以下の場合、リソフォス35を絶対に服用しないでください。
・食道狭窄またはアカラシア(食道弛緩不能症)などの食道通過を遅延させる障害のある人: リソフォス35の食道通過が遅延することにより、食道局所における副作用発現の危険性が高くなります。
・リソフォス35の成分あるいはほかのビスフォスフォネート系薬剤に対し過敏症の既往歴のある人
・低カルシウム血症の人: 血清カルシウム値が低下し、低カルシウム血症の症状が悪化するおそれがあります。
・服用時に立位あるいは坐位を30分以上保てない人
・妊婦または妊娠している可能性のある人: ビスフォスフォネート系薬剤は骨気質に取り込まれた後に全身循環へ徐々に放出されるので、妊娠する可能性のある人は治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
・高度な腎障害のある人: クレアチニンクリアランス値が約30ml/分未満の人は排泄が遅延するおそれがあります。
【慎重服用】
・嚥下困難のある人、または食道、胃、十二指腸の潰瘍または食道炎などの上部消化管障害のある人: 食道通過の遅延または上部消化管粘膜刺激による基礎疾患の悪化をきたすおそれがあります。
・腎障害のある人: 排泄が遅延するおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・食事によるカルシウム、ビタミンDの摂取が不充分な場合は、補給してください。
ただし、カルシウム補給剤およびカルシウム、アルミニウム、マグネシウム含有製剤は、リソフォス35の吸収を妨げることがあるので、服用時刻を変えて服用してください。
・骨粗しょう症の発症にエストロゲン欠乏、加齢以外の要因が関与していることもあるので、治療に際してはこのような要因も考慮してください。
・リソフォス35を含むビスフォスフォネート系薬剤による治療を受けている人において、服用経路によらず顎骨壊死、顎骨骨髄炎が現われることがあります。
報告された症例の多くが抜歯などの歯科処置や局所感染に関連して発現しています。
リスク因子としては、悪性腫瘍、化学療法、コルチコステロイド治療、放射線療法、口腔の不衛生、歯科処置の既往などが知られています。
リソフォス35の服用にあたっては、適切な歯科検査を受け、必要に応じて抜歯などの顎骨に対する侵襲的な歯科処置を服用前に済ませるとともに、リソフォス35の服用中は歯科において口腔内管理を定期的に受け、抜歯などのアゴ骨に対する侵襲的な歯科処置ができるだけ避けるようにしてください。
また口腔内を清潔に保つことや歯科受診時にリソフォス35の使用を歯科医師に告知するなどし、異常が認められた場合には、ただちに歯科・口腔外科に受診してください。
・ビスフォスフォネート系薬剤を長期服用している人において、非外傷性の大腿骨転子下および近位大腿骨骨幹部のストレス骨折が発現したとの報告があるので、X線検査などを実施しながら慎重に服用してください。
この骨折では、X線検査時に骨皮質の肥厚など、特徴的な画像所見がみられ、完全骨折が起こる数週間から数ヵ月前に、該当部位に前駆痛があるため、そのような場合には適切な処置を受けてください。
また、両側性の骨折が生じる可能性があることから、片側で骨折が起きた場合は、他方の大腿骨の画像検査も行なってください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・リソフォス35の適用にあたっては、日本骨代謝学会の原発性骨粗しょう症の診断基準などを参考に、骨粗しょう症と確定診断された場合に服用してください。
授乳中の人は服用を避け、やむを得ず服用する場合は授乳を中止してください。
小児などに対する安全性は確立していません。
◆日本骨代謝学会の原発性骨粗しょう症の診断基準・1(参考)
◆日本骨代謝学会の原発性骨粗しょう症の診断基準・2(参考)