以下の場合、トフラニール25mgを絶対に服用しないでください。
・緑内障のある人: 抗コリン作用により眼圧を上昇させるおそれがあります。
・トフラニール25mgの成分または三環系抗うつ剤に対し過敏症の既往歴のある人
・心筋梗塞の回復初期の人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・尿閉(前立腺疾患など)のある人: 抗コリン作用により症状が悪化することがあります。
・MAO阻害剤(セレギリン)を服用中あるいは服用中止後2週間以内の人: 発汗、不穏、全身けいれん、異常高熱、昏睡などが現われるおそれがあります。
・チオリダジンを服用中の人: QT延長、心室性不整脈などを起こすことがあります。
・QT延長症候群のある人: 心室性不整脈を起こすおそれがあります。
以下の場合、トフラニール25mgを慎重に服用してください。
・排尿困難または眼内圧亢進などのある人: 抗コリン作用により症状が悪化することがあります。
・心不全、心筋梗塞、狭心症、不整脈(発作性頻拍、刺激伝導障害など)などの心疾患のある人または甲状腺機能亢進症の人: 循環器系に影響をおよぼすことがあります。
・てんかんなどのけいれん性疾患またはこれらの既往歴のある人: けいれんを起こすことがあります。
・そううつ病の人: そう転、自殺企図が現われることがあります。
・脳の器質障害または統合失調症の素因のある人: 精神症状を増悪させることがあります。
・衝動性が高い併存障害を有する人: 精神症状を増悪させることがあります。
・自殺念慮または自殺企図の既往のある人、自殺念慮のある人: 自殺念慮、自殺企図が現われることがあります。
・副腎髄質腫瘍(褐色細胞腫、神経芽細胞腫など)のある人: 高血圧発作を引き起こすことがあります。
・重篤な肝・腎障害のある人: 代謝・排泄障害により副作用が現れやすくなります。
・低血圧の人: 高度の血圧低下が起こることがあります。
・低カリウム血症のある人: 低カリウム状態はQT延長の危険因子と考えられています。
・高度な慢性の便秘のある人: 抗コリン作用により症状が悪化することがあります。
・小児または高齢者:小児が服用する場合は4歳以上から服用することが望ましいとされています。
また高齢者では起立性低血圧、ふらつき、抗コリン作用による口渇、排尿困難、便秘、眼内圧亢進などが現れやすいため、少量から服用を開始するなど状態を観察しながら慎重に服用してください。
重要な基本的注意
・うつ症状を呈する人は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるため、このような人は服用開始早期ならびに服用量を変更する際には状態および病態の変化を注意深く観察してください。
・不安、焦燥、興奮、パニック発作、不眠、易刺激性、敵意、攻撃性、衝動性、アカシジア/精神運動不穏、軽そう、そう病などが現われることが報告されています。
また、因果関係は明らかではありませんが、これらの病状、行動を来たした症例において、基礎疾患の悪化または自殺念慮、自殺企図、他害行為が報告されています。
状態および病態の変化を注意深く観察するとともに、これらの症状の増悪が観察された場合には、服用量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行なってください。
・自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる人が服用する場合には、1回分の服用日数を最小限にとどめてください。
・服用量の急激な現象ないし服用の中止により、吐き気、頭痛、倦怠感、易刺激性、情動不安、睡眠障害、筋けい縮などの離脱症状が現われることがあります。
服用を中止する場合には、徐々に減量するなど慎重に行なってください。
・眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、トフラニール25mgの服用中は、自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事しないように注意してください。
効能または効果に関連する使用上の注意
・抗うつ剤の服用により、24歳以下の人で、自殺念慮、自殺企図のリスクが増加するとの報告があるため、トフラニール25mgの服用に当たっては、リスクとベネフィットを考慮してください。
新生児に呼吸困難、嗜眠、チアノーゼ、興奮性、低血圧、高血圧、けいれん、筋けい縮、ふるえなどの離脱症状を起こしたとの報告があり、また動物実験で催奇形作用(外形異常)が報告されているため、妊婦または妊娠している可能性のある人は服用しないことが望ましいとされています。
そのほかの注意
・海外で実施された大うつ病性障害などの精神疾患を有する人を対象とした、塩酸イミプラミンを含む複数の抗うつ剤の短期プラセボ対照臨床試験の検討結果において、24歳以下の人では、自殺念慮や自殺企図の発現のリスクが抗うつ剤服用群でプラセボ群と比較して高いと報告されています。
なお、25歳以上の人における自殺念慮や自殺企図の発現リスクの上昇は認められず、65歳以上においてはそのリスクが減少しています。
・三環系抗うつ剤の長期服用でう歯発現の増加を招くことが報告されています。
・連用中は定期的に肝・腎機能検査および血圧検査を行なうことが望ましいとされています。
・塩酸イミプラミンの服用中にコンタクトレンズを使用している場合、角膜上皮の障害が現われるおそれがあります(塩酸イミプラミンは抗コリン作用があり、涙液分泌を減少させるため)。