【警告】
・リクシアナ60mgの服用により出血が発現し、重篤な出血な場合には死亡に至るおそれがあります。リクシアナ60mgの使用にあたっては、出血の危険性を考慮し、リクシアナ60mg使用の適否を慎重に判断してください。リクシアナ60mgによる出血リスクを正確に評価できる指標は確立されておらず、リクシアナ60mgの抗凝固作用を中和する薬剤はないため、リクシアナ60mgの服用中は血液凝固に関する検査値のみならず、出血や貧血などの徴候を充分に観察してください。これらの徴候が認められた場合には、ただちに適切な処置を行なってください。
・脊椎・硬膜外麻酔あるいは腰椎穿刺などとの併用により、穿刺部位に血腫が生じ、神経の圧迫による麻痺があらわれるおそれがあります。併用する場合には神経障害の徴候および症状について充分注意し、異常が認められた場合にはただちに適切な処置を行なってください。
【禁忌】
<全効能共通>
・リクシアナ60mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・出血している人(頭蓋内出血、後腹膜出血またはほかの重要器官における出血など): 出血を助長するおそれがあります。
・急性細菌性内膜炎の人: 血栓剥離に伴う血栓塞栓様症状を呈するおそれがあります。
<非弁膜症性心房細動における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制>
・腎不全(クレアチニンクリアランス15mL/min未満)のある人
・凝血異常を伴う肝疾患の人: 出血の可能性が増大するおそれがあります。
<下肢整形外科手術施行の人における静脈血栓塞栓症の発症抑制>
高度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min未満)のある人
【慎重服用】
・出血するかの性が高い人(出血傾向、先天性または後天性の出血性疾患、コントロールできない重症の高血圧症、消化管潰瘍またはその既往、消化管出血の既往、胃腸関血管異形成、糖尿病性網膜症、頭蓋内出血後または脳脊髄や眼の手術後日の浅い人など): 出血を生じるおそれがあります。
・高度の肝機能障害のある人: 凝固因子の産生が低下していることがあるので、出血の危険性が増大するおそれがあります。
・腎機能障害のある人: エドキサバンは腎臓を介して排泄されるので、血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがあります。
・高齢者
・体重40kg未満の人
【重要な基本的注意】
・出血などの副作用を生じることがあるので、必要に応じて血算(ヘモグロビン値および血小板数)および便潜血検査などの臨床検査を実施することが望ましいとされています。
・リクシアナ60mgの使用にあたっては、観察を充分に行ない、臨床的に問題となる出血または出血の増悪がみられた場合には使用を中止してください。また、症状に応じて適切な処置を行なってください。
・鼻出血、皮下出血、歯肉出血、血尿、喀血、吐血および血便など、異常な出血の徴候が認められた場合、医師に連絡するように指導してください。
・個人の判断でリクシアナ60mgの服用を中止しないでください。服用を忘れた場合は、一度に2回分服用せず、ただちに1回分服用し、次の服用まで12時間あけるようにしてください。
・アスピリン、クロピドグレル硫酸塩などの抗血小板剤との併用により、出血リスクが増大するおそれがあるので注意してください。これらの薬剤とリクシアナ60mgの併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断してください。抗血小板剤2剤との併用時には、出血リスクが特に増大するおそれがあるため、リクシアナ60mgとの併用についてはさらに慎重に検討し、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合のみ、これらの薬剤と併用してください。
・非ステロイド性消炎鎮痛剤との併用により、出血リスクが増大するおそれがあるので注意してください。非弁膜症性心房細動の人における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制および静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制に対しリクシアナ60mgを使用する場合は、これらの薬剤とリクシアナ60mgの併用については、治療上の有益性と危険性を考慮して慎重に判断してください。
・リクシアナ60mgとほかの抗凝固剤との切り替えの際は、次の事項に留意してください。
ワルファリンからリクシアナに切り替える場合は、ワルファリンの使用を中止した後、PT-INRなど、血液凝固能検査を実施し、治療域の下限以下になったことを確認した後、可及的速やかにリクシアナの使用を開始してください。
未分画ヘパリンから本剤へ切り替える場合は、持続静注中止4±1時間後にリクシアナ60mgの使用を開始してください。
ほかの抗凝固剤(ワルファリンおよび未分画ヘパリン以外)からリクシアナに切り替える場合は、次回の使用が予定される時間からリクシアナの使用を開始してください。
リクシアナからワルファリンに切り替える場合は、抗凝固作用が維持されるよう注意し、PT-INRが治療域の下限を超えるまでは、リクシアナ30mgを服用している人では15mg1日1回とワルファリン、60mgを服用している人では30mg1日1回とワルファリンを併用使用してください。もしくはリクシアナの使用終了後、PT-INRが治療域の下限を超えるまではワルファリンと非経口抗凝固剤(ヘパリンなど)を併用使用してください。なお、リクシアナの使用終了後24時間を経過するまでは、PT-INRはワルファリンの抗凝固作用を正確に反映しないため、PT-INRはリクシアナの次回服用直前に測定する必要があります。
リクシアナからワルファリン以外のほかの抗凝固剤に切り替える場合は、リクシアナの使用を中止し、次回のリクシアナ服用が予定される時間に抗凝固剤の使用を開始してください。
・リクシアナの服用中に手術や侵襲的処置を行なう場合、リクシアナの使用後24時間以上経過した後に行なうことが望ましいとされています。手術や侵襲的処置の開始を遅らせることができない場合は、緊急性と出血リスクを評価してください。リクシアナの使用再開は、手術や侵襲的処置後、臨床状態に問題なく出血がないことを確認してから、可及的速やかに行なってください。なお、必要に応じて代替療法(ヘパリンなど)の使用を考慮してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
<静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制>
・ショックや低血圧が遷延するような血行動態が不安定な人または血栓溶解剤の使用や血栓摘除術が必要な人は、リクシアナは血行動態安定後に使用してください。
・リクシアナは急性期への適切な初期治療(ヘパリン使用など)がなされた後に使用してください。
<参考>
効能・効果
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15mg
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30mg
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60mg
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非弁膜症性心房細動における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制
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○*
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○
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○
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静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制
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○*
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○
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○
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下肢整形外科手術施行の人における静脈血栓塞栓症の発症抑制
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○
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○
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―
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○:効能あり、―:効能なし
*:リクシアナからワルファリンへの切り替え時
【用法・用量に関連する使用上の注意】
<非弁膜症性心房細動における虚血性脳卒中および全身性塞栓症の発症抑制、静脈血栓塞栓症(深部静脈血栓症および肺血栓塞栓症)の治療および再発抑制>
・体重60kgを超える人で、次のいずれかに該当する人は30mgを1日1回服用してください。
キニジン硫酸塩水和物、ベラパミル塩酸塩、エリスロマイシン、シクロスポリンの併用
クレアチニンクリアランス30mL/min以上50mL/min以下
・クレアチンクリアランスが15mL/min以上30mL/min未満の人では、エドキサバンの血中濃度が上昇することが示唆されており、これらの人における有効性および安全性は確立していないので、リクシアナの適否を慎重に判断してください。使用する場合は、30mgを1日1回経口服用してください。
・プロトロンビン時間-交際標準比(PT-INR)や活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)などの通常の凝固能検査は、リクシアナの薬効をモニタリングする指標とはならないので、臨床症状を充分に観察してください。
<下肢整形外科手術施行の人における静脈血栓塞栓症の発症抑制>
・原則として、術後の入院中に限って使用してください。
・リクシアナの使用期間については、個々の静脈血栓塞栓症のリスク低下を考慮して決定すべきであり、静脈血栓塞栓症のリスク低下後に漫然と継続服用しないでください。なお、国内臨床試験において、下肢整形外科手術施行の人を対象として15日間以上使用した場合の有効性および安全性は検討されていません。
・リクシアナの初回使用は、手術後12時間を経過し、手術創などからの出血がないことを確認してから行なってください。
・リクシアナの初回使用は、硬膜外カテーテル抜去あるいは腰椎穿刺から少なくとも2時間を経過してから行なってください。また初回使用以降にこれらの処置を行なう場合には、前回使用から12時間以上の充分な時間をあけ、かつ予定している次回使用の少なくとも2時間以上前に実施してください。
・腎機能障害のある人ではリクシアナの血中濃度が上昇し、出血の危険性が増大するおそれがあるので、中等度の腎機能障害(クレアチニンクリアランス30mL/min以上50mL/min未満)のある人では、個々の静脈血栓塞栓症発現リスクおよび出血リスクを評価した上で、15mg1日1回に減量することを考慮してください。
・プロトロンビン時間-国際標準比(PT-INR)や活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)などの通常の凝固能検査は、リクシアナの薬効をモニタリングする使用とはならないので、臨床症状を充分に観察し、出血などが見られた場合には使用を中止するなど適切な処置を行なってください。
【高齢者】
・一般的に高齢者では生理機能が低下しているので、状態を観察しながら慎重に使用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
・授乳中の人は、リクシアナの使用中は授乳を避けてください。
【小児など】
・低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。