以下の場合、ロベット100mgを絶対に服用しないでください。
・糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある人: アシドーシスに基づく心収縮力の抑制を増強させるおそれがあります。
・高度の徐脈(著しい洞性徐脈)、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロックのある人: 症状を悪化させるおそれがあります。
・心原性ショックの人、肺高血圧による右心不全のある人、うっ血性心不全のある人: 心機能を抑制し、症状を悪化させるおそれがあります。
・ロベット100mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
【慎重服用】
・気管支ぜんそく、気管支けいれんのおそれのある人: 気管支を収縮させ、症状を誘発または悪化させるおそれがあります。
・うっ血性心不全のおそれのある人(観察を充分に行ない、ジギタリス剤を併用するなど慎重に服用すること): 心機能を抑制し、症状を悪化させるおそれがあります。
・房室ブロック(I度)のある人: β遮断剤において房室伝導時間が延長するとの報告があります。
・末梢循環障害のある人: 末梢循環障害の症状を悪化させるおそれがあります。
・低血糖症、コントロール不充分な糖尿病、長期間絶食状態の人: 低血糖の前駆症状である頻脈などの交感神経系反応をマスクしやすいので血糖値に注意してください。
・甲状腺中毒症の人: β遮断剤において中毒症状をマスクすることがあります。
・肝障害のある人: ロベット100mgは主として肝臓で代謝されるので血中濃度が上昇するおそれがあります。ロベット100mgを肝障害のある人が使用する場合は、ロベット100mgの代謝速度が低下するため、低用量から服用を開始し、増量する場合は状態を充分に観察しながら行なってください。
・重篤な腎障害のある人: 降圧に伴う腎潅流圧の低下により、症状を悪化させるおそれがあります。また腎臓は主要な排泄経路であるので、血中濃度が上昇するおそれがあります。
・小児および高齢者
【重要な基本的注意】
・服用は少量より開始し、長期服用の場合は心機能検査(脈拍、血圧、心電図、X線など)を定期的に行なってください。特に徐脈になったとき、および低血圧を起こした場合には減量または中止してください。また、必要に応じて対症療法を行なってください。なお肝機能、腎機能、血液像などに注意してください。
・類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症の人で、急に服用を中止したとき症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を充分に行なってください。また、医師の指示なしに服用を中止しないよう注意してください。狭心症以外の適用で使用する場合でも、特に高齢者においては同様の注意をしてください。
・甲状腺中毒症の人では急に服用を中止すると、症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を充分に行なってください。
・褐色細胞腫の手術時に使用する場合を除き、手術前24時間は使用しないことが望ましいとされています。
・めまい、ふらつきが現れることがあるので、ロベット100mg服用中の人(特に服用初期)には、自動車の運転など危険を伴う機械の作業に注意してください。
【その他の注意】
・褐色細胞腫の人が服用した場合に高血圧が悪化したとの報告があります。
・重篤なアナフィラキシーの既往歴のある人では、β遮断剤服用により、アナフィラキシー反応がより重篤になることがあり、また通常用量のエピネフリンによる治療に抵抗する場合があります。
・α遮断薬であるタムスロシンを服用または過去に服用経験のある人で、白内障手術中に術中虹彩緊張低下症候群が現れるとの報告があります。これの発現による白内障手術中の合併症が増加するおそれがあるため、ラベタロールの服用または服用歴について手術前に執刀医に伝えるようにしてください。
【臨床検査結果におよぼす影響】
・ラベタロール服用中の人では、蛍光法を用いる血中および尿中カテコールアミン、VMA(バニリルマンデル酸)の測定値を見かけ上増加させる可能性があるので、これらの検査はラベタロール使用前に行なってください。
・ラベタロール服用中の人において、MIBG(メタヨードベンジルグアニジン)を用いた臨床検査(シンチグラフィー)を実施したところ、MIBGの取り込みが阻害され、臨床検査結果に影響を与えたという報告があるので、ラベタロールの使用中の人においてMIBGを用いた臨床検査を実施する場合には注意してください。
高齢者は以下の点に注意し、少量から服用するなど状態を観察しながら慎重に服用してください。
1.高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされています(脳梗塞などが起こるおそれがあります)。
2.休薬を要する場合は、徐々に減量してください。
妊婦または妊娠している可能性のある婦人が服用する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。服用に際しては、母体および胎児の状態を充分に観察し、過度の血圧低下とならないように注意してください。胎児および新生児に血圧低下、徐脈などの異常が認められた場合には適切な処置を行なってください。妊婦の服用例において、胎児の徐脈など新生児に血圧低下、徐脈などの症状が認められたとの報告があります。
授乳中の婦人は服用することを避け、やむを得ず服用する場合には授乳を中止してください。
小児などに対する安全性は確立していません。