【警告】
ジドビル300mgの服用により骨髄抑制が現われるので、頻回に血液学的検査を行なうなど、状態を充分に観察してください。
以下の場合、ジドビル300mgを絶対に服用しないでください。
・好中球数750立法ミリメートル未満またはヘモグロビン値が7.5g/dl未満に減少した人(ただし原疾患であるHIV感染症に起因し、ジドビル300mgまたはほかの抗HIV薬による治療経験がないものを除く): 好中球数、ヘモグロビン値がさらに減少することがあります。
・ジドビル300mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・イブプロフェン服用中の人: 出血傾向が増強したとの報告があります。
【慎重服用】
・好中球数1000立方ミリメートル未満またはヘモグロビン値が9.5g/dl未満の人: 好中球数、ヘモグロビン値がさらに減少することがあります。
・腎または肝機能障害のある人: 高い血中濃度が持続するおそれがあります。
・高齢者: ジドビル300mgは主として肝臓で代謝され腎臓から排泄されますが、高齢者では肝機能または腎機能が低下していることが多いため高い血中濃度が持続するおそれがあるので、状況を観察しながら慎重に服用してください。
【重要な基本的注意】
・ジドビル300mgはHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、ジドビル300mg服用開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告してください。
・ジドビル300mgを含む現在の抗HIV療法が、性的接触または血液汚染を介した他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていません。
・ジドビル300mgは相互作用が多く知られていることから、ほかの病院で処方された薬剤または市販薬を服用中の場合は、すべて担当医に報告してください。
・ジドビル300mgの服用により骨髄抑制が現われるので、服用開始後3ヵ月間は少なくとも2週間ごとに血液学的検査を行ない、その後は最低1ヵ月ごとの検査を行なってください。
・ジドビル300mgまたはほかの抗HIV薬による治療経験がなく、かつ、原疾患であるHIV感染症により好中球数750平方ミリメートル未満またはヘモグロビン値が7.5g/dl未満に減少したと判断される人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断された場合にのみジドビル300mgの服用を考慮してください。
・ジドビル300mgを含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の単独服用またはこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸など)、肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されているので、乳酸アシドーシスまたは肝洞性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、ジドビル300mgの服用を一時中止してください。
特に、肝疾患の危険因子を有する人においては注意してください。
・抗HIV薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積が現われることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行なってください。
・ジドビル300mgを含む抗HIV薬の多剤併用療法を行なった人で、免疫再構築症候群が報告されています。
服用開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチスなどによるもの)などに対する炎症反応が発現することがあるので、これらの炎症性の症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮してください。
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による神経機能障害に対する有効性は確認されていません。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・無症候性HIV感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数および血漿中HIV RNA量が指標とされています。
よって、ジドビル300mgの使用にあたっては、服用者のCD4リンパ球数および血漿中HIV RNA量を確認するとともに、最新のガイドラインを確認してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
ジドビル300mg服用中特に著しい好中球減少(750平方ミリメートル未満または服用前値からの50%以上の減少)または著しい貧血(ヘモグロビン値が7.5g/dl未満または服用前値から25%以上の減少)が認められた場合は、骨髄機能が回復するまで休薬してください。
これより軽度の貧血(ヘモグロビン値が7.5-9.5g/dl)および好中球減少(750-1000立方ミリメートル)の場合は、減量してください。
著しい貧血が見られた場合、休薬および減量を行なっても輸血の必要な場合があります。休薬または減量後、骨髄機能が回復した場合には、血液学的所見および服用者の耐容性に応じて徐々に通常の服用量に増加します。
・ジドビル300mgとほかの抗HIV薬との併用療法において、因果関係が特定されていない重篤な副作用が発現し、治療の継続が困難であると判断された場合には、ジドビル300mgもしくは併用しているほかの抗HIV薬の一部を減量または休薬するのではなく、原則としてジドビル300mgおよび併用しているほかの抗HIV薬の服用をすべて一旦中止してください。
・ジドブジンとして1日量が400mg未満の用量による有効性は確認されていません。
妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
授乳中の人は、ジドビル300mg服用中は授乳を避けてください。
小児などにおける安全性および有効性は確立されていないので、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
小児などにおける安全性および有効性は確立されていないため、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
ヒト免疫不全ウイルスは感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、ジドビル300mgはほかの抗HIV薬と併用してください。