【警告】
・サイラムザは、緊急時に充分対応できる医療施設において、がん化学療法に充分な知識・経験を持つ医師のもとで、サイラムザの使用が適切と判断される症例についてのみ使用してください。また、治療開始に先立ち、有効性および危険性を充分理解し、同意してください。
・心筋梗塞、脳血管障害などの重篤な動脈血栓塞栓症があらわれ、死亡に至る例が報告されています。観察を充分に行ない、異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行なってください。重度の動脈血栓塞栓症があらわれた人には、サイラムザを使用しないでください。
・重度の消化管出血があらわれ、死亡に至る例が報告されています。観察を充分に行ない、異常が認められた場合は使用を中止し、適切な処置を行なってください。重度の出血があらわれた人には、サイラムザを使用しないでください。
・消化管穿孔があらわれ、死亡に至る例が報告されています。観察を充分に行ない、異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行なってください。消化管穿孔があらわれた人には、サイラムザを使用しないでください。
【禁忌】
・サイラムザの成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある人
・妊婦または妊娠している可能性のある人
【慎重使用】
・血栓塞栓症またはその既往歴のある人: 心筋梗塞、脳血管障害、脳塞栓症などがあらわれるおそれがあります。
・高血圧症の人: 高血圧が悪化するおそれがあります。
・消化管など腹腔内の炎症を合併している人: 消化管穿孔があらわれるおそれがあります。
・出血素因や凝固系異常のある人または抗凝固剤を使用している人: 出血があらわれるおそれがあります。
・消化管出血などの出血が認められている人: 出血が増強されるおそれがあります。
・胸部における腫瘍の主要血管への浸潤や腫瘍内空洞化を認める人、喀血の既往歴のある人: 肺出血があらわれるおそれがあります。
・大きな手術の術創が治癒していない人: 創傷治癒障害による合併症があらわれるおそれがあります。
・重度の肝障害(重度の肝硬変、肝性脳症を伴う肝硬変、肝硬変による著明な腹水、肝腎症候群)を有する人: 肝機能が悪化するおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・Infusion
reactionがあらわれることがあり、2回目以降のサイラムザの使用時にもあらわれることがあります。サイラムザの使用は、重度のInfusion
reactionに備えて緊急時に充分な対応のできる準備を行なって上で開始してください。またサイラムザ使用中は、状態を観察し、過敏症状が認められた場合には、適切な処置を行なってください。
・高血圧があらわれることがあるので、サイラムザ使用開始前および使用期間中は定期的に血圧を測定してください。高血圧があらわれた場合には、降圧剤の使用など、適切な処置を行なってください。
・ネフローゼ症候群、たんぱく尿があらわれることがあるので、サイラムザ使用期間中は尿たんぱくを定期的に検査してください。異常が認められた場合には、サイラムザの休薬、減量または使用を中止するなど、適切な処置を行なってください。
・サイラムザは創傷治癒に影響をおよぼす可能性があります。
1. 手術を予定している場合には、手術の前にサイラムザの使用を中断してください。
2. 手術後にサイラムザを使用する際には、創傷が治癒していることを充分に確認し、使用を開始することが望ましいとされています。
3. 創傷治癒による合併症があらわれた場合には、創傷が治癒するまでサイラムザの使用を中止し、適切な処置を行なってください。
・重度の肝障害(重度の肝硬変)、肝性脳症を伴う肝硬変、肝硬変による著明な腹水、肝腎症候群)を有する人において、サイラムザにより肝機能が悪化したとの報告があります。重度の肝障害を有する人に対する使用の可否は慎重に判断してください。使用する場合には、観察を充分に行ない、異常が認められた場合には、サイラムザの使用を中止するなど、適切な処置を行なってください。
・サイラムザとドセタキセルを併用使用した非小細胞肺がんの人において、発熱性好中球減少症の発現頻度が高かったとの報告があります。非小細胞肺がんの人がサイラムザを使用する際には、予防使用(一次予防)を含めたG-CSF製剤の適切な使用を最新のガイドラインなどを参考に考慮してください。また、サイラムザ使用期間中は定期的に臨床検査(血液検査など)を行なうなど、状態を充分に観察し、異常が認められた場合には、サイラムザまたは併用する抗悪性腫瘍剤の休薬、減量または使用を中止するなど、適切な処置を行なってください。
【高齢者】
・一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いため、状態を観察しながら慎重に服用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある人は、サイラムザを使用しないでください。妊娠可能な人は、サイラムザの使用中および使用終了後、一定期間は適切な避妊を行なってください。
・授乳中の人が使用する場合は、授乳を中止してください。
【小児など】
・小児などに対する安全性は確立していません。