【併用禁忌】
■エファビレンツ
・シサプリド(アセナリン、リサモール)、トリアゾラム(ハルシオンなど)、ミダゾラム(ドルミカム)、エルゴタミン酒石酸塩・無水カフェイン(カフェルゴット)、ジヒドロエルゴタミンメシル酸塩(ジヒデルゴット)、メチルエルゴメトリンマレイン酸塩(メテルギン)、エルゴメトリンマレイン酸塩(エルゴメトリン): これらの薬剤の代謝が抑制され、重篤なまたは生命に危険をおよぼすような事象(不整脈、持続的な鎮痛、呼吸抑制)が起こる可能性があります。
・ボリコナゾール(ブイフェンド): ボリコナゾールとの併用により、ボリコナゾールのAUCおよびCmaxがそれぞれ77%および61%減少し、エファビル600のAUCおよびCmaxがそれぞれ44%および38%増加しました。
以下の薬剤とエファビル600を併用する場合、充分に注意してください。
・インジナビル: インジナビルとエファビル600を併用服用した場合、酵素誘導の結果としてインジナビルのAUCおよびCmaxがそれぞれ約31%および16%減少しました。
・リトナビル: 非感染ボランティアにおいてエファビル600を600mgとリトナビル500mgについて試験を行なったとき、併用の忍容性は良好ではなく、高頻度の臨床的有害事象(めまい、吐き気、異常感覚など)および臨床検査値異常(肝酵素上昇)が認められています。
・サキナビル: サキナビルとエファビル600を併用した場合、サキナビルのAUCおよびCmaxがそれぞれ62%および45-50%減少したとの報告があります。
併用するプロテアーゼ阻害薬がサキナビルのみの場合はエファビル600の使用は推奨されません。
・リファンピシン類: 非感染ボランティア12例では、リファンピシンによりエファビル600のAUCが26%、Cmaxが20%減少しています。
リファンピシンとエファビル600を併用する場合、エファビル600の服用量を800mg/日に増量してください。
またリファンピシンの用量調節は推奨されません。
・クラリスロマイシン: エファビル600を1日1回400mgとクラリスロマイシン500mg12時間ごと1週間併用した場合、エファビル600がクラリスロマイシンの薬物動態に対して有意な影響を及ぼしました。
エファビル600と併用した場合に、クラリスロマイシンのAUCおよびCmaxがそれぞれ39%および26%減少する一方で、クラリスロマイシン水酸化代謝物のAUCおよびCmaxがそれぞれ34%および49%増加しました。
このようなクラリスロマイシンの血漿中濃度の変化の臨床上の意義は不明です。
また非感染ボランティアの46%で、エファビル600とクラリスロマイシンの服用中に発疹が発現がみられています。
エファビル600はクラリスロマイシンと併用した場合には用量調節が推奨されないため、クラリスロマイシンの代替薬を考慮してください。
・避妊経口薬: エファビル600(1日1回600mg)と経口避妊薬(エチニルエストラジオール0.035mg/ノルゲスチメート0.25mg1日1回)を14日間併用した場合、エファビル600はエチニルエストラジオールの血漿中濃度に影響は与えませんでしたが、ノルゲスチメートの活性代謝物であるノルエルゲストロミンおよびレボノルエストレルのAUCはそれぞれ64%および83%減少しましたが、血漿中濃度への影響は認められませんでした。エファビル600と経口避妊薬の併用による相互作用の可能性は充分に検討されていないため、避妊経口薬に加えて信頼できる防御的避妊用(コンドーム)を使用してください。
・セイヨウオトギリソウ(セント・ジョーンズ・ワート)含有食品: エファビル600の血中濃度が低下し、抗ウイルス作用の欠如およびエファビル600またはほかの非ヌクレオシド系逆転写阻害剤の耐性化が起こるおそれがあります。
・ホスアンプレナビル: ホスアンプレナビル1400mgおよびリトナビル600mgの1日1回服用とエファビル600を600mg1日1回併用した場合、アンプレナビルのAUCが13%、Cminが36%低下しましたが、リトナビルを300mgに増量するとアンプレナビルの血中濃度が維持されました。
またホスアンプレナビル700mgおよびリトナビル100mgの1日2回服用とエファビル200の600mg1日1回を併用した場合、アンプレナビルの血中濃度に著しい変化はありませんでした。
・アタザナビル: エファビル600を600mgとアタザナビルとの併用により、アタザナビルの曝露量が減少しました。
エファビル600とアタザナビルを併用する際には、さらに低用量のリトナビルを併用するとともに、アタザナビルの用量調節が必要です。
HIV治療歴のない人がエファビル600を併用する場合、アタザナビル300mg、リトナビル100mg、エファビル200を600mg1日1回服用することが推奨されます。
HIV治療歴のある人におけるアタザナビルおよびエファビル600の推奨用量は確立していません。
・アトルバスタチン: 非感染ボランティアにおいて、エファビル600(600mg経口1日1回)とアトルバスタチン(10mg経口1日1回)を併用した場合、アトルバスタチン単剤服用と比較して、定常状態におけるアトルバスタチンおよびその由来物質のAUCおよびCmaxを減少させました。
・ブラバスタチン: 非感染ボランティアにおいて、エファビル600(600mg1日1回)とブラバスタチン(40mg経口1日1回)を併用した場合、ブラバスタチン単剤服用と比較して、定常状態におけるブラバスタチンのAUCおよびCmaxが40%および18%減少しました。
・シンバスタチン: 非感染者ボランティアにおいて、エファビル600(600mg経口1日1回)とシンバスタチン(40mg経口1日1回)を併用した場合、シンバスタチン経口服用と比較して、定常状態におけるシンバスタチンおよびその由来物質のAUCおよびCmaxを減少させました。
・抗けいれん薬(カルバマゼピン): 非感染ボランティアにおいて、エファビル600(600mg経口1日1回)とカルバマゼピン(400mg1日1回)を併用した場合、定常状態におけるカルバマゼピンのAUC、Cmax、Cminはそれぞれ27%、20%、35%減少し、エファビル200のAUC、Cmax、Cminはそれぞれ36%、21%、47%減少しました。
・イトラコナゾール: 非感染者ボランティアにおいて、エファビル600(600mg経口1日1回)とイトラコナゾール(200mg経口12時間ごと)を併用した場合、イトラコナゾール単剤服用と比較して、定常状態におけるイトラコナゾールのAUC、CmaxおよびCminはそれぞれ39%、37%、44%減少し、ヒドロキシイトロコナゾールのAUC、Cmax、Cminはそれぞれ37%、35%、43%減少しました。
・ジルチアゼム: 非感染ボランティアにおいて、エファビル600(600mg経口1日1回)とジルチアゼム(240mg経口1日1回)を併用した場合、ジルチアゼム単剤服用と比較して、定常状態におけるジルチアゼムのAUC、CmaxおよびCminはそれぞれ69%、60%、63%減少し、デスアセチルジルチアゼムのAUC、Cmax、Cminは75%、64%、62%減少し、N-モノデスメチルジルチアゼムAUC、CmaxおよびCminは37%、28%、37%減少しました。
■ラミブジン
・スルファメトキサゾール・トリメトプリム合剤: ラミビル150mgのAUCが43%増加し、全身クリアランスが30%、腎クリアランスが35%減少したとの報告があります。
・ザルシタビン: 細胞内におけるラミブジンおよびザルシタビン三リン酸化体が減少し、両剤の効果が減弱するとの報告があります。
■ジドブジン
・イブプロフェン(ブルフェンなど): 血友病患者において出血傾向が増強することがあります。
以下の薬剤とジドビル300mgを併用する場合、充分に注意してください。
・ペンタミジン、ピリメタミン、スルファメトキサゾール、トリメトプリム合剤、フルシトシン、ガンシクロビル、インターフェロン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ドキソルビシン: ジドビル300mgの毒性作用が増強されることがあります。
・プロベネシド: ジドビル300mgの全身クリアランスが約1/3に減少し半減期が約1.5倍延長したとの報告があるので、服用間隔を適宜あけてください。
・フルコナゾール、ホスフルコナゾール: ジドビル300mgの最高血中濃度が84%上昇するとの報告があります。
・リトナビル: ジドビル300mgの最高血中濃度が27%減少しAUCが25%減少するとの報告があります。
・リファンピシン: ジドビル300mgの全身クリアランスが約2.5倍増加し、AUCが約1/2に減少するとの報告があります。
また、上昇するとも報告されているので、血中フェニトイン濃度を注意深く観察してください。
・サニルブジン: 細胞内におけるサニルブジン三リン酸化体が減少し、サニルブジンの効果が減弱するとの報告があるので、ジドビル300mgとサニルブジンとの併用療法は避けることが望ましいとされています。
・リバビリン: 試験においてリバビリンとの併用によりジドビル300mgの効果が減弱するとの報告があるので、ジドビル300mgとリバビリンの併用療法は避けることが望ましいとされています。
・アドバクオン: ジドビル300mgのAUCが33%上昇し、グルクロン酸抱合体の最高血中濃度が19%低下しました。
ジドブジン500または600mg/日を3週間服用した場合では、ジドビル300mgの血中濃度の上昇により、副作用の発現頻度が上昇する可能性は低いと考えられますが、アドバクオンをより長期に服用する場合には、充分に注意してください。