以下の場合、プロトピック軟膏0.1%を絶対に使用しないでください。
・潰瘍、明らかに局面を形成しているびらんへの使用
・高度の腎障害、高度の高カリウム血症のある人: 腎障害、高カリウム血症が増悪する可能性があります。
・魚鱗癬様紅皮症を呈する人(ネザートン症候群など)の人: 経皮吸収が高く、プロトピック軟膏0.1%の血中濃度が高くなり、腎障害などの副作用が発現する可能性があります。
・妊婦または妊娠している可能性のある人
・小児など
・プロトピック軟膏0.1%の成分に対し過敏症の既往歴のある人
・PUVA療法などの紫外線療法を実施中の人
以下の場合、プロトピック軟膏0.1%を使用しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に使用してください。
・皮膚感染症を伴う人: 皮膚感染症が増悪するおそれがあります。
【警告】
・プロトピック軟膏0.1%の使用は、アトピー性皮膚炎の治療法に精通している医師のもとで行なってください。
・マウス塗布がん原性試験において、高い血中濃度の持続に基づくリンパ腫の増加が認められています。またプロトピック軟膏0.1%の使用例において関連性は明らかではありませんが、リンパ腫、皮膚がんの発現が報告されています。プロトピック軟膏0.1%の使用にあたっては、これらの情報を理解した上で使用してください。
・潰瘍、明らかに局面を形成しているびらんに使用する場合には、血中濃度が高くなり、腎障害などの副作用が発現する可能性があるので、あらかじめ処置を行ない、潰瘍、明らかに局面を形成しているびらんの改善を確認した後、プロトピック軟膏0.1%の使用を開始してください。
【慎重使用】
・腎障害、高カリウム血症のある人: 腎障害、高カリウム血症が増悪する可能性があります。
・高度の肝障害のある人: 薬物代謝能が低下し、プロトピック軟膏0.1%の血中濃度が上昇する可能性があります。
・全身に皮疹を認める紅皮症のある人: 経皮吸収が高く、広範囲の使用により、プロトピック軟膏0.1%の血中濃度が上昇する可能性があります。
【重要な基本的注意】
・重度の皮疹もしくは塗布面積が広範囲にわかる場合は、血中濃度が高くなる可能性があるので、プロトピック軟膏0.1%使用開始の2-4週間後に1回、その後は必要に応じて適宜腎機能検査を行ない、異常が認められた場合には、直ちに使用を中止し、適切な処置を行なってください。
・プロトピック軟膏0.1%の使用時は日光への曝露を最小限にとどめてください。また、日焼けランプ/紫外線ランプの使用を避けてください。
・2年以上の長期使用時の局所免疫抑制作用(結果として、感染症を増加させたり、皮膚がんの誘引となる可能性があります)については、臨床試験成績がないため不明です。
・皮膚感染症を伴うアトピー性皮膚炎の人は使用しないことを原則としますが、やむを得ず使用する場合には、感染部位を避けて使用するか、またはあらかじめ適切な抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤による治療を行う、もしくはこれらとの併用を考慮してください。
・使用後、一過性に皮膚刺激感(灼熱感、ほてり感、疼痛、そう痒感など)が高頻度に認められますが、通常、皮疹の改善とともに発現しなくなります。
【適用上の注意】
・皮膚以外の部位(粘膜など)および外陰部には使用しないでください。また、眼の周囲に使用する場合には眼に入らないように注意してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・ステロイド外用剤などの既存療法では効果が不充分または副作用によりこれらの服用ができないなど、プロトピック軟膏0.1%による治療がより適切と考えられる場合に使用してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・皮疹の増悪期には角質層のバリア機能が低下し、血中濃度が高くなる可能性があるので、プロトピック軟膏0.1%の使用にもかかわらず2週間以内に皮疹の改善が認められない場合には使用を中止してください。また皮疹の悪化をみる場合にも使用を中止してください。
・症状改善によりプロトピック軟膏0.1%の塗布の必要がなくなった場合は、速やかに塗布を中止し、漫然と長期にわたって使用しないでください。
・密封法および重層法での臨床使用経験はないので、密封法および重層法は行なわないでください。
・1日2回塗布する場合はおよそ12時間間隔で塗布してください。
一般に高齢者では生理機能が低下しているので注意してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は使用しないでください。
母乳中へ移行する可能性があるので、使用中の授乳は避けてください。
低出生体重児、新生児、乳児または2歳未満の幼児では使用経験がなく安全性は確立しておらず、2歳以上の小児などではより低濃度の小児用製剤でも有効性が認められているので、血中濃度上昇により副作用が発現する可能性を考慮し、小児などではプロトピック軟膏0.1%を使用しないでください。