以下の場合、フロリコット100mcgを絶対に服用しないでください。
・フロリコット100mcgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
以下の場合、フロリコット100mcgを服用しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に服用してください。
・高血圧症の人: ナトリウム・水貯留作用などにより、高血圧症が増悪するおそれがあります。
・有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の人: 免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがあります。
・消化性潰瘍の人: 粘膜防御能の低下などにより、消化性潰瘍が増悪するおそれがあります。
・精神病の人: 中枢神経系に影響し、精神病が増悪するおそれがあります。
・結核性疾患の人: 免疫機能抑制作用により、結核性疾患が増悪するおそれがあります。
・単純疱疹性角膜炎の人: 免疫機能抑制作用により、単純疱疹性角膜炎が増悪するおそれがあります。
・後嚢白内障の人: 水晶体線維に影響し、後嚢白内障が増悪するおそれがあります。
・緑内障の人: 眼内圧が上昇し、緑内障が増悪するおそれがあります。
・血栓症の人: 血液凝固促進作用により、血栓症が増悪するおそれがあります。
・最近行なった内臓の手術創のある人: 創傷治癒を遅延するおそれがあります。
・急性心筋梗塞を起こした人: 心破裂を起こしたとの報告があります。
【慎重服用】
・感染症の人: 免疫機能抑制作用により、感染症が増悪するおそれがあります。
・糖尿病の人: 糖新生促進作用などにより血糖が上昇し、糖尿病が増悪するおそれがあります。
・骨粗しょう症の人: 骨形成抑制作用などにより、骨粗しょう症が増悪するおそれがあります。
・腎不全の人: 症状が増悪するおそれがあります。
・うっ血性心不全のある人: 症状が増悪するおそれがあります。
・甲状腺機能低下のある人: 症状が増悪するおそれがあります。
・肝硬変の人: 脂質代謝に影響し、肝硬変が増悪するおそれがあります。また慢性心疾患の人では、血中半減期の延長がみられ、副作用が起こりやすくなります。
・脂肪肝の人: 脂質代謝に影響し、脂肪肝が増悪するおそれがあります。
・脂肪塞栓症の人: 脂質代謝に影響し、脂肪塞栓症が増悪するおそれがあります。
・重症筋無力症の人: 使用当初、一時症状が増悪することがあります。
・高齢者
【重要な基本的注意】
・フロリコット100mcgは強力な鉱質コルチコイド作用を有するので、服用にあたっては以下の注意が必要です。
1)服用に際しては適応、症状を充分に考慮してください。
2)フロリコット100mcgは、維持量を決定するまでは血圧は頻回(1日1回以上)に、血清電解質は必要に応じて測定して、服用量を適宜増減します。
3)フロリコット100mcgの服用により、高血圧、高ナトリウム血症、低カリウム血症、浮腫などがあらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には減量するなど適切な処置を行なってください。また食塩摂取量にも注意してください。
4)長期服用する場合には、血圧、血清電解質濃度の定期的な測定を行なってください。
・特に、フロリコット100mcg使用中に水痘または麻しんに感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、次の注意が必要です。
1)フロリコット100mcg服用前に水痘または麻しんの既往や予防接種の有無を確認しTください。
2)水痘または麻しんの既往のない人においては、水痘または麻しんへの感染を極力防ぐように常に充分な配慮と観察を行なってください。感染が疑われる場合や感染した場合には、ただちに受診し、適切な処置を講じてください。
3)水痘または麻しんの既往や予防接種を受けたことのある人であっても、フロリコット100mcgの服用中は水痘または麻しんを発症する可能性があるので留意してください。
・副腎皮質ホルモン剤を服用したB型肝炎のウイルスキャリアの人において、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがあります。フロリコット100mcgの服用期間中および服用終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行なうなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意してください。異常が認められた場合には、フロリコット100mcgの減量を考慮し、抗ウイルス剤を使用するなど適切な処置を行なってください。なお、服用開始前にHBs抗原陰性の人において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されています。
【その他の注意】
・副腎皮質ホルモン剤を使用中の人に生ワクチンまたは弱毒生ワクチンを接種して神経障害、抗体反応の欠如が起きたとの報告があります。
高齢者が長期使用した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗しょう症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障などの副作用があらわれやすいため、慎重に服用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみフロリコット100mcgを使用してください。妊婦、胎児への影響に関する安全性は確立しておらず、また類似化合物(糖質コルチコイド)の実験で催奇形作用が報告されており、さらに新生児に副腎不全を起こすことがあります。
フロリコット100mcgの服用中は授乳を避けてください。母乳中へ移行することがあります。