【警告】
・ゼルボラフ240mgは、緊急時に充分対応できる医療施設において、がん化学療法に充分な知識・経験を持つ医師のもとで、ゼルボラフ240mgの使用が適切と判断される症例についてのみ使用してください。また治療開始に先立ち、有効性および危険性を充分に理解し、同意してから使用してください。
【禁忌】
・ゼルボラフ240mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
【慎重服用】
・重度の肝機能障害のある人: 安全性が確立していません。
・QT間隔延長のおそれ、またはその既往歴のある人: QT間隔延長が起こるおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・有棘細胞があらわれることがあるので、定期的に皮膚の状態を確認してください。また、皮膚の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診してください。
・皮膚以外の部位に扁平上皮がんがあらわれることがあるので、観察を充分に行ない、異常が認められた場合には適切な処置を行なってください。
・QT間隔延長があらわれることがあるので、ゼルボラフ240mgの使用開始前には心電図検査および電解質測定を行なってください。使用開始前にQTcのベースライン値が500msを超える場合または補正できない電解質異常が認められる場合には使用を避けてください。ゼルボラフ240mgの使用期間中は定期的に心電図検査および電解質測定を行ない、異常が認められた場合には、減量、休薬または使用を中止し、適切な処置を行なってください。
・肝不全、肝機能障害、黄だんなどの肝障害またはALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビンの上昇などがあらわれることがあるので、状態に応じて定期的に肝機能検査を行なってください。
・急性腎障害があらわれることがあるので、使用開始前および使用中に定期的に腎機能検査を行なってください。
・光線過敏症があらわれることがあるので、外出時には帽子や衣類などによる遮光や日焼け止め効果の高いサンスクリーンの使用により、日光やUV光線の照射を避けるようにしてください。
・ブドウ膜炎などの重篤な眼障害が報告されているので、定期的に眼の異常の有無を確認してください。また、眼の異常が認められた場合には、速やかに医療機関を受診してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・充分な経験を有する病理医または検査施設における検査により、BRAF遺伝子変異が確認された場合に使用してください。
・ゼルボラフ240mgの有効性および安全性を充分に理解した上で使用を検討してください。
・ゼルボラフ240mgの術後補助化学療法における有効性および安全性は確立していません。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・副作用が発現した場合には、表1の規定を参考にして減量・休薬してください。ただし、有棘細胞がん(皮膚の扁平上皮がん)または新たな原発性悪性黒色腫が発現した場合には、外科的切除などの適切な処置を行なった上で、減量・休薬することなく治療の継続を可能としてください。
また、QT間隔延長が発現した場合には、表2の規定を参考にして減量・休薬してください。
表1: 減量・休薬の規定
NCI-CTCAE*によるGrade判定
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治療期間中の処理
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Grade 1または忍容可能なGrade 2
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減量・休薬不要
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忍容不能なGrade2またはGrad 3
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初回発現
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休薬
Grade 1以下またはベースラインまで軽快後、1回720mg(1日2回)で服用を再開**
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2回目発現
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休薬
Grade 1以下またはベースラインまで軽快後、1回480mg(1日2回)で服用を再開***
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3回目発現
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服用注意
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Grade 4
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初回発現
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原則服用注意
治療継続が望ましいと判断された場合には休薬
Grade 1以下またはベースラインまで軽快後、1回480mg(1日2回)で服用を再開
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2回目発現
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服用中止
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*NCI-CTCAE v4.0によりGradeを判定
**休薬前に1回720mgに減量されていた場合には1回480mgとします。
***休薬前に1回480mgに減量されていた場合にはゼルボラフ240mgの服用を中止します。
表2: QT間隔延長に基づく減量・休薬の規定
QT間隔
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治療期間中の処置
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QTc値が500msを超え、かつベースライン値からの延長が60msを超える場合
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服用中止
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QTc値が500msを超え、かつベースライン値からの延長が60ms以下の場合
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初回発現
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休薬
QTc値が500ms以下まで軽快後、1回720mg(1日2回)で服用を再開
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2回目発現
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休薬
QTc値から500ms以下まで軽快後、1回480mg(1日2回)で服用を再開
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3回目発現
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服用中止
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・食後にゼルボラフ240mgを服用した場合、Cmax
およびAUCが増加するとの報告があります。食事の影響を避けるため、食事の1時間から食後の2時間までの間の服用は避けることが望ましいとされています。
・ほかの抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性および安全性は確立していません。
【その他の注意】
・海外市販後の自発報告において、RAS遺伝子変異を有する慢性骨髄単急性白血病の進行が報告されています。
・ゼルボラフ240mgとイピリムマブを併用使用した海外第I相臨床試験において、重度の肝機能障害が高頻度に発現し、忍容性が認められませんでした。
【高齢者】
・一般に高齢者では生理機能が低下していることが多いので、状態を観察しながら慎重に服用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。妊娠可能な人は、ゼルボラフ240mg服用中およびゼルボラフ240mg服用終了後一定期間は適切な避妊を行なってください。
・授乳中の人は授乳を中止してください。
【小児など】
・低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。