以下の場合、トルバスカ30mgを絶対に服用しないでください。
・トルバスカ30mgの成分または類似化合物(モザバプタン塩酸塩など)に対し過敏症の既往歴のある人
・無尿の人: トルバスカ30mgの効果が期待できません。
・口渇を感じない、または水分摂取が困難な人: 循環血漿量の減少により高ナトリウム血症および脱水のおそれがあります。
・高ナトリウム血症の人: トルバスカ30mgの水利尿作用により高ナトリウム血症が増悪するおそれがあります。
・妊婦または妊娠している可能性のある人
【警告】
トルバスカ30mgの服用により、急激な水利尿から脱水症状や高ナトリウム血症を来たし、意識障害に至った症例が報告されており、また、急激な血清ナトリウム濃度の上昇による橋中心髄鞘崩壊症を来たすおそれがあることから、入院下で服用を開始または再開してください。また、特に服用開始日または再開日には血清ナトリウム濃度を頻回に測定してください。
【慎重服用】
・血清ナトリウム濃度125mEq/L未満の人: 急激な血清ナトリウム濃度の上昇により、橋中心髄鞘崩壊症を来たすおそれがあります。
・重篤な肝動脈疾患または脳血管疾患のある人および高齢者: 急激な利尿作用が現れた場合、急速な循環血漿量減少、血液濃縮を来たし、血栓塞栓症を誘発するおそれがあります。
・高カリウム血症の人: トルバスカ30mgの水利尿作用により高カリウム血症が増悪するおそれがあります。
・重篤な腎障害のある人: 利尿に伴う腎血流量の減少により腎機能がさらに悪化するおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・トルバスカ30mgは水排泄を増加させますが、ナトリウム排泄を増加させないことから、ほかの利尿薬と併用して使用してください。
・トルバスカ30mgの服用初期は、過剰な利尿に伴う副作用が現れるおそれがあるので、口渇感などの状態を観察し、体重、血圧、脈拍数、尿量などを頻回に測定してください。
・トルバスカ30mgの利尿作用に伴い、口渇、脱水などの症状が現れることがあるので、このような症状が現れた場合には、水分補給を行なってください。
・トルバスカ30mg服用開始後24時間以内に水利尿効果が強く発現するため、少なくとも服用開始4-6時間後ならびに8-12時間後に血清ナトリウム濃度を測定してください。服用開始翌日から1週間程度は毎日測定し、その後も服用を継続する場合には、適宜測定してください。
・血清ナトリウム濃度125mEq/L未満の人が服用した場合、急激な血清ナトリウムの上昇により、橋中心髄鞘崩壊症を来たすおそれがあるため、24時間以内に12mEq/Lを超える上昇がみられた場合には、服用を中止してください。
・トルバスカ30mgの水利尿作用により循環血漿量の減少を来たし、血清カリウム濃度を上昇させるおそれがあるので、トルバスカ30mg服用中は血清カリウム濃度を測定してください。
・めまいなどが現れることがあるので、転倒に注意してください。また、高所作業、自動車の運転など危険を伴う機械を操作する際には注意してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・トルバスカ30mgはほかの利尿薬(ループ利尿薬、サイアザイド系利尿薬、抗アルドステロン薬など)と併用して使用してください。なおヒト心房性ナトリウム利尿ペプチドとの併用経験はありません。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・体液貯留所見が消失した際には服用を中止してください。症状消失後の維持に関する有効性は確認されていません。
・目標体重(体液貯留状態が良好にコントロールされているときの体重)に戻った場合は、漫然と服用を継続しないでください。
・体液貯留状態が改善しない場合は、漫然と服用を継続しないでください。
・血清ナトリウム濃度が125mEq/L未満の人、急激な循環血漿量の減少が好ましくないと判断された人が服用する場合は、7.5mgから開始することが望ましいとされています。
・口渇感が持続する場合には、減量を考慮してください。
・CYP3 A4阻害剤(イトラコナゾール、クラリスロマイシンなど)との併用は避けることが望ましいとされています。やむを得ず併用する場合は、トルバスカ30mgの減量あるいは低用量からの開始などを考慮してください。
・夜間の排尿を避けるため、午前中に服用するのが望ましいとされています。
一般に高齢者では生理機能が低下しており、また、脱水症状を起こしやすいとされているため、状態を観察しながら慎重に服用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は服用しないでください。また、妊娠する可能性のある人は、適切な避妊を行なってください。
授乳中の人は、トルバスカ30mg服用中は授乳を避けてください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。