ビガメッド40mgは、ED（勃起不全）の改善薬です。
勃起不全とは、器質性（生理的異常）または心因性（心理的障害）の原因により、満足な性交ができるだけの陰茎の硬さが得られない状態で、一般的にはインポテンツという言葉が用いられています。
アメリカ国立衛生研究所の調査によると、アメリカ人では4000万人以上、世界中では1億4000万人以上の男性が勃起不全であると推測されており、40歳では約40%、50歳を超えるとその発生率は75%を超えるとされています。
勃起は、陰茎内部の海綿体に血液が溜まることで起こりますが、この陰茎海綿体の血管、平滑筋の収縮や弛緩に関わっているのが、興奮性の自律神経である交感神経の活性に伴って遊離される神経伝達物質のアドレナリン（またはノルエピネフリン）です。
陰茎血管や平滑筋にはアドレナリン（ノルエピネフリン）と結合することでその働きを示すアドレナリンα（アルファ）1受容体が存在しており、この受容体にアドレナリンが結合すると平滑筋の収縮がもたらされます。
つまり、アドレナリンの働きにより海綿体平滑筋が収縮し、送られる血液の量が少なくなると、陰茎の充分な硬さが得られないということになります。
ビガメッド40mgの有効成分であるメシル酸フェントラミンは、このアドレナリン作用を阻害し、海綿体平滑筋を弛緩させることで多量の血液を送り込み勃起を促す、α1、α2アドレナリン受容体拮抗薬です。
海綿体血管や平滑筋に存在しているアドレナリンα1を遮断することにより、海綿体の血管、平滑筋の収縮を妨げるのと同時に、アドレナリン作動性神経の末端部に存在しているα2受容体をも遮断し、遊離されるアドレナリン（ノルエピネフリン）の量を減少させます。
ちなみに海綿体への血流量を増やすという点においてはバイアグラと作用は同じですが、バイアグラの有効成分であるシルデナフィルは、PED-5（ホスホジエステラーゼ-5）という酵素の働きを抑制することで勃起不全の症状を改善するという点において、作用機序が異なります。
かつては、勃起不全の治療には注射療法、人工ペニス移植、真空ポンプなどがありましたが、その特異な治療法のために実際に治療を受けていた人はごく少数でした。
しかし勃起不全の経口治療薬であるバイアグラが承認されたことで、近年では治療方法も大きく変わってきています。
勃起不全を治療するための薬は、末梢または中枢のいずれで作用するか、また、性的反応を「開始する」か、事前の刺激に対する性的反応を「促進する」かによっても分類されます。
シルデナフィルおよびメシル酸フェントラミンはいずれも末梢的に作用し、性愛刺激に対する性的反応の「強化剤」または「促進剤」であると考えられています。
特にバイアグラの有効成分であるシルデナフィルは、軽度の器質性勃起不全および心因性勃起不全の両方に効果を発揮し、多くの人に対して有効である上に長い持続時間が期待できますが、その反面で服用してから効果が現われるまで30-60分と、時間がかかるのが欠点です。
しかしビガメッド40mgの有効成分であるメシル酸フェントラミンは、シルデナフィルと比べて全体的な効果は比較的弱いものの、作用の発現までにかかる時間が約15分と、圧倒的に速いという特長があります。
また薬の半減期は5-7時間で、偽薬を飲んだ人との比較試験においては、ビガメッド40mgを服用していない人と比べて満足度が3-4倍高かったという結果が出ています。
