【禁忌】
・有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の人: ステロイド作用により症状を増悪するおそれがあります。
・セレタイド・ディスカスの成分に対して過敏症の既往歴のある人
【原則禁忌】
・結核性疾患の人: ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがあります。
【慎重使用】
・感染症の人: ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがあります。
・甲状腺機能亢進症の人: 甲状腺ホルモンの分泌促進により症状を増悪するおそれがあります。
・高血圧の人: αおよびβ1作用により症状を増悪するおそれがあります。
・糖尿病の人: グリコーゲン分解作用およびステロイドの作用により症状を増悪するおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・セレタイド・ディスカスは既に起きている気管支喘息の発作または慢性閉塞性肺疾患の増悪を速やかに軽減する薬剤ではないので、毎日規則正しく使用してください。
・セレタイド・ディスカスの使用開始前には、喘息症状を比較的安定な状態にしておいてください。特に、喘息発作重積状態または喘息の急激な悪化状態のときには原則としてセレタイド・ディスカスは使用しないでください。
・気管支粘液の分泌が著しい人は、セレタイド・ディスカスの肺内での作用を確実にするため、セレタイド・ディスカスの使用開始に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用してください。
・過度に使用を続けた場合、サルメテロールのβ1
作用により不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあるので、使用が過度にならないように注意してください。
・喘息の人において、セレタイド・ディスカスの使用期間中に発現する急性の発作に対しては、短時間作動型吸入β2
刺激剤などのほかの適切な薬剤を使用するようにしてください。
また、その薬剤の使用量が増加したり、あるいは効果が充分でなくなってきた場合には、喘息の管理が充分でないことが考えられるので、可及的速やかに医療機関を受診し医師の治療を求めるようにしてください。
そのような状態では生命が脅かされる可能性があるので、症状に応じてステロイド療法の強化(セレタイド・ディスカスより高用量製剤への変更など)を考慮してください。
・喘息の人および慢性閉塞性肺疾患の人において、感染を伴う症状の増悪がみられた場合には、ステロイド療法の強化と感染症の治療を考慮してください。
・セレタイド・ディスカスの使用を突然中止すると喘息の急激な悪化を起こすことがあるので、使用を中止する場合には喘息症状を観察しながら徐々に減量してください。
なお、慢性閉塞性肺疾患の人においても、使用中止により症状が悪化するおそれがあるので、観察を充分に行なってください。
・全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いですが、吸入ステロイド剤の使用により全身性の作用(クッシング症候群、クッシング様症状、副腎皮質機能抑制、小児の成長遅延、骨密度の低下、白内障、緑内障を含む)が発現する可能性があるので、吸入ステロイド剤の使用量はコントロールできる最少容量に調節してください。特に長期間、大量使用の場合には定期的に検査を行ない、全身性の作用が認められた場合には喘息症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行なってください。
・長期または大量の全身性ステロイド療法を受けている人では副腎皮質機能に不全が考えられるので、全身性ステロイド剤の減量中並びに離脱後も副腎皮質機能検査を行ない、外傷、手術、重症感染症などの侵襲には充分に注意を払ってください。また、必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行なってください。
・喘息の人においてセレタイド・ディスカスを含む吸入ステロイド剤使用後に、潜在していた基礎疾患であるChurg-strauss症候群にみられる好酸球増多症がまれにあらわれることがあります。この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って発現しており、セレタイド・ディスカスとの直接的な因果関係は確立されていません。セレタイド・ディスカスの使用期間中は、好酸球数の推移や、ほかのChurg-strauss症候群症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤などの血管炎症状など)に注意してください。
・全身性ステロイド剤の減量並びに離脱に伴って、鼻炎、湿疹、じんましん、めまい、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎などの症状が発現・増悪することがあります(このような症状があらわれた場合には適切な処置を行なってください)。
・リトナビルとの併用により全身性のステロイド作用(クッシング症候群、副腎皮質機能抑制など)が発現したとの報告があるので、併用する場合には注意してください。
・セレタイド・ディスカスは喘息症状に応じて最適な容量を選択する必要があるため、セレタイド・ディスカスの使用期間中は定期的に診察を受けてください。
・慢性閉塞性肺疾患の人を対象とした国内臨床試験および海外臨床試験において肺炎が報告されています。一般に肺炎の発現リスクが高いと考えられる人がセレタイド・ディスカスを使用する場合には注意してください。また、肺炎と慢性閉塞性肺疾患の増悪は共通の臨床症状を呈することがあるので、慢性閉塞性肺疾患の増悪が疑われる場合には肺炎の可能性についても充分に考慮し、適切な処置を行なってください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・気管支喘息
1) セレタイド・ディスカスは、吸入ステロイド剤とほかの薬剤との併用による治療が必要であり、併用薬として長時間作動型吸入β2
刺激剤の使用が適切と判断された人が使用してください。
2)
セレタイド・ディスカスは発現した発作を速やかに軽減する薬剤ではないので、急性の発作に対しては使用しないでください。急性の発作に対しては、短時間作動型吸入β2刺激剤(例えば吸入用サルブタモール硫酸塩)などのほかの適切な薬剤を使用してください。
・慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎・肺気腫)
セレタイド・ディスカスは増悪時の急性期治療を目的として使用する薬剤ではありません。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・患者、保護者またはそれに代わり得る適切な人に対し、セレタイド・ディスカスの角の使用により不整脈、心停止などの重篤な副作用が発現する危険性があることを理解させ、1日2回を超えて使用しないようにしてください(サルメテロールキシナホ酸塩の気管支拡張作用は通常12時間持続するので、その間は次の使用を行なわないでください)。
・喘息の人において、症状の緩解がみられた場合は、治療上の必要最小限の用量でセレタイド・ディスカスを使用し、必要に応じて吸入ステロイド剤への切り替えも考慮してください。
【高齢者】
・一般に高齢者では生理機能が低下しているので、状態を観察しながら慎重に使用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
・授乳婦の人に対しては、使用経験が少ないので、セレタイド・ディスカスの重要性を考慮した上で授乳の中止あるいはセレタイド・ディスカスの使用を中止してください。
【小児など】
・全身性ステロイド剤と比較し可能性は低いですが、吸入ステロイド剤を特に長期間、大量に使用する場合に成長遅延をきたすおそれがあります。長期間使用する場合には吸入ステロイド剤の使用量は喘息をコントロールできる最少用量に調節することとし、慎重などの経過の観察を充分行なってください。また使用にあたっては、正しく使用してください。
なお、小児などに対しては国内での24週間を超える使用経験はありません。
・低出生体重児、新生児、乳児または4歳以下の幼児に対する安全性は確立していません。