以下の場合、クラシッド・エム・アール徐放錠500mgを絶対に服用しないでください。
・クラシッド・エム・アール徐放錠500mgに対して過敏症の既往歴のある人
・ピモジド、エルゴタミン含有製剤、タダラフィル、アスナブレビル、バニブレビル、スボレキサントを服用中の人
・肝臓または腎臓に障害のある人で、コルヒチンを服用中の人
【慎重服用】
・ほかのマクロライド系薬剤に対して過敏症の既往歴のある人
・肝機能障害のある人: 肝機能障害を悪化させることがあります。
・腎機能障害のある人: 血中濃度が上昇するおそれがあります。
・心疾患のある人: QT延長、心室頻拍、心室細動を起こすことがあります。
・高齢者: 一般的に生理機能が低下しており、高い血中濃度が持続するおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・クラシッド・エム・アール徐放錠500mgをヘリコバクター・ピロリ感染症に使用する際には、除菌治療に用いられるほかの薬剤の添付文書に記載されている禁忌、慎重投与、重大な副作用などの使用上の注意を必ず確認してください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・進行期胃MALTリンパ腫に対するヘリコバクター・ピロリ除菌治療の有効性は確立していません。
・特発性血小板減少性紫斑病に対しては、ガイドラインなどを参照し、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療が適切と判断される症例にのみ除菌治療を行なってください。
・早期胃がんに対する内視鏡的治療後胃以外には、ヘリコバクター・ピロリ除菌治療による胃がんの発症抑制に対する有効性は確立していません。
・ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎に使用する際には、ヘリコバクター・ピロリが陽性であること及び内視鏡検査によりヘリコバクター・ピロリ感染胃炎であることを確認してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・クラシッド・エム・アール徐放錠500mgの服用にあたっては、耐性菌の発現などを防ぐため、原則として感受性を確認し、疾病の治療上必要な最小限度の期間の服用にとどめてください
・非結核性抗酸菌症の肺マイコバクテリウム・アビウムコンプレックス(MAC)症および後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性MAC症の治療に用いる場合、国内外の最新ガイドラインなどを参考に併用療法を行なってください。
・非結核性抗酸菌症に対するクラシッド・エム・アール徐放錠500mgの服用期間は以下を参照してください。
肺MAC症: 排菌陰性を確認した後、1年以上の服用継続と定期的な検査を行なうことが望ましいとされています。また再発する可能性があるので治療終了後においても定期的な検査を受けてください。
後天性免疫不全症候群(エイズ)に伴う播種性MAC症: 臨床的または細菌学的な改善が認められた後も継続服用するのがいいとされています。
・免疫不全などの合併症を有さない軽症ないし中等症のレジオネラ肺炎に対し、1日400mg分を2服用することにより、通常2-5日で症状が改善に向かいます。症状が軽快しても服用は2-3週間服用を継続することが望ましいとされています。またレジオネラ肺炎は再発の頻度が高い感染症であるため、特に免疫低下の状態にある人は治療終了後さらに2-3週間服用を継続し症状を観察してください。なお使用期間中に症状が悪化した場合には、速やかにレジオネラに有効な注射剤(キノロン系薬剤など)への変更が必要です。
・クラミジア感染症に対するクラシッド・エム・アール徐放錠500mgの服用期間は原則
・クラシッド・エム・アール徐放錠500mgをヘリコバクター・ピロリ感染症に用いる場合、プロトンポンプインヒビターはランソプラゾールとして1回30mg、オメプラゾールとして1回20mg、ラベプラゾールナトリウムとして1回10mg、エソメプラゾールとして1回20mgまたはボノプラザンとして1回20mgのいずれか1剤を選択してください。
【適用上の注意】
・レジオネラ肺炎の治療において単独で使用することが望ましいとされていますが、症状に応じて併用が必要な場合には以下の報告を参考に、併用する薬剤の特徴を考慮して選択してください。
1.中等症以上の人にリファンピシンと併用し有効との報告があります。
2.クラシッド・エム・アール徐放錠500mgとレボフロキサシンまたはシプロフロキサシンとの併用効果(相乗ないし相加作用)が認められたとの報告があります。
・健常な人の薬物動態試験で、天然ケイ素アルミニウムと併用した場合、クラシッド・エム・アール徐放錠500mgの吸収が低下するとの報告があります。
【その他の注意】
・ランソプラゾールなどのプロトンポンプインヒビターやアモキシシリン水和物、クラリスロマイシンなどの抗生物質の服用中や使用終了直後では、C.尿素呼気試験の判定結果が偽陰性になる可能性があるため、C.尿素呼気試験による除菌判定を行なう場合には、これらの薬剤の使用終了後4週間以降の時点で実施することが望ましいとされています。
【高齢者】
一般に高齢者では生理機能が低下しており、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、慎重に使用してください。
【妊婦、産婦、授乳婦など】
母乳中へ移行することが報告されているので、授乳中の人は、服用中は授乳を避けてください。
【小児など】
低出生体重児および新生児に対する安全性は確立していません。
健康な人における薬物動態試験で、天然ケイ酸アルミニウムと併用した場合、クラシッド・エム・アール徐放錠500mgの吸収が低下するとの報告があります。