないでください。
・皮膚に薬液が付着した場合は直ちに石鹸でよく洗浄し、粘膜に付着した場合はただ知に多量の流水でよく洗い流してください。
【高齢者】
高齢者では腎機能、肝機能などの生理機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、骨髄抑制などの副作用の発現に注意し、慎重に使用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある人は使用しないでください。
・授乳婦が使用する場合は授乳を中止してください。
【小児など】
・小児などに対する安全性は確立していません。