以下の場合、エルロシップ150を絶対に服用しないでください。
・エルロシップ150の成分に対し過敏症の既往歴のある人
【警告】
・エルロシップ150は、緊急時に充分に対応できる医療施設において、がん化学療法に充分な知識・経験を持つ医師のもとで、添付文章を参照して、適切とされる症例についてのみ使用してください。適応の選択にあたっては、エルロシップ150および併用薬剤の添付文書を参照して充分に注意してください。また治療開始に先立ち、エルロシップ150の有効性および危険性(特に間質性肺疾患の初期症状、服用中の注意事項、死亡に至った症例があることなどに関する情報)、非小細胞肺がん治療法などについて充分に理解してから使用してください。
・エルロシップ150の服用により間質性肺疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、せき、発熱など)の確認および胸部X線検査の実施など、観察を充分に行なってください。異常が認められた場合には使用を中止し、適切な処置を行なってください。また国内臨床試験において、間質性肺疾患により死亡に至った症例があることから、治療初期は入院またはそれに準ずる管理の下で、間質性肺疾患などの重篤な副作用発現に関する観察を充分に行なってください。
【慎重服用】
・間質性肺疾患(間質性肺炎、肺臓炎、放射線性肺臓炎、器質化肺炎、肺線維症、急性呼吸窮迫症候群、肺浸潤、胞隔炎など)の人またはその既往歴のある人。肺感染症のある人またはその既往歴のある人: 間質性肺疾患が増悪し、死亡に至る可能性があります。
・肝機能障害のある人: 肝機能障害が増悪することがあります。
・消化管潰瘍、腸管憩室のある人またはその既往歴のある人: 消化管穿孔があらわれることがあります。
【重要な基本的注意】
・エルロシップ150の使用にあたっては、その副作用について充分に理解してください。
・エルロシップ150の使用により、間質性肺疾患、発疹、下痢、角膜穿孔、角膜潰瘍などの副作用があらわれることがあります。これらの発現または症状の増悪が疑われた場合には、速やかに医療機関を受診するようにしてください。
・エルロシップ150の使用により間質性疾患があらわれることがあるので、初期症状(息切れ、呼吸困難、せき、発熱などの有無)を充分に観察し、胸部X線検査を行なってください。また必要に応じて胸部CT検査、動脈血酸素分圧(PaO2)、動脈血酸素飽和度(SpO2)、肺胞気動脈血酸素分圧較差(A-aDO2)、肺拡散能力(DLco)などの検査を行なってください。
・エルロシップ150の使用によりALT(GPT)、AST(GOT)、ビリルビンの上昇などを伴う重篤な肝機能障害があらわれることがあるので、状態に応じて使用中は定期的に肝機能検査を実施することが望ましいとされています。
・膵がんでは、ゲムシタビンとの併用により、骨髄抑制などの副作用が高頻度に発現するため、使用中は定期的に臨床検査を行ない、異常が認められた場合には適切な処置を行なってください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・術後補助化学療法としてエルロシップ150を使用した場合の有効性および安全性は確立していません。
・EGFR遺伝子変異陽性の切除不能な再発・進行性で、がん化学療法未治療の非小細胞肺がんの場合には、臨床試験に組み入れられた患者の遺伝子変の種類などについてあらかじめ熟知し、エルロシップ150の有効性および安全性を充分に理解した上で使用してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・副作用の発現により用量を変更する場合には、50mgずつ減量してください。
・高脂肪、高カロリーの食後にエルロシップ150を服用した場合、AUCが増加するとの報告があります。食事の影響を避けるため食事の1時間前から食後2時間までの間の服用は避けてください。
・ほかの抗悪性腫瘍剤との併用について、有効性および安全性は確立していません。
【その他の注意】
・国内で実施した非小細胞肺がんを対象とした特定使用成績調査における多変量解析の結果、喫煙歴有、全身状態不良(ECOG Performance Status: 2-4)間質性肺疾患の合併または既往、肺感染症の合併または既往、肺気腫または慢性閉塞性肺疾患の合併または既往が間質性肺疾患発現・増悪の危険因子として検出されました。
・海外においてEGFR遺伝子変異の有無を問わず実施した化学療法未治療の進行性非小細胞肺がん患者を対象とした2つの第III相臨床試験が実施され、プラチナ製剤を含む化学療法(ゲムシタビン/シスプラチン、およびパクリタキセル/カルボプラチン)とエルロチニブの同時併用にて臨床的な有用性は示されなかったとの報告があります。
・海外においてNSAIDsとの併用時に胃腸出血が発現したとの報告があります。
・ヒト肝ミクロソームおよびヒト遺伝子組換え型のUGTIAIを用いた試験においてビリルビンのグルクロン酸抱合の阻害が認められていることから、Gilbert症候群などのグルコロン酸抱合異常またはUGT1A1発現量が低下している人では、血清ビリルビン濃度が上昇するおそれがあります。また消失過程で主にUGT1A1によるグルクロン酸抱合を受けるイリノテカン塩酸塩水和物などの薬物との相互作用の可能性があります。
一般に高齢者では、生理機能が低下していることが多いので、状態を観察しながら慎重に服用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。やむを得ず使用する場合は、エルロシップ150使用による胎児へのリスク、妊娠中断の危険性について充分理解してください。また妊娠する可能性のある人は避妊をしてください。
授乳婦が使用する場合は授乳を中止してください。
低出生体重児、新生児、乳児、用事または小児に対する安全性は確立していません。