以下の場合、ビレム300mgを絶対に服用しないでください。
・ビレム300mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・トリアゾラム、ミダゾラム、ピモジド、エルゴタミン、ジヒドロエルゴタミン、エルゴメトリン、メチルエルゴメトリン、バルデナフィル、ブロナンセリン、シルデナフィル(レバチオ)、タダラフィル(アドシルカ)、アゼルニジピンを服用中の人
・低出生体重児、新生児、乳児、3歳未満の幼児
以下の場合、ビレム300mgを慎重に服用してください。
・肝障害のある人: ビレム300mgは肝臓で代謝され、肝障害患者では高い血中濃度が持続するおそれがあるため、定期的に肝機能検査を行なうなど、状態を充分に観察し、悪化が認められた場合には休薬または服用中止を考慮してください。
・慢性活動性のB型および/またはC型肝炎の人など服用前に肝機能異常が認められる人では、肝機能をさらに悪化させる可能性があります。
・軽度および中等度肝機能障害の人がビレム300mg/リトナビルを服用する場合、ビレム300mgの服用量を調節する必要はありませんが、重度肝障害の人は慎重に服用してください。
・血友病の人および著しい出血傾向のある人: HIVプロテアーゼ阻害剤で治療中の血友病の人において、皮膚血腫および出血性関節症などの出血事象の増加が報告されています。
・高齢者: ビレム300mgは肝臓で代謝されますが、高齢者では肝機能が低下していることが多く、高い血中濃度が持続するおそれがあります。
・スルホンアミド系薬剤に過敏症の既往歴のある人: ダルナビルはスルホンアミド基を有するため、交叉過敏症が現われる可能性があります。
【重要な基本的注意】
・ビレム300mgはHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、ビレム300mg服用開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告してください。
・ビレム300mgの長期服用による影響については、現在のところ不明です。
・ビレム300mgによる治療が、性的接触または血液汚染などによる他者へのHIV感染の危険を減少させることは明らかではありません。
・ビレム300mgの服用開始後、担当医の指示なしに用量の変更をしたり、服用を中止したりしないでください。
・ビレム300mgは併用薬剤と相互作用を起こすことがあるため、服用中のすべての薬剤を担当医に報告してください。
またビレム300mgで治療中に新たにほかの薬剤を服用する場合、事前に担当医に相談してください。
・ビレム300mgはリトナビルと併用するため、リトナビルの添付文書に記載されている禁忌、慎重服用、重要な基本的注意、重大な副作用などの使用上の注意を必ず確認してください。
・HIVプロテアーゼ阻害剤による治療中の人で、糖尿病の発症または増悪、高血圧が発現し、その中には糖尿病性ケトアシドーシスを合併した例が報告されています。
・ビレム300mgの服用により、中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群および多形紅斑が報告されています。
・抗HIV薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積が現われることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行なってください。
・ビレム300mgを含む抗HIV薬の多剤併用療法を行なった人で、免疫再構築症候群が報告されています。服用開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチスなどによるもの)などに対する炎症反応が発現することがあるので、これらの炎症性の症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮してください。
・ビレム300mgによる治療中に浮動性めまいが報告されているので、自動車の運転など危険を伴う機械の操作には注意してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・ビレム300mgは抗HIV薬の治療経験があるHIV感染者が使用してください。
・ビレム300mgによる治療にあたっては、治療歴および可能な場合には薬剤耐性検査(遺伝子型解析あるいは表現型解析)を参考にしてください。
・初回治療の成人HIV感染症および小児HIV感染症に対しては、有効性および安全性が確立していません。
【用法・用量の関する使用上の注意】
・ビレム300mgによる治療は、抗HIV療法に充分な経験を持つ医師のもとで開始してください。
・ビレム300mgの使用に際しては、用法・用量の記載に従い、必ず薬物動態学的増強因子(ブースター)としてリトナビルを併用してください。
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、ビレム300mgはほかの抗HIV薬と併用してください。
・ビレム300mgとほかの抗HIV薬の併用用法において、因果関係が特定できない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、ビレム300mgもしくは併用しているほかの抗HIV薬の一部を減量または休薬するのではなく、原則としてビレム300mgおよび併用しているほかの抗HIV薬の服用をすべて一旦中止してください。
・ジダノシンと併用する場合には、ジダノシンは食間に服用することとされているので、ビレム300mgとリトナビル服用の1時間前または2時間後にジダノシンを服用してください。
妊婦の服用に関する安全性は確立していないため、妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
授乳中の人は、ビレム300mgの服用中は授乳を避けてください。
3歳以上の幼児、小児における安全性は確立していません。