【警告】
・ラミトール・ディー・ティー100の使用により中毒性表皮壊死融解症(TEN)、皮膚粘膜眼症候群(スティーブンスジョンソン症候群)、薬剤性過敏症症候群などの全身症状を伴う例も報告されているので、以下の事項に注意してください。
1)
用法・用量を超えてラミトール・ディー・ティー100を使用した場合に、皮膚障害の発現率が高いことから、ラミトール・ディー・ティー100の用法・用量を遵守してください。
・使用開始時は定められた用法・用量を超えないでください。バルプロ酸ナトリウム併用時の使用開始2週間までは確実使用にしてください(成人のみ)。
・維持用量までの漸増時も定められた用法・用量を超えないでください。また、増量時期を早めないでください。
2)
発疹発現時には早期に皮膚科専門医に相談し、適切な処置を行なってください。また、発疹に加え以下に示す症状があらわれた場合には重篤な皮膚障害に至ることがあるので、ただちにラミトール・ディー・ティー100の使用を中止してください
発熱(38度以上、眼充血、口唇・口腔粘膜のびらん、咽頭痛、全身倦怠感、リンパ節腫脹など
3) 重篤な皮膚障害の発現率は、小児において高いことが示されているので、特に注意してください。
4) 発疹や上記の症状があらわれた場合にはただちに受診してください。
【禁忌】
・ラミトール・ディー・ティー100の成分に対し過敏症の既往歴のある人
【慎重服用】
・自殺念慮または自殺企図の既往のある人、自殺念慮のある人: 自殺念慮、自殺企図があらわれることがあります。
・脳の器質的障害または総合失調症の素因のある人: 精神症状を増悪させることがあります。
・腎不全の人: 腎クリアランスが低下しているために、主代謝物(グルクロン酸抱合体)の血漿中濃度が健康成人よりも高くなることがあります。
・ほかの抗てんかん薬に対しアレルギー歴または発疹発現の既往歴のある人: 重篤ではない発疹の発現頻度が約3倍になります。
【重要な基本的注意】
・ラモトリギンの使用による発疹は斑状・丘疹状にあらわれることが多く、重篤な皮膚障害の発現率は、ラミトール・ディー・ティー100使用開始から8週間以内に高く、また・バルプロ酸ナトリウムと併用した場合、あるいは小児において高いことが示されているので、ラミトール・ディー・ティー100の使用にあたっては充分に注意し、異常が認められた場合には、使用を中止し適切な処置を行なってください。
・小児において、発疹の初期徴候は感染と誤診されやすいので、ラミトール・ディー・ティー100使用開始8週間以内に発疹および発熱などの症状が発現した場合には特に注意してください。
・双極性障害の人を含め、うつ症状を呈する人は希死念慮があり、自殺企図のおそれがあるので、このような人は使用開始早期ならびに使用量を変更する際には状態および病態の変化を注意深く観察してください。また、新たな自傷、気分変動、アカシジア/精神運動不穏などの情動不安定の発現、もしくはこれらの症状の増悪が観察された場合には、服薬量を増量せず、徐々に減量し、中止するなど適切な処置を行なってください。
・自殺目的での過量服用を防ぐため、自殺傾向が認められる人が服用する場合には、1回分の処方日数を最小限にとどめてください。
・自殺念慮や自殺企図、興奮、攻撃性、易刺激性などの行動の変化および基礎疾患悪化があらわれるリスクなどについて充分に理解し、医師と緊密に連絡を取り合うようにしてください。
・てんかんの人では、連用中における服用量の急激な減少ないし服用の中止により、てんかん発作の増悪またはてんかん重積状態があらわれることがあるので、服用を中止する場合には、発疹の発現など安全性の観点からただちに使用を中止しなければならない場合を除き、少なくとも2週間以上かけて徐々に減量するなど慎重に行なってください。
・眠気、注意力・集中力・反射運動能力などの低下が起こることがあるので、ラミトール・ディー・ティー100の服用中は自動車の運転など、危険を伴う機械の操作に従事しないように注意してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・双極性障害の気分エピソードの急性期治療に対するラミトール・ディー・ティー100の有効性および安全性は確立していません。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・発疹などの皮膚障害の発現率は、定められた用法・用量を超えて使用した場合に高いことが示されているので、併用する薬剤の組み合わせに留意して用法・用量を遵守してください。なお、体重換算などにより調節した用量に一致する錠剤の組み合わせがない場合には、調節した用量にもっとも近く、かつ超えない用量になるよう錠剤を組み合わせて使用してください。
・併用する薬剤については以下のとおり分類されるので留意してください。なお、ラモトリギンのグルクロン酸抱合に対する影響が明らかでない薬剤による併用療法では、バルプロ酸ナトリウムを併用する場合の用法・用量に従ってください。
1)
ラモトリギンのグルクロン酸抱合を誘導する薬剤: フェニトイン、カルバマゼピン、フェノバルビタール、プリミドン、リファンピシン、ロピナビル・リトナビル配合剤
2)
ラモトリギンのグルクロン酸抱合に対し影響を及ぼさない薬剤: アリピプラゾール、オランザピン、ゾニサミド、ガバペンチン、シメチジン、トピラマート、プレガバリン、リチウム、レベチラセタム、ペランパネル、ラコサミド
・ラミトール・ディー・ティー100による発疹などの皮膚症状のために使用を中止した場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合以外は再使用しないでください。再使用にあたっては、いかなる理由で使用を中止した人においても、維持用量より低い用量から漸増してください。なお、使用中止からラミトール・ディー・ティー100の消失半減期の5倍の期間(バルプロ酸ナトリウムを併用せずラミトール・ディー・ティー100のグルクロン酸抱合を誘導する薬剤を併用したときは約65時間、バルプロ酸ナトリウムもラミトール・ディー・ティー100のグルクロン酸抱合を誘導する薬剤も併用しなかったときは約170時間)を経過している場合は、初回用量から用法・用量に従って再開することが推奨されています。
・ラミトール・ディー・ティー100を小児てんかんの人に使用する場合には、ほかの抗てんかん薬と併用して使用してください。
・小児てんかんの人
が使用する場合に、体重換算した1日用量が25mg未満の場合はラミトール・ディー・ティー100を使用しないでください。ラミトール・ディー・ティー100の使用中は、体重変化を観察し、必要に応じ適切に用量の変更を行なってください。なお、2-6歳の小児の場合は維持用量の上限付近の用量が必要な場合があります。
・ラミトール・ディー・ティー100の使用中に、ラミトール・ディー・ティー100のグルクロン酸抱合を阻害あるは誘導する薬剤を使用開始または使用中止する場合には、ラミトール・ディー・ティー100の用量調節を考慮してください。
・経口避妊薬など
のラミトール・ディー・ティー100のグルクロン酸抱合に影響をあたえる薬剤を併用する際には、ラミトール・ディー・ティー100の用量調節を考慮してください。
・肝機能障害のある人
では、肝機能障害の程度に応じてラモトリギンのクリアランスが低下するため、ラミトール・ディー・ティー100の使用にあたっては減量を考慮してください。
【適用上の注意】
・ラミトール・ディー・ティー100は少量の水と共にそのまま服用、あるいは咀嚼または少なくとも錠剤が浸る程度の少量の水に溶かして服用してください。
【その他の注意】
・海外で実施されたラモトリギン製剤を含む複数の抗てんかん薬における、てんかん、精神疾患などを対象としたプラセボ対照臨床試験の検討結果において、自殺念慮および自殺企図の発現のリスクが、抗てんかん薬の服用群でプラセボ群と比較して約2倍高かったとの報告があります。
【高齢者】
・高齢者では、一般に生理機能が低下しているので、状態を観察しながら慎重に服用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
・妊娠中の服用に関する安全性は確立していないため、妊婦または妊娠している可能性のある人で治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合のみ服用してください。
・妊娠によりラミトール・ディー・ティー100の血中濃度や治療効果に影響が見られる可能性があるため、妊婦の人がラミトール・ディー・ティー100を服用する場合には、状態などに充分に注意してください。
・授乳中の人はラミトール・ディー・ティー100の服用中は授乳を避けてください。
【小児など】
・てんかんの人における抗てんかん薬との併用療法について、低出生体重児、新生児、乳児または2歳未満の幼児に対する安全性は確立していません。また、てんかんの人における単剤療法について、小児などに対する安全性は確立していません。
・双極性障害における気分エピソードの再発・再燃抑制について、小児および18歳未満の人に対する有効性および安全性は確立していません。