以下の場合、タミフル75mgを絶対に服用しないでください。
・タミフル75mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
【警告】
・タミフル75mgの使用にあたっては、タミフル75mgの必要性を慎重に検討してください。
・10歳以上の未成年においては、因果関係は不明ではあるものの、タミフル75mgの服用後に異常行動を発現し、転落などの事故に至った例が報告されています。このため、この年代の人には、合併症、既往歴などからハイリスクであると判断される場合を除いては、原則としてタミフル75mgの使用を差し控えてください。
また、小児・未成年者については、万が一の事故を防止するための予防的な対応として、タミフル75mgによる治療が開始された後は、①異常行動の発現のおそれがあること、②自宅において療養を行なう場合、少なくとも2日間、保護者などは小児・未成年が一人にならないよう配慮してください。
なお、インフルエンザ脳症炎によっても、同様の症状が現れるとの報告があります。
・インフルエンザウイルス感染症の予防の基本はワクチン療法であり、タミフル75mgの予防使用はワクチン療法に置き換わるものではありません。
【慎重服用】
・高度の腎機能障害の人
【重要な基本的注意】
・タミフル75mgは腎排泄型の薬剤であり、腎機能が低下している場合には血漿中濃度が高くなるおそれがあるので、タミフル75mgの服用に際しては、クレアチニンクリアランス値に基づいて、状態を観察しながら慎重に服用してください。
・細菌感染症がインフルエンザウイルス感染症に合併したりインフルエンザ様症状と混同されることがあるので、最近感染症の場合には抗菌剤を使用するなど適切な処置を行なってください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・治療に用いる場合には、A型またはB型インフルエンザウイルス感染症と診断された人のみが対象となりますが、抗ウイルス薬の使用がA型またはB型インフルエンザウイルス感染症のすべての人に対しては必須でないことを踏まえ、状態を充分に観察した上で、タミフル75mgの使用の必要性を慎重に検討してください。
特に、幼児および高齢者に比べて、そのほかの年代ではインフルエンザによる死亡率が低いことを考慮してください。
・予防に用いる場合には、原則として、インフルエンザウイルス感染症を発症している人の同居家族または共同生活者である下記を対象とします。
- 高齢者(65歳以上)
- 慢性呼吸器疾患または慢性心疾患の人
- 代謝性疾患の人(糖尿病など)
- 腎機能障害の人
・1歳未満の患児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性および有効性は確立していません。
・タミフル75mgはA型またはB型インフルエンザウイルス感染症以外の感染症には効果がありません。
・タミフル75mgは細菌感染症には効果がありません。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・治療に用いる場合には、インフルエンザ様症状の発現から2日以内に使用を開始してください(症状発現から48時間経過後に使用を開始した人における有効性を裏付けるデータは得られていません)。
・予防に用いる場合には、次の点に注意して使用してください。
- インフルエンザウイルス感染症の人との接触後2日以内に使用を開始してください(接触後48時間経過後に使用を開始した場合における有効性を裏付けるデータは得られていません)。
- インフルエンザウイルス感染症に対する予防効果は、タミフル75mgを連続して服用している期間のみ持続します。
・成人の腎機能障害の人では、血漿中濃度が増加するので、腎機能の低下に応じて、次のような使用法を目安としてください(外国人における成績による)。小児などの腎機能障害の人での使用経験はありません。
クレアチニンクリアランス
(mL/分) |
服用法 |
治 療 |
予 防 |
Ccr>30 |
1回75mg 1日2回 |
1回75mg 1日1回 |
10<Ccr≦30 |
1回75mg 1日1回 |
1回75mg 隔日 |
Ccr≦10 |
推奨用量は確立していません |
Ccr:クレアチニンクリアランス
【その他の注意】
・国内で実施されたカプセル剤による第III相予防試験において、糖尿病が増悪したとの報告が1例あります。また国外で実施されたカプセル剤による第III期相予防試験では、糖代謝障害を有する被験者で糖尿病悪化または高血糖が7例みられました。非臨床試験においては、臨床用量の100倍までの用量において糖代謝阻害は認められていません。
・国外で実施されたカプセル剤による慢性心疾患および慢性呼吸器疾患の人を対象とした第II期相治療試験において、インフルエンザ罹病期間に対する有効性ではプラセボに対し有意な差はみられていません。しかし、タミフル75mg服用によりウイルス放出期間を有意に短縮し、その結果、発熱、筋肉痛/関節痛または悪寒/発汗の回復期間が有意に短縮しました。
・国外で実施されたカプセル剤による高齢者(65歳以上)を対象とした第III相治療試験において、タミフル75mgの服用によりインフルエンザ罹病期間を短縮しました。
・シーズン中にインフルエンザに重複してインフルエンザに罹患した人にタミフル75mgを繰り返して使用した経験はありません。
・国内で実施されたカプセル剤による第III相予防試験において、6週間を超えて使用した経験はありません。なお国外ではドライシロップ剤およびカプセル剤による免疫低下者の予防試験において、12週間の使用経験があります。
国外で実施されたカプセル剤による臨床試験成績では、副作用の頻度および種類は非高齢者との間に差は認められていませんが、一般に高齢者では、生理機能(腎機能、肝機能など)の低下や、種々の基礎疾患を有することが多いため、状態を観察しながら使用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人が服用する場合は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
授乳婦が服用する場合は、授乳を避けてください。
1歳未満の小児(低出生体重児、新生児、乳児)に対する安全性は確立していません。