以下の場合、フォシーガ5mgを絶対に服用しないでください。
・フォシーガ5mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・重症ケトーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡の人: 輸液、インスリンによる速やかな高血糖の是正が必須となるので、フォシーガ5mgの服用は適していません。
・重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある人: インスリン注射による血糖管理が望まれるのでフォシーガ5mgの服用は適していません。
【慎重服用】
・中等度の腎機能障害のある人
・重度の肝機能障害のある人: 使用経験がなく安全性が確立していません。
・脱水を起こしやすい人(血糖コントロールが極めて不良の人、高齢者、利尿剤併用者など): フォシーガ5mgの利尿作用により脱水を起こすおそれがあります。
・ほかの糖尿病用薬(特にスルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬またはインスリン製剤)を使用中の人: 併用により低血糖を起こすおそれがあります。
・次に掲げる人または状態: 低血糖を起こすおそれがあります。
1)脳下垂体機能不全または副腎機能不全
2)栄養不良状態、飢餓状態、不規則な食事摂取、食事摂取量の不足または衰弱状態
3)激しい筋肉運動
4)過度のアルコール摂取者
【重要な基本的注意】
・フォシーガ5mgの使用にあたっては、低血糖症状およびその対処方法について充分理解してください。特に、スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤、GLP-1受容体作動薬またはインスリン製剤と併用する場合、低血糖のリスクが増加するおそれがあります。スルホニルウレア剤、速効型インスリン分泌促進剤またはインスリン製剤と併用する場合には、これらの薬剤による低血糖のリスクを軽減するため、これらの薬剤の減量を検討してください。
・フォシーガ5mgの服用中に、血清クレアチニンの上昇またはeGFRの低下がみられることがあるので、腎機能を定期的に検査してください。腎機能障害のある人は経過を充分に観察し、継続的にeGFRが45mL/min./1.73m2未満に低下した場合は使用の中止を検討してください。
・フォシーガ5mgの利尿作用により多尿・頻尿がみられることがあります。また体液量が減少することがあるので、適度な水分補給を行なうようにし、観察を充分に行なってください。脱水、血圧低下などの異常を認められた場合は、休薬や補液などの適切な処置を行なってください。特に体液量減少を起こしやすい人(高齢者、腎機能障害のある人、利尿剤併用者など)においては、脱水や糖尿病性ケトアシドーシス、高浸透圧高血糖症候群、脳梗塞を含む血栓・塞栓症などの発現に注意してください。
・糖尿病の診断が確立した人のみ適用を考慮してください。糖尿病以外にも耐糖能異常・尿糖陽性など、糖尿病類似の症状(腎性糖尿、甲状腺機能異常など)を有する疾患があることに留意してください。
・フォシーガ5mgの服用はあらかじめ糖尿病治療の基本である食事療法、運動療法を充分に行なった上で効果が不充分な場合に限り考慮してください。
・服用の継続中に使用の必要がなくなる場合があり、また不養生、感染症の合併などにより効果がなくなったり、不充分となる場合があるので、食事摂取量、血糖値感染症の有無などに留意の上、常に服用継続の可否、薬剤の選択などに注意してください。
・尿路感染および性器感染を起こすことがあるので、症状およびその対処方法について理解してください。また腎盂腎炎などの重篤な感染症を起こすおそれがあるので、充分な観察を行なうなど尿路感染および性器感染の発症に注意し、発症した場合には適切な処置を行なうとともに、状態に応じて休薬などを考慮してください。
・フォシーガ5mgの作用機序により、血糖コントロールが良好であっても尿中ケトン体陽性または血中ケトン体増加がみられることがあります。症状、血糖値などの臨床検査値を確認し、インスリンの作用不足によるケトン体増加と区別して糖尿病の状態を総合的に判断してください。
・インスリン分泌脳が低下している人では、糖尿病性ケトアシドーシスの発現に注意してください。
・排尿困難、無尿、乏尿あるいは尿閉の症状を呈する人では、それらの治療を優先するとともに他剤での治療を考慮してください。
・フォシーガ5mg服用による体重減少が報告されているため、過度の体重減少に注意してください。
・フォシーガ5mgとインスリン製剤の併用における有効性および安全性は検討されていません。
・低血糖症状を起こすことがあるので、高所作業、自動車の運転などに従事している人は服用に注意してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・フォシーガ5mgは2型糖尿病と診断された人のみ使用し、1型糖尿病の人は使用しないでください。
・重度の腎機能障害のある人または透析中の末期腎不全の人ではフォシーガ5mgの効果が期待できないため、使用しないでください。
・中等度の腎機能障害のある人ではフォシーガ5mgの効果が充分に得られない可能性があるので、使用の必要性を慎重に判断してください。
【臨床検査結果におよぼす影響】
・フォシーガ5mgの作用機序により、フォシーガ5mgの服用中は尿糖陽性、血清1,5-AG(1,5アンヒドログルシトール)低値を示します。尿糖および血清1,5-AGの検査結果は、血糖コントロール値の参考とはならないので注意してください。
【その他の注意】
・国内外の臨床試験の併合解析において、すべての悪性腫瘍の発現割合はフォシーガ5mg使用群と対照群で同様でしたが、膀胱がんおよび乳がんではフォシーガ5mg使用群で多い傾向が認められました。しかしながら、服用開始から膀胱がんおよび乳がんの診断まで短期間であったことから、いずれの腫瘍においてもフォシーガ5mgとの因果関係は確立されておらず、非臨床試験においても発がん性あるいは変異原性は認められていません。
【高齢者】
・一般に高齢者では生理機能が低下しているので、状態を観察しながら慎重に使用してください。
・高齢者では脱水症状(口渇など)の認知が遅れるおそれがあるので注意してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある人はフォシーガ5mgを服用せず、インスリン製剤などを使用してください: 妊娠中の使用に関する安全性は確立されていません。
・授乳中の人は服用を避け、やむを得ず服用する場合は授乳を中止してください。
【小児など】
・小児などに対する安全性および有効性は確立していません。