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2014-02-21
ソース(記事原文):エクスプレス
「承認されている最大投与量を超えるスタチンが生存期間を延長」:医師らが報告
エクスプレス(2014年2月21日) ― ジョー・ウィリー(Jo Willey)著
承認されている最大投与量を超える用量のスタチンが、延命につながり、早期死亡リスクを低下させることが、新たな研究で示された。
通常タイプのコレステロール低下薬は、心疾患や脳卒中による死亡率を削減するほか、重症感染症や肺炎などの呼吸器疾患を予防することが分かっている。
今回、より強力なタイプのコレステロール低下薬を服用すると、心発作患者の生存期間が有意に改善されることが明らかにされた。
英国における心臓病名医の一人で本研究を主導したチム・ランク(Chim Lang)教授は、心発作後の患者には決まって本剤を出すようにすべきであると考えている。
同氏は「強力なスタチンが優れた転帰に関連するという多数の証拠が、今回のデータでさらに強化される」としている。
「スタチンの特許期限切れを受け、価格が随分下がっているということを加味すると、現在の治療法を見直す好機であると言える」
本研究では、数千の英国人患者から得たデータを検討し、強力なスタチン治療を受けた患者は、初回心発作後3年以内の死亡リスクが28%低下することが示された。
ダンディー大学医学部(Dundee University Medical School)のランク教授は「現在、心臓病患者における治療薬候補として、別のコレステロール降下薬であるエゼチミブに多くの関心が寄せられている」としている。
「エゼチミブはコレステロール降下に極めて有効であることが明らかとなっているが、生存期間に及ぼす効果については分かっていない。エゼチミブがスタチン(特にロスバスタチンまたはアトルバスタチンなどの強力なスタチン)よりも優れているのかという点が、極めて重視される。
「英国における数千人の患者データを調査した研究で、通常のスタチン(シンバスタチン)から強力なスタチンへ切り替えた患者は、生存期間が延長したことが明らかとなった」
一方、「エゼチミブを追加した患者では、転帰は改善しないように思われた」としている。したがって、今のところデータは、強力なスタチンを使用することを支持するものであり、スタチンのうちの一つアトルバスタチンに関しては現在特許期限切れとなっている上に、安価かつ有効である。これまでの臨床試験で、これらの強力なスタチンは標準用量のスタチンよりも効果的であることが示されていたが、薬価が高かった。
「この試験結果を裏付ける証拠が今回のデータで見つかったほか、この強力な薬剤は特許が失効しており、安価でもある」
スタチンは、1日あたり4ペンス(約7円[2014年4月時点])しかかからない上に、年に数万人もの命を救うと信じられている。
スタチンは、800万人以上に処方されており、肝臓内悪玉(LDL)コレステロールの産生を減少させる働きをする。この悪玉コレステロール値が高いと、心疾患・心発作・脳卒中の原因となる動脈狭窄につながる。
患者9,597人を対象とした最新の研究結果が、心臓病学会誌「ハート(Heart)」オンライン版に掲載された。
NHS(イギリス国家健康保証制度)健康監視機関である英国立医療技術評価機構(National Institute for Health and Clinical Excellence:NICE)は、新しいガイダンス(手引き)を先週発表した。具体的には、一般医によるスタチンの処方基準を半分に緩め、スタチンの使用拡大を推奨している。
現在のガイダンスでは、10年以内に心血管疾患を発症するリスクが20%である患者に本剤を勧めるようになっている。
NICEは、10%リスクを有する全ての患者を対象としたい考えで、結果的に年間2千人の命を救い、1万例の心発作または脳卒中を回避すると思われる。
英国心臓財団(British Heart Foundation: BHF)の心臓専門の上級看護師エイミー・トンプソン(Amy Thompson)氏は「スタチンなどのコレステロール低下薬は多くの心臓病患者における重要な治療の一つである」と述べている。
「心発作後に強力なスタチンを投与される患者で、優れた転帰を得られることを、研究者らは示唆している。ただし、これを証明するためには、さらなる研究が必要とされる。現在スタチンを服用中で、何か質問したいことがあれば、担当医または薬剤師に尋ねてみて欲しい」
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