以下の場合、ボルタレン・サポ50mgを絶対に使用しないでください。
・消化性潰瘍のある人: 消化性潰瘍を悪化させます。
・重篤な血液の異常のある人: 副作用として血液障害が報告されているため、血液の異常を悪化させるおそれがあります。
・重篤な肝障害のある人: 副作用として肝障害が報告されているため肝障害を悪化させることがあります。
・重篤な腎障害のある人: 腎血流量低下作用があるため腎障害を悪化させることがあります。
・重篤な高血圧症のある人: プロスタグランジン合成阻害作用に基づくナトリウム・水分貯留傾向があるため血圧をさらに上昇させるおそれがあります。
・ボルタレン・サポ50mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・直腸炎、直腸出血または痔疾のある人: 粘膜刺激作用によりこれらの症状が悪化することがあります。
・アスピリン喘息(非ステロイド性消炎鎮痛剤などにより誘発される喘息発作)またはその既往歴のある人: 重症喘息発作を誘発します。
・インフルエンザの臨床経過中の脳炎・脳症の人
・妊婦または妊娠している可能性のある人
・トリアムテレンを使用中の人
【慎重使用】
・消化性潰瘍の既往歴のある人: 消化性潰瘍を再発させることがあります。
・血液の異常またはその既往歴のある人: 血液の異常を悪化または再発させるおそれがあります。
・出血傾向のある人: 血小板機能異常が起こることがあるため出血傾向を助長するおそれがあります。
・肝障害またはその既往歴のある人: 肝障害を悪化または再発させることがあります。
・腎障害またはその既往歴のある人: 腎血流量低下作用があるため腎障害を悪化または誘発することがあります。
・腎血流量が低下しやすい人: 心機能障害のある人、利尿剤や腎機能に著しい影響を与える薬剤を使用中の人、腹水を伴う肝硬変のある人、大手術後、高齢者などでは有効循環血流量が低下傾向にあり、腎血流量が低下しやすいので、腎不全を誘発するおそれがあります。
・高血圧症のある人: プロスタグランジン合成阻害作用に基づくナトリウム・水分貯留傾向があるため血圧をさらに上昇させるおそれがあります。
・心機能障害のある人: プロスタグランジン合成阻害作用に基づくナトリウム・水分貯留傾向があるため心機能を悪化させるおそれがあります。
・SLE(全身性エリテマトーデス)の人: SLE症状(腎障害など)を悪化させるおそれがあります。
・過敏症の既往歴のある人
・気管支喘息のある人: 気管支喘息の人の中にはアスピリン喘息の人も含まれており、それらの人では重症喘息発作を誘発します。
・潰瘍性大腸炎の人: 症状が悪化したとの報告があります。
・クローン病の人: 症状が悪化したとの報告があります。
・高齢者および幼小児: 副作用、特に過度の体温下降・血圧低下によるショック症状が現れやすいとされています。
・非ステロイド性消炎鎮痛剤の長期使用による消化性潰瘍のある人で、ボルタレン・サポ50mgの長期使用が必要であり、かつミソプロストールによる治療が行なわれている人(ミソプロストールは非ステロイド性消炎鎮痛剤により生じた消化性潰瘍を効能または効果としていますが、ミソプロストールによる治療に抵抗性を示す消化性潰瘍もあるので、ボルタレン・サポ50mgを継続使用する場合には、充分経過を観察し、慎重に使用してください。
【重要な基本的注意】
・ジクロフェナクナトリウム製剤を服用後にライ症候群を発症したとの報告があり、また同効類薬(サリチル酸系医薬品)とライ症候群との関連性を示す海外の疫学調査報告があるので、ボルタレン・サポ100mgを小児のウイルス性疾患には使用しないことを原則としますが、使用する場合には慎重に使用し、使用後の状態を充分に観察してください。
ライ症候群: 水痘、インフルエンザなどのウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、けいれん(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の血膨沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)、ALT(GPT)、LDH、CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖などの症状が短期間に発現する高脂肪率の病態。
・消炎鎮痛剤による治療は原因療法ではなく対症療法であることに留意してください。
・状態を充分に観察し、副作用の発現に留意してください。過度の体温下降、虚脱、四肢冷却などが現れることがあるので、特に高熱を伴う幼小児および高齢者または消耗性疾患の人においては、使用後の状態に充分注意してください。
・重篤な肝障害が現われることがあるので、状態を充分に観察してください。特に連用する場合は定期的に肝機能検査を行なうことが望ましいとされています。また肝障害に先行して、あるいは同時に急激な意識障害が現われることがあります。
・慢性疾患(関節リウマチ、変形性関節症など)に対しボルタレン・サポ50mgを使用する場合には、以下の事項を考慮してください。
1.長期使用する場合には、定期的に臨床検査(尿検査、血液検査および肝機能検査など)を行なってください。また異常が認められた場合には、減量、休薬などの適切な措置を講じてください。
2.薬物療法以外の療法も考慮してください。
・急性疾患に対しボルタレン・サポ50mgを使用する場合には、以下の事項を考慮してください。
1.急性炎症、疼痛および発熱の程度を考慮し、使用してください。
2.原則として同一の薬剤の長期使用を避けてください。
3.原因療法があればこれを行なってください。
・感染症を不顕性化するおそれがあるので、感染による炎症に対して使用する場合には適切な抗菌剤を併用し、観察を充分に行ない慎重に使用してください。
・ほかの消炎鎮痛剤との併用は避けることが望ましいとされています。
・高齢者および小児には副作用の発現に特に注意し、必要最小限の使用にとどめるなど慎重に使用してください。
・ボルタレン・サポ50mgの使用中に眠気、めまい、霧視が現われる場合は自動車の運転など危険を伴う機械の操作に従事しないように充分注意してください。
【適用上の注意】
・直腸使用による外用にのみ使用してください。
・ボルタレン・サポ50mgはできるだけ排便後に使用してください。
【その他の注意】
・インフルエンザの臨床経過中に脳炎・脳症を発症した人(主として小児)のうち、ジクロフェナクナトリウムを使用した例で予後不良例が多いとする報告があります。
・インフルエンザ脳炎・脳症例の病理学的検討において脳血管の損傷が認められるとの報告があり、またジクロフェナクナトリウムは血管内皮修復に関与するシクロオキシゲナーゼ活性の抑制作用が強いとの報告があります。
・外国において、肝性ポルフィリン症の人に使用した場合、急性腹症、四肢まひ、意識障害などの急性症状を誘発するおそれがあるとの報告があります。
・非ステロイド性消炎鎮痛剤を長期間使用している女性において、一時的な不妊が認められたとの報告があります。
高齢者では副作用が現れやすいので、少量から使用を開始するなど状態を観察しながら慎重に使用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は使用しないでください。妊娠中の使用で、胎児に動脈管収縮・閉鎖、徐脈、羊水過少が起きたとの報告があり、胎児の死亡例も報告されています。また分娩に近い時期での使用で、胎児循環持続症(PFC)、動脈管開存、新生児肺高血圧、乏尿が起きたとの報告があり、新生児の死亡例も報告されています。
子宮収縮を抑制することがあります。
ボルタレン・サポ50mgの使用中は授乳を避けてください。
ウイルス性疾患(水痘、インフルエンザなど)の人は使用しないことを原則としますが、使用する場合には慎重に使用し、使用後の状態を充分に観察してください。
新生児および乳児は、一般に体温調節機構が不完全なため、ボルタレン・サポ50mgの使用により角の体温下降を起こす可能性があるので、新生児および乳児には、過度の体温上昇などやむを得ない場合にのみ使用してください。