【警告】
臓器移植におけるイムラン50の服用は、免疫抑制療法および移植患者の管理に精通している医師またはその指導のもとで行なってください。
以下の場合、イムラン50を絶対に服用しないでください。
・イムラン50の成分に対し過敏症の既往歴のある人
・白血球数3000立方ミリメートル以下の人: 白血球数がさらに減少することがあります。
・妊婦または妊娠している可能性のある人: リンパ球に染色体異常を有する児が出生したとの症例報告があります。
またイムラン50を妊娠期間中に服用した人において、早産および低出生体重児の出産が報告されています。
以下の場合、イムラン50を慎重に服用してください。
・骨髄機能抑制のある人: 骨髄機能をさらに抑制するおそれがあります。
・感染症を合併している人: 骨髄機能を抑制し、出血傾向を増悪させるおそれがあります。
・出血性素因のある人: 骨髄機能を抑制し、出血傾向を増悪させるおそれがあります。
・肝機能障害または肝炎の病歴のある人: 肝機能障害の発現・増悪または骨髄機能抑制が現われるおそれがあります。
・腎不全のある人: 骨髄抑制機能が現われるおそれがあります。
・水痘患者: 致命的な全身症状が現われるおそれがあります。
・アロプリノールを服用中の人: 骨髄抑制などの副作用を増強します。
重要な基本的注意
・骨髄機能抑制、肝機能障害などの重篤な副作用が起こることがあります。
・感染症、出血傾向の発現または増悪に充分注意してください。
・イムラン50服用中に水痘または帯状疱疹に感染すると、致命的な経過をたどることがあるため、以下に注意してください。
1.イムラン50服用前に水痘または帯状疱疹の既往や予防接種の有無を確認してください。
2.水痘または帯状疱疹の既往のない人においては、水痘または帯状疱疹への感染を極力防ぐよう常に充分な配慮と観察を行なってください。
3.水痘または滞情疱疹の既往や予防接種を受けたことのある人でも、イムラン50服用中は水痘または帯状疱疹を発症する可能性があります。
・小児が服用する場合は、副作用の発現に特に注意して慎重に服用してください。
・小児および生殖可能な年齢の人が服用する場合、性腺および生殖能に対する影響を考慮してください。
・イムラン50服用中の人において、リンパ球に染色体異常を有する児が出生したとの症例報告があります。また動物実験で催奇形性作用が報告されているので、イムラン50服用中は男女ともに避妊を行なってください。
・ほかの免疫抑制剤と併用する場合には、過度の免疫抑制により感染に対する感受性の上昇、悪性リンパ腫およびほかの悪性腫瘍が発現する可能性があるので、有効最低限の免疫抑制を維持するなど充分注意してください。
また非ホジキンリンパ腫およびカポジ肉腫は免疫抑制剤の減量もしくは服用中止により、退行(退縮)するとの報告があります。
効能・効果に関連する使用上の注意
・イムラン50を臓器移植における拒絶反応の抑制を目的として服用する場合は、副腎皮質ステロイドやほかの免疫抑制剤との併用で使用してください。
・イムラン50をステロイド依存性のクローン病およびステロイド依存性の潰瘍性大腸炎を有する人が服用する場合は、ほかの標準的な治療法では充分に効果が得られない人に限って使用してください。
なお、イムラン50をステロイド依存性のクローン病における緩解導入を目的として服用する場合は、副腎皮質ステロイドとの併用で使用してください。
用法・用量に関連する使用上の注意
・肝機能障害または腎不全のある人は、服用量を通常服用量の下限とすることが望ましいとされています。
・ステロイド依存性のクローン病およびステロイド依存性の潰瘍性大腸炎の人では、2年血度を目安にイムラン50の服用継続の要否を検討してください。
なお臨床的な治療効果は3-4ヵ月の服用では現われない場合があります。
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、減量するなど注意してください。
授乳婦の服用に対する安全性は確立していないため、授乳中の人が服用する場合は授乳を中止してください。
小児などに対する安全性は確立していません。
長波の紫外線と相乗的に作用して染色体異常を起こすとの報告があります。
免疫抑制剤による治療を受けた人は皮膚がんが発症する可能性が高いため、UVカット素材の衣類の着用やサンスクリーンを使用し、日光の直接照射を避けてください。
肝中心静脈閉塞(症)、結節性再生性過形成などの所見を認めたとの報告があります。
チオプリンメチルトランスフェラーゼ(TPMT)が遺伝的に欠損している人においては、骨髄抑制が現れやすいとの報告があります。
TPMT活性が遺伝的に欠損している人がTPMTを阻害する薬剤(アミノサリチル酸誘導体など)とイムラン50を併用する場合、骨髄抑制が増強される可能性があります。
イムラン50の活性代謝物である6-メルカプトプリンと細胞毒性のある薬剤を併用した場合、TPMT活性の低い人では、二次性白血病や骨髄異形成症候群の発現リスクが上昇するとの報告があります。
副腎皮質ステロイド剤を含む免疫抑制治療を受けている臓器移植患者において大腸炎、憩室炎ならびに腸管穿孔など重篤な消化器症状の発現が報告されています。