【警告】
・ネオベン静注液10mgを含むがん化学療法は、緊急時に十分対応できる医療施設において、がん化学療法に充分な知識・経験を持つ医師の下で、この治療が適切と判断される症例についてのみ実施してください。また、治療開始に先立ち、有効性および危険性を充分理解し、同意してから使用してください。
・骨髄機能抑制に起因すると考えられる死亡症例が認められているので、使用に際しては、頻回に臨床検査を行なうなど、状態を充分に観察してください。
【禁忌】
・骨髄機能低下の著しい人: 重症感染症を併発し、致命的となることがあります。
・重篤な感染症を合併している人: 感染症が悪化し、致命的となるおそれがあります。
・ビノレルビンおよびほかのビンカアルカロイド系抗悪性腫瘍剤の成分に対し重篤な過敏症の既往歴のある人
・髄腔内には使用しないでください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
手術不能または再発乳がんの場合
・ネオベン静注液10mgの術前・術後化学療法における有効性および安全性は確立していません。
・ネオベン静注液10mgの使用を行なう場合には、アントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤およびたくさん系抗悪性腫瘍剤による化学療法後の増悪もしくは再発例を対象としてください。
・初回化学療法におけるネオベン静注液10mgを含むほかの抗悪性腫瘍剤との併用療法に関して、友好性および安全性は確立していません。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・使用前の白血球数が2000/mm3未満であった場合には、使用を延期し、2000/mm3
以上に回復するのを待って使用してください。
・ネオベン静注液10mgをあらかじめ約50mLの日局生理食塩液、日局5%ブドウ糖注射液、日局臨月液または乳酸リンゲル液で希釈してください。使用は開始から10分以内に終了することが望ましいとされています。なお、使用後は補液などにより、薬液を充分洗い流してください。
【適用上の注意】
・薬液の調整
ネオベン静注液10mg使用による血管痛、静脈炎および薬液の血管が漏出による重篤な組織障害を防止する意味で、ネオベン静注液10mgをあらかじめ日局生理食塩液、日局5%ブドウ糖注射液、日局リンゲル液または乳酸リンゲル液薬50mLに希釈することが望ましいとされています。
ほかの注射剤と配合した場合、ビノレルビンが析出するおそれがあるので、原則としてほかの注射剤との同時混合使用を避けてください。
ネオベン静注液10mgが皮膚に付着した場合には、ただちに石けんおよび多量の流水で洗い流してください。また、粘膜に付着した場合には、ただちに多量の流水で洗い流してください。
眼には接触させないでください。眼に入った場合は、ただちに水で洗浄してください。眼に入った場合、激しい刺激や角膜潰瘍が起こることがあります。
・使用経路
静脈内注射のみに使用に、髄腔内には使用しないでください。
・使用時
薬液が血管外に漏れると注射部位に硬結・壊死を起こすことがあるので、点滴の側管を利用するなど、薬液が血管外に漏れないように慎重に使用してください。
血管痛、静脈炎を起こすことがあるので、注射部位、注射方法などに充分注意し、使用後は補液などにより薬液を充分洗い流してください。
【その他の注意】
・ほかのビンカアルカロイド系薬剤により脳梗塞などが発現したとの報告があります。
【高齢者】
・高齢者では生理機能が低下していることが多く、白血球減少、貧血、血小板減少、BUN上昇、発熱、間質性肺炎、便秘などの副作用があらわれやすいので、用量、使用間隔などに注意して、状態を観察し慎重に使用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊婦または妊娠している可能性のある人は使用しないことが望ましいとされています。
・授乳中の人が使用する場合には授乳を中止してください。
【小児など】
・低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。