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2013-09-03
ソース(記事原文):2ミニット・メディスン
手根管症候群におけるステロイド注射は症状の重症度を軽減
2ミニット・メディスン(2013年9月3日)―
1. 原発性特発性手根管症候群(CTS)の患者に対するメチルプレドニゾロン40 mgまたは80 mgの注射は、10週時点での症状の重症度を有意に下げる。
2. メチルプレドニゾロン80 mgの注射により、1年時点での手術率はやや低下した。しかし、最終的に手術を要したのは患者の73%であったため、手術の必要性を完全には排除しなかった。
エビデンス評価レベル:1(エクセレント)
研究の概要:手根管症候群(CTS)はよくみられる病態であり、最初に保存療法(手首の固定)を試みた患者のほとんどが、最終的には手術を必要とする。CTSの手術は一般に良好な転帰にもかかわらず、リスクがないわけではない。したがって、そのような患者には有効かつ非外科的な治療選択肢が有益である。臨床現場では、ステロイド注射が一般に用いられている。しかし、この治療の長期的な有益性を調べた無作為化比較試験はほとんどない。今回の研究では、原発性特発性CTSでステロイド注射未使用の患者を対象としたメチルプレドニゾロン40 mgまたは80 mgの単回注射は、プラセボと比べ10週時点で症状を有意に大きく改善させたことを明らかにした。ただし、この効果は1年時点ではもはや有意ではなくなっており、効果に用量依存性は認められなかった。また、80 mg注射群はプラセボ群と比べ手術を必要とすることが少なかったが、それでも80 mg群では1年の間に患者の73%が手術を要した。この研究の主な制限は、糖尿病、甲状腺疾患、炎症性疾患など、CTSの二次原因を有する患者を除外したことであり、したがって結果の一般化は制限される。今後の研究において、より頻回のステロイド注射の手術率に及ぼす影響が評価されるかもしれない。
詳細(無作為化二重盲検プラセボ比較試験):今回のスウェーデンの研究では、CTSの患者111名を、(1)メチルプレドニゾロン80 mg単回注射群、(2)メチルプレドニゾロン40 mg単回注射群、(3)プラセボ群のいずれかに無作為に割り付けた。症状重症度スコアや手術率の患者データについては、注射から1年の間の複数時点で分析を行った。すべての患者には、試験期間中いつでも手術を求める選択肢があった。研究者らはベースライン時のCTS症状重症度スコアを調整して、反復測定の混合モデル分析により10週時点での重症度スコアを分析した。続いて、注射から1年時点での手術率をロジスティック回帰分析とCox回帰分析で算出した。手術までの期間は、カプラン・マイヤー曲線を用いて分析した。試験の担当医師、要員、患者には、割り付けた治療群を知らせなかった。
無作為に割り付けた111名のうち、10週時点では108名、1年時点では111名のデータを分析した。症状重症度スコアをはじめとするベースライン特性は、どの群もおおむね一致していた。10週時点のCTS症状重症度スコアは、プラセボ群と比べメチルプレドニゾロン群で有意に改善した(5ポイント尺度で、ベースラインからの変化量の平均差は-0.64、CI -1.06から-0.21)。ただし、メチルプレドニゾロン80 mg群と40 mg群の間では症状重症度に有意差はみられなかった。1年時点では、メチルプレドニゾロン80 mg群はプラセボ群と比べて手術実施の可能性が低く(OR 0.42、CI 0.06から0.95)、手術の相対リスクも低かった(0.79、CI 0.64から0.99)。さらに、注射から手術までの期間はプラセボ群よりも80 mg群、40 mg群のほうが長かった。ただし、1年の間に最終的に手術を要したのは、メチルプレドニゾロン80 mg群、40 mg群、プラセボ群でそれぞれ73%、81%、92%であった。最後に、注射後の痛みを報告した患者は、プラセボ群(n = 6)よりも各メチルプレドニゾロン群(n = 24)で有意に多かった。
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