【警告】
・デュオビルの有効成分のひとつであるジドブジンにより、骨髄抑制が現われるため、頻回に血液学的検査を行なうなど患者の状態を充分に観察してください。
・B型慢性肝炎を合併している人では、ラミブジンの服用中止により、B型慢性肝炎が再燃するおそれがあるので、デュオビルの服用を中止する場合には充分注意してください。特に非代償性の場合、重症化するおそれがあるので注意してください。
以下の場合、デュオビルを絶対に服用しないでください。
・好中球数750立方ミリメートル未満またはヘモグロビン値が7.5dl未満に減少した人(ただし原疾患であるHIV感染症に起因し、デュオビルまたはほかの抗HIV薬による治療経験がないものを除く: 好中球数、ヘモグロビン値がさらに減少することがあります。
・デュオビルの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・イブプロフェン服用中の人: 出血傾向が増強したとの報告があります。
以下の場合、デュオビルを慎重に服用してください。
・好中球数1000立方ミリメートル未満またはヘモグロビン値が9.5g/dl未満の人: デュオビルの有効成分のひとつであるジドブジンにより好中球数、ヘモグロビン値がさらに減少することがあります。
・ビタミンB12が欠乏している人: ジドブジンにより貧血が発現するおそれがあります。
・すい炎を発症する可能性のある人: すい炎の既往歴のある人、すい炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている人: デュオビルの服用により、すい炎を再発または発症する可能性があります。
・肝機能障害のある人: ジドブジンの高い血中濃度が持続するおそれがあります。
・高齢者: 肝機能が低下していることが多いため、高い血中濃度が持続するおそれがあるので、状態を観察しながら慎重に服用してください。
・妊娠または妊娠している可能性のある人: 治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ服用してください。
【重要な基本的注意】
・デュオビルの日本人における薬物動態および有効性・安全性は確認されておらず、外国人における成績しか得られていません。
・デュオビルはHIV感染症の根治療法薬ではないことから、日和見感染症を含むHIV感染症の進展に伴う疾病を発症し続ける可能性があるので、デュオビル服用開始後の身体状況の変化については、すべて担当医に報告してください。
・デュオビルを含む現在の抗HIV療法が、性的接触または血液汚染を介した他者へのHIV感染の危険性を低下させるかどうかは証明されていません。
・デュオビルはジドブジンおよびラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、デュオビルに加えてジドブジン製剤またはラミブジン製剤をさらに追加して服用しないでください。
・デュオビルの有効成分であるジドブジンは相互作用が多く知られていることから、ほかで処方された薬剤または紫斑薬を服用中の場合、すべて担当医に報告してください。
・デュオビルの有効成分であるジドブジンにより骨髄抑制が現われるので、服用開始後3ヵ月間は少なくとも2週間ごとに血液学的検査を行ない、その後は最低1ヵ月ごとの検査を行なってください。
・デュオビルまたはほかの抗HIV薬による治療経験がなく、かつ原疾患であるHIV感染症により好中球数750立方ミリメートル未満またはヘモグロビン値が705g/dl未満に減少したと判断される人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみデュオビルの服用を考慮してください。
・デュオビルを含むヌクレオシド系逆転写酵素阻害薬の単独服用またはこれらの併用療法により、重篤な乳酸アシドーシス(全身倦怠、食欲不振、急な体重減少、胃腸障害、呼吸困難、頻呼吸など)、肝毒性(脂肪沈着による重度の肝腫大、脂肪肝を含む)が、女性に多く報告されているので、上記の乳酸アシドーシスまたは肝毒性が疑われる臨床症状や検査値異常が認められた場合には、デュオビルの服用を一時中止してください。特に肝疾患の危険因子を有する人においては注意してください。
・抗HIV薬の使用により、体脂肪の再分布/蓄積が現われることがあるので、異常が認められた場合には適切な処置を行なってください。
・デュオビルを含む抗HIV薬の多剤併用療法を行なった人で、免疫再構築症候群が報告されています。服用開始後、免疫機能が回復し、症候性のみならず無症候性日和見感染(マイコバクテリウムアビウムコンプレックス、サイトメガロウイルス、ニューモシスチスなどによるもの)などに対する炎症反応が発現することがあるので、これらの炎症性の症状を評価し、必要時には適切な治療を考慮してください。
・デュオビルの服用によりすい炎が現われることがあります。すい炎を発症する可能性のある人(すい炎の既往歴のある人、すい炎を発症させることが知られている薬剤との併用療法を受けている人)では、デュオビルの適用を考える場合には、ほかに充分な効果の認められる治療法がない場合にのみ充分注意して行なってください。
デュオビル服用中にすい炎を疑わせる重度の腹痛、悪心・嘔吐など、または血清アミラーゼ、血清リパーゼ、トリグリセライドなどの上昇が現われた場合は、デュオビルの服用をただちに中止し、画像診断などによる観察を充分に行なってください。
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による神経機能障害に対するデュオビルの有効性は確認されていません。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・デュオビルはジドブジンおよびラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、ジドブジンまたはラミブジンの用量調節が必要な人には、個別のジドブジン製剤またはラミブジン製剤を用いてください。
なおジドブジン製剤およびラミブジン製剤の使用にあたっては、それぞれの製品の添付文書を熟読してください。
・腎機能障害(クレアチニンクリアランスが50ml/分未満)のある人: ジドブジンおよびラミブジンの高い血中濃度が持続するおそれがあります。
・体重30kg未満の小児
・肝硬変などの重篤な肝疾患を有する人: 肝臓におけるグルクロン酸抱合低下により、高い血中濃度が持続するおそれがあります。
・デュオビルはジドブジンおよびラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、デュオビルに加えてジドブジン製剤またはラミブジン製剤を併用服用しないでください。
・無症候性HIV感染症に関する治療開始については、CD4リンパ球数および血漿中HIV RNA量が指標とされています。
よってデュオビルの使用にあたっては、CD4リンパ球数および血漿中HIV RNA量を確認するとともに、最新のガイドラインを確認してください。
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は感染初期から多種多様な変異株を生じ、薬剤耐性を発現しやすいことが知られているので、デュオビルはほかの抗HIV薬と併用してください。
授乳中の人は、デュオビル服用中は授乳を避けてください。
デュオビルはジドブジンおよびラミブジンの固定用量を含有する配合剤であるので、ジドブジンまたはラミブジンの用量調節が必要である体重30kg未満の小児には、個別のジドブジン製剤またはラミブジン製剤を用いてください。
デュオビルの有効成分のひとつであるジドブジンについては、試験においてアスピリン、インドメタシンなどのグルクロン酸抱合により代謝される薬剤がデュオビルのグルクロン酸抱合を阻害したとの報告があります。