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2010-11-15
ソース(記事原文):サイエンスデイリー
オキシトシンと社会的接触とが不安を軽減:ホルモンは隔離された動物のストレス軽減には効果が薄い可能性
サイエンス・ディリー誌(2010年11月15日) ― 新しい研究によると、オキシトシンはストレスを受けた動物の不安を軽減するが、仲間の存在がある場所で回復できる場合のみである
この研究は、北米神経科学学会(Society for Neuroscience)の年次会議であり、サンディエゴで開催された「ニューロサイエンス(Neuroscience) 2010」で発表された。
「この20年の研究が、ストレスと不安を軽減するのに効果的な可能性がある作用物質のリストにおいて、オキシトシンをトップに押し上げている。オキシトシンが精神衛生に良好な影響を与えるということが主な理由だ。」と、シカゴのイリノイ大学のスー・カーター(Sue Carter)博士の研究所で博士研究員を務めるジェイソン・イー(Jason Yee)博士。
オキシトシンのストレス緩和の効果を調査するため、イー博士と同僚らはハタネズミにオキシトシンを投与し、濡らしたケージに入れた。これは、ハタネズミが野生で経験するような巣穴の浸水を模倣したストレス因子である。その後、イー博士らはハタネズミを、それぞれ一匹のみか、または別のハタネズミと一緒に、乾いたケージに移して回復させた。
大半のハタネズミは乾いたケージでも逃げようとしたが、これは不安行動である。しかし、オキシトシンを投与され、別のハタネズミがいるケージで回復したハタネズミには逃避行動があまり見られなかった。これらのハタネズミは血中のオキシトシン濃度が高かった。一方、一匹だけで回復したハタネズミには、オキシトシンの不安行動の軽減効果があまり見られなかった。これらのハタネズミの血中オキシトシン濃度は低かった。
「オキシトシンを投与された動物が回復の機会を得た際に、良く知った仲間の動物がもう1匹いると、体内から更にオキシトシンが放出されるのかもしれない。このおかげで、不安行動パターンの軽減が促されていると考えられる。」とイー博士。この研究結果は、オキシトシンの不安軽減能力に、社会的接触が重要な因子であることを示している。
この研究は、米国国立精神衛生研究所(National Institute of Mental Health)と国立加齢研究所(National Institute on Aging)が支援した。
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