以下の場合、リレンザ5mgを絶対に使用しないでください。
・リレンザ5mgの成分に対して過敏症の既往歴のある人
【警告】
・リレンザ5mgを治療に使用する場合は、リレンザ5mgの必要性を慎重に検討してください。
・インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチン治療であり、リレンザ5mgの予防使用はワクチン療法に置き換わるものではありません。
【重要な基本的注意】
・因果関係は不明であるものの、リレンザ5mgの使用後に異常行動などの精神神経症状を発現した例が報告されています。小児・未成年者については、異常行動による転落などの万が一の事故を防止するための予防的な対応として、リレンザ5mgによる治療が開始した後は、①異常行動の発現のおそれがあること、②自宅において療養を行なう場合、少なくとも2日間、保護者などは小児・未成年者がひとりにならないように配慮してください。なお、インフルエンザ脳症などによっても、同様の症状が現れる報告があります。
・免疫低下状態の人に対する使用経験は多くありません。免疫低下状態の人が使用する場合は、状態を充分に観察しながら使用してください。
・軽度または中等度の喘息のある人(ただし、急性のインフルエンザ症状を有さない症例)を対象とした海外の臨床薬理試験において、13例中1例に気管支れん縮が認められました。
インフルエンザウイルス感染症により気道過敏性が亢進することがあり、リレンザ5mg服用後に気管支れん縮や呼吸機能の低下が見られたという報告があります(呼吸器疾患の既往歴がない人においても同様な報告があります)。このような症状が現れた場合、リレンザの使用を中止し、適切な処置を行なってください。
また、気管支喘息および慢性閉塞性肺疾患などの慢性呼吸器疾患のある人がリレンザ5mgを使用する場合には使用後に気管支れん縮が起こる可能性があることを理解し、必要時に使用できるよう短時間作用型気管支拡張剤を所持してください。
なお、慢性呼吸器疾患の治療に用いる吸入薬(短時間作用発現型気管支拡張剤など)を併用する場合には、リレンザ5mgを使用する前に使用してください。
・細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したり、インフルエンザ様症状と混同されることがあります。細菌感染症の場合には、抗菌剤を使用するなど適切な処置を行なってください。
・リレンザ5mgの使用後に失神やショック症状が現れたとの報告があります。この失神やショック症状はインフルエンザウイルス感染症に伴う発熱、脱水などの全身状態の悪化に加え、リレンザ5mgを強く吸入したこと、または長く息を止めたことが誘因となった可能性があります。使用説明書に記載されている吸入法を充分に理解し、くつろいだ状態(例えば座位など)で吸入するようにしてください。また、このような症状が現れた場合には、仰臥位をとり安静に保つとともに、補液を行なうなど適切な処置を行なってください。
【適用上の注意】
・リレンザ5mgは添付の専用吸入器を用いて、口腔内への吸入にのみ使用してください。ネブライザーもしくは機械式人工呼吸器には使用しないでください。リレンザ5mg(吸入用散剤)を溶解し、ネブライザーもしくは機械式人工呼吸器を介してインフルエンザの人に使用し、添加物である乳糖による医療機器の閉塞のために死亡した例があるとの報告があります。
・添付の専用吸入器の使用方法を理解してください。なお、小児に対しては、リレンザ5mgを適切に吸入使用できると判断された場合にのみ使用してください。
・ザナミビル水和物は吸湿性が高いので、ブリスターは吸入の直前に穴をあけてください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・リレンザ5mgを治療に使用する場合は、抗ウイルス薬の使用がすべてのA型またはB型インフルエンザウイルス感染症の治療には必須ではないことを踏まえ、リレンザ5mgの使用の必要性を慎重に検討してください。
・リレンザ5mgを治療に用いる場合、インフルエンザ様症状の発現から2日以内に使用を開始してください。
・リレンザ5mgを予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している人の同居家族または共同生活者である以下の人を対象としてください。
1.高齢者(65歳以上)
2.慢性心疾患のある人
3.代謝性疾患の人(糖尿病など)
4.腎機能障害のある人
・リレンザ5mgはC型インフルエンザウイルス感染症には効果がありません。
・リレンザ5mgは細菌感染症には効果がありません。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・リレンザ5mgを治療に用いる場合、発症後、可能な限り速やかに使用を開始することが望ましいとされています(症状発現から48時間経過に使用を開始した人における有効性を裏付けるデータは得られていません)。
・リレンザ5mgを予防に用いる場合には、以下の点に注意して使用してください。
1.インフルエンザウイルス感染症の人に接触後1.5日以内に使用を開始してください(接触後36時間経過後に使用を開始した人における有効性を裏付けるデータは得られていません)。
2.インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、リレンザ5mgを連続して使用している期間のみ持続します。
・気管支喘息および慢性閉塞性肺疾患などの慢性呼吸器疾患のある人に対し、慢性呼吸器疾患の治療に用いる吸入薬(短時間作用発現型気管支拡張剤など)を併用する場合には、リレンザ5mgを使用する前に使用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人が使用する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
授乳中の人が使用する場合には授乳を避けてください。
小児に対しては、リレンザ5mgを適切に吸入できると判断された場合にのみ使用してください。
低出生体重児、新生児、乳児または4歳以下の幼児に対する安全性は確立していません。