【禁忌】
・デポ・メドロール水懸注40mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・感染症のある関節腔内、滑液嚢内、腱鞘内または腱周囲: 免疫機能を抑制し、宿主防御能を低下させるので、感染症を悪化させるおそれがあります。
・動揺関節の関節腔内: 関節の不安定化が起こり、症状を悪化させるおそれがあります。
・次の薬剤を使用しないでください: 生ワクチンまたは弱毒生ワクチン
【原則禁忌】
・有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の人: 免疫機能を抑制し、宿主防御能を低下させるので、感染症を悪化させるおそれがあります。
・消化性潰瘍、憩室炎の人: 消化管粘膜保護作用を減弱させ、また組織の修復を阻害するので、症状を悪化させるおそれがあります。
・精神病の人: 中枢神経刺激作用により、症状を悪化させるおそれがあります。
・結核性疾患の人: 免疫機能を抑制し、宿主防御能を低下させ、症状を悪化または顕性化させるおそれがあるので、適宜抗結核療法を併用してください。
・単純疱疹性角膜炎の人: 角膜に穿孔が生じるおそれがあります。
・後嚢白内障の人: 水晶体嚢の透過性を変化させ、症状を悪化させるおそれがあります。
・緑内障の人: 眼圧を上昇させ、症状を悪化させるおそれがあります。
・電解質異常のある人: 電解質代謝に影響を与えるので、症状を悪化させるおそれがあります。
・血栓症の人: 血液凝固促進作用により、症状を悪化させるおそれがあります。
・最近行なった内臓の手術創のある人: 組織の修復を阻害するので、創傷治癒が障害されるおそれがあります。
・急性心筋梗塞を起こした人: 心破裂を起こしたとの報告があります。
【慎重使用】
・感染症の人: 免疫機能を抑制し、宿主防御能を低下させ、症状を悪化させるおそれがあります。また炎症反応を抑制し、徴候を隠蔽するおそれがあるので、感染症に対する適切な処置を行なってください。
・糖尿病の人: 糖新生を促進させ、また細胞のインスリンに対する感受性を低下させるので、症状を悪化させるおそれがあります。
・骨粗しょう症の人: 骨基質の合成を阻害し、骨形状を抑制するので、症状を悪化させるおそれがあります。
・腎不全の人、うっ血性心不全の人: ナトリウム貯留作用により、症状を悪化させるおそれがあります。
・甲状腺機能低下のある人、肝硬変の人: 代謝が阻害され、副作用があらわれるおそれがあります。
・脂肪肝、脂肪塞栓症の人: 脂質代謝に影響を与えるので、症状を悪化させるおそれがあります。
・重症筋無力症の人: 使用当初、一時症状を悪化させるおそれがあります。
・気管支喘息の人
・潰瘍性大腸炎(切迫穿孔、腫瘍、ほかの化膿性感染症の疑いがある場合)の人: 炎症反応を抑制するので、これらの疑いがある場合、その徴候を隠蔽するおそれがあります。
・高齢者
【重要な基本的注意】
・デポ・メドロール水懸注40mgの使用により、誘発感染症、続発性副腎皮質機能不全、消化性潰瘍、糖尿病、精神障害などの重篤な副作用があらわれることがあるので、デポ・メドロール水懸注40mgの使用にあたっては、以下の注意が必要です。
1)使用に際しては特に適応、症状を考慮し、ほかの治療法によって充分に治療効果が期待できる場合には、デポ・メドロール水懸注40mgを使用しないでください。また局所的使用で充分な場合には、局所療法を行なってください。
・使用中は副作用の出現に対し、常に充分な配慮と観察を行ない、またストレスから避けるようにし、事故、手術などの場合には増量するなど適切な処置を行なってください。
・副腎皮質ホルモン剤の連用後、使用を急に中止すると、ときに発熱、頭痛、食欲不振、脱力感、筋肉痛、関節痛、ショックなどの離脱症状があらわれることがあるので、使用を中止する場合には徐々に減量するなど慎重に行なってください。離脱作用があらわれた場合には、ただちに再使用または増量してください。
2)副腎皮質ホルモン剤を使用したB型肝炎ウイルスキャリアの人において、B型肝炎ウイルスの増殖による肝炎があらわれることがあります。デポ・メドロール水懸注40mgの使用期間中および使用終了後は継続して肝機能検査値や肝炎ウイルスマーカーのモニタリングを行なうなど、B型肝炎ウイルス増殖の徴候や症状の発現に注意してください。異常が認められた場合には、デポ・メドロール水懸注40mgの減量を考慮し、抗ウイルス剤を使用するなど適切な処置を行なってください。なお使用開始前にHBs抗原陰性の人において、B型肝炎ウイルスによる肝炎を発症した症例が報告されています。
・ほかの副腎皮質ホルモン剤の使用により、気管支喘息の人の喘息発作を悪化させたとの報告があるので、薬物、食物、添加物などに過敏な喘息な人は特に注意が必要です。
・特に、デポ・メドロール水懸注40mg使用中に水痘または麻疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるので、以下の注意が必要です。
1)デポ・メドロール水懸注40mg使用前に水痘または麻疹の既往や予防接種の有無を確認してください。
2)水痘または麻疹の既往歴のない人においては、水痘または麻疹への感染を極力防ぐように常に充分な配慮と観察を行なってください。感染が疑われる場合や感染した場合には、直ちに受診し、適切な処置を講じてください。
3)水痘または麻疹の既往や予防接種を受けたことがある人であっても、デポ・メドロール水懸注40mgの使用中は水痘または麻疹を発症する可能性があるので留意してください。
・強皮症の人における強皮症腎クリーゼの発現率は、副腎皮質ホルモン剤使用の人で高いとの報告があります。デポ・メドロール水懸注40mgを強皮症の人に使用する場合は、血圧および腎機能を慎重にモニターし、強皮症腎クリーゼの徴候や症状の出現に注意してください。また異常が認められた場合には適切な処置を行なってください。
【適用上の注意】
●使用経路
・デポ・メドロール水懸注40mgは用法・用量にしたがって使用し、静脈内注射、脊髄腔内注射、硬膜外注射、眼科用などに対して使用しないでください。
●筋肉内注射時
・神経走行部位を避けるように注意してください。
・注射針を刺入したとき、激痛を訴えたり血液の逆流をみた場合はただちに針を抜き、部位を変えて注射してください。
【その他の注意】
・β2刺激剤との併用により、低カリウム血症があらわれることがあります。
・外国において、死菌ワクチンまたは不活化ワクチンの効果を減弱させるとの報告があります。
・副腎皮質ホルモン剤の使用により、皮膚試験の反応が抑制されることがあるので、本剤使用中に皮膚試験を実施する場合は注意してください。
【高齢者】
・高齢者は慎重に使用してください: 高齢者が長期使用した場合、感染症の誘発、糖尿病、骨粗しょう症、高血圧症、後嚢白内障、緑内障などの副作用があらわれやすくなります。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
●妊婦
・妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみしようしてください。
●授乳婦
デポ・メドロール水懸注40mgの使用中は授乳を避けてください。
【小児など】
・観察を充分に行なってください: 小児などの発育抑制があらわれることがあります。
・長期使用した場合、頭蓋内圧亢進症状があらわれることがあります。
・小児などでは、筋肉内または皮内使用はなるべく避けてください: 特に使用部位の組織が萎縮(陥没)を起こしやすくなります。