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2011-11-09
ソース(記事原文):デンティストリーIQ
歯周病の治療に全身性抗生物質投与
デンティストリーIQ(2011年11月9日)― 歯科医学士マイケル・ジェイフィン(Michael Jaffin)著
慢性歯周炎は、歯垢バイオフィルムと体内免疫応答との相互作用によるものである。バイオフィルムは、歯面に付着した細菌が多層状になった生態系であり、浮遊する単独の微生物叢と比べ、抗生物質および免疫応答からの強い保護作用が付与されている。歯周炎の重要な病原菌の一部には、ポルフィロモナス・ジンジバリス、トレポネーマ・デンティコラ、T.レンギョウ属、アクチノバチルス・アクチノミセタムコミタンス、プレボテラ・インターメディア、カンピロバクター・レクタスのほか、その他の嫌気性のグラム陰性桿菌、スピロヘータ、腸内桿状菌、ベータ溶血性連鎖球菌があり、これらはバイオフィルムに存在しており、抗生物質単独では治療が困難である。本誌は、歯周炎に処方される抗生物質と、バイオフィルム及び臨床的治療方法に与える抗生物質の影響について深く理解することを目的とした。
抗生物質は、広域スペクトルを持っており(広範囲の微生物へ広範な作用を示すこと)、様々な方法で微生物に作用する。アモキシシリンは、βラクタム系の広域ペニシリンである。βラクタム抗生物質の作用機序は、細胞壁合成を阻害することである。アモキシシリンは、緑色連鎖球菌、エイケネラ・コローデンス、フソバクテリウム・ヌクレアタム、非βラクタマーゼプレボテラ、ポルフィロモナス菌種に対する第一選択薬である。アモキシシリンはクラブラン酸(オーグメンチン)と併用することで、スペクトルが広がり、βラクタマーゼ産生微生物も治療対象になる。メトロニダゾールは、殺菌性ニトロイミダゾールである。この作用機序は、有効成分が細菌DNAと原虫DNAに損傷を与え、細胞死をもたらすというものである。メトロニダゾールは、ポルフィロモナス菌種、プレボテラ菌種、バクテロイデス菌種、フソバクテリウム菌種、クロストリジウム菌種などの偏性嫌気性菌に対し有効である。アクチノバチルス・アクチノミセタムコミタンス (侵襲性歯周炎における有名な微生物) は、メトロニダゾールに対する感受性が低い。ただし、メトロニダゾールをアモキシシリンと併用投与した場合、この合剤がメトロニダゾールの細胞取り込みを強め、いずれかの抗生物質の単剤投与よりも、有効性が高くなる。
クリンダマイシンは、リンコサミド抗生物質である。同剤は静菌性抗生物質であり、50Sサブユニット23Sのリボソームに結合し、細菌の蛋白質合成を阻止するという作用機序を有する。クリンダマイシンは、プレボテラ、ポルフィロモナス、真正細菌、連鎖球菌種など多くのグラム陽性菌やグラム陰性菌、それに通性嫌気性細菌に対して有効である。
テトラサイクリン系薬(テトラサイクリン、ミノサイクリン、ドキシサイクリン)は、広域静菌性抗生物質である。この作用機序は、30sリボソームサブユニットに結合して蛋白質合成を阻止するというものである。テトラサイクリン系抗生物質は、歯周炎の主因であるスピロヘータ及びアクチノバチルス・アクチノミセタムコミタンスなどの幅広いグラム陰性菌およびグラム陽性菌のスペクトラムを持つ。アジスロマイシンは、マクロライド抗生物質である。同剤は静菌薬であり、50sリボソームに結合することにより蛋白質合成を阻害するという作用機序を有する。アジスロマイシンは、陽性好気性菌および通性好気性菌に対し有効であるほか、T. レンギョウ属、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌、トレポネーマ・デンティコラ菌、プレボテラ・インターメディアなどの色素嫌気性菌やスピロヘータにも有効である。
歯根膜感染症に対し抗生物質を用いることには正当な根拠がいくつかある。複数の研究では、歯周炎に対する一次治療として抗生物質の使用が検討されている。ポルフィロモナス・ジンジバリス菌の細菌数は、全身性メトロニダゾール投与後に減少したが、この細胞数にはプラセボとの統計的有意差はなかった。単独療法(スケーリング[歯根面を硬く滑らかにする]の非併用下)として、アモキシシリンとの併用下または非併用下でメトロニダゾールを検討した複数の研究に関するメタ解析が行われた。総合的な結果から、抗生物質のみの治療は、歯周炎を治療するには十分でないことが示された。これは、抗生物質がバイオフィルムに十分浸透しないことと、バイオフィルムが高い耐性を有することに起因する可能性が高い。
組織立ったバイオフィルムは、抗菌薬に対し高度耐性を持つ。バイオフィルムが耐性を獲得する仕組みに関する学説はいくつかあり、具体例を以下に挙げる。
- 分子シグナル伝達/クオラムセンシング
- 遺伝子水平伝播
- バイオフィルム内の様々な生理学的位相
- 力学的な障壁として作用するグリコカリックス
バイオフィルムの力学的破壊が、疾患を減少させるための標準治療である。バイオフィルムを破壊した後、バイオフィルムの再形成や再組織化を阻止するために、全身性抗生物質投与が有用となる。多くの試験では、歯石除去やルートプレーニング(歯根面を硬く滑らかにする)との併用で、様々な抗生物質の効果を評価している。
1. テトラサイクリンを、SRP(歯石除去およびルートプレーニング)と併用投与すると、SRP(歯石除去およびルートプレーニング)単独よりも、歯周ポケットの減少量が多かったことが示されている。ポケットの深さの平均減少量は、4mm~6mmのポケットにおいて、6ヶ月の時点でSRP(歯石除去およびルートプレーニング)単独よりも0.2mm~0.8mm多かった(総減少量2.2mm~3.1mm)。6ヶ月の時点での臨床的付着獲得量の平均は、歯石除去を単独で行った場合よりも0.04mm~0.3mm多かった(正味獲得量1.06mm~1.7 mm)。手術の結果をメタ解析に含めた場合、フラップ手術(歯肉剥離掻爬手術)の併用下または非併用下で、SRP(歯石除去およびルートプレーニング)とテトラサイクリンを併用すると、実質的な付着獲得量は単独治療よりも0.41mm多かった(P=0.003)。
2、メトロニダゾール単独治療の方が、SRP(歯石除去およびルートプレーニング)単独(-0.02mm~0.41mm)よりも、ポケットの深さ(PD)の平均変化量が多いことが示されている(PDの減少量0.46mm~1.83mm)。しかし、これらのポケットの深さの差は、統計的に有意でないことが明らかとなった。メトロニダゾール投与患者における臨床的付着変化量では、SRP(歯石除去およびルートプレーニング)単独(0.43mm~2.45 mm)との差が0.2mm~1.2mm認められた。慢性歯周炎患者におけるSRP(歯石除去およびルートプレーニング)後のアモキシシリンとメトロニダゾールの併用では、SRP(歯石除去およびルートプレーニング)単独との比較で、臨床的付着量の平均差が0.46mm~0.9mmであった。
3. オーグメンチンとSRP(歯石除去およびルートプレーニング)の併用では、1年の時点で、SRP単独と比較して、ポケットの深さの変化に対する有効性は示されなかった。オーグメンチンの臨床的付着量は、SRP単独との差が0.16mm~1.3mm認められた(総付着量1mm~2.18mm)。
4. クリンダマイシンとSRPの併用は、6mm以上のポケットにおいて臨床的付着量がSRP単独よりも1.6mm改善し(3mmの変化)、全体ではSRP単独よりも1.4mm改善した(1.7mmの変化)。試験間のポケットの深さの変動は0.2mm~2.3mmであった。
5. アジスロマイシンとSRPの併用は、1年の時点でポケットの深さがSRP単独よりも0.3mm悪化したことが示された一方、初期に5mm以上であったポケットではアジスロマイシンがSRP単独よりも0.8mm改善したことが示された。ポケットの深さ6mm以上において、アジスロマイシンとSRPの併用では、1年の時点で臨床的付着獲得量がSRP単独よりも0.9mm多かった。SRPとアジスロマイシンの併用投与から1年後、歯肉下のバイオフィルムの微生物学的構造は、3菌種の混合(red complex bacteria)に有意な減少がみられた。その他の全ての細菌の変化は、1年以内にほぼベースライン(治療前)に戻っていた。
全体として、多菌性の性質と、多菌性バイオフィルムへの宿主応答が、各患者の治療への反応を異なるものにしている。限局性の侵襲性歯周炎に関連するバイオフィルムなど特定のバイオフィルムは、抗生物質の治療に反応を示す。抗生物質とSRP(歯石除去およびルートプレーニング)を併用することで、歯周炎の治療の有益性が向上するという最も望ましい証拠が示されている。しかし、副作用や新たな耐性菌の可能性があることから、リスク/ベネフィットの解析が必要とされる。
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