以下の場合、テンシノール50mgを絶対に服用しないでください。
・テンシノール50mgの成分に対し過敏症の既往歴のある人
・糖尿病性ケトアシドーシス、代謝性アシドーシスのある人: アシドーシスによる心筋収縮力の抑制を増強するおそれがあります。
・高度または症状を呈する徐脈、房室ブロック(II、III度)、洞房ブロック、洞不全症候群のある人: これらの症状が悪化するおそれがあります。
・心原性ショックのある人: 心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがあります。
・肺高血圧による右心不全のある人: 心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがあります。
・うっ血性心不全のある人: 心機能を抑制し症状が悪化するおそれがあります。
・低血圧症の人: 心機能を抑制し、症状が悪化するおそれがあります。
・重度の末梢循環障害のある人(壊疽(えそ)など): 症状が悪化するおそれがあります。
・未治療の褐色細胞腫の人
【慎重服用】
・気管支ぜんそく、気管支けいれんのおそれのある人: 気管支を収縮し、ぜんそく症状が誘発または悪化するおそれがあるので、観察を充分に行ない、慎重に服用してください。
・うっ血性心不全のおそれのある人: 心機能を抑制し、うっ血性心不全が発現するおそれがあるので、観察を充分に行ない、ジギタリス剤を併用するなど慎重に服用してください。
・低血糖症、コントロール不充分な糖尿病、長期間絶食状態の人: 低血糖の前駆症状である頻脈などの交感神経系反応をマスクしやすいので血糖値に注意してください。
・重篤な肝障害のある人: 薬物の代謝が影響を受ける可能性があります。
・重篤な腎障害のある人: 薬物の排泄が影響を受ける可能性があるため、クレアチニン・クリアランス値が35mL/分、糸球体ろ過値が35mL/分以下の場合は服用間隔を延ばすなど、慎重に服用してください。
・甲状腺中毒症の人: 中毒症状をマスクするおそれがあります。
・重度でない末梢循環障害のある人(レイノー症候群、間欠性跛行症など): 症状が悪化するおそれがあります。
・徐脈のある人: 徐脈が悪化するおそれがあります。
・房室ブロック(I度)のある人: 房室伝導時間が延長し、症状が悪化するおそれがあります。
・異型狭心症の人: 症状が悪化するおそれがあります。
・高齢者
【重要な基本的注意】
・長期使用の場合は、新機能検査(脈拍・血圧・心電図・X線など)を定期的に行なってください。徐脈または低血圧の症状が現れた場合には、減量または中止してください。また必要に応じてアトロピンを使用してください。なお肝機能、腎機能、血液像などに注意してください。
・類似化合物(プロプラノロール塩酸塩)使用中の狭心症の人で、急に使用を中止したとき症状が悪化したり、心筋梗塞を起こした症例が報告されているので、休薬を要する場合は徐々に減量し、観察を充分に行なってください。また医師の指示なしに服薬を中止しないよう注意してください。狭心症以外の適用、例えば不整脈で使用する場合でも特に高齢者においては同様の注意をしてください。
・甲状腺中毒症の人では急に使用を中止すると、症状を悪化させることがあるので、休薬を要する場合には徐々に減量し、観察を充分に行なってください。
・手術前48時間は服用しないことが望ましいとされています。
・めまい、ふらつきが現れることがあるので、アテノロール使用中の人(特に使用初期)には、自動車の運転など危険を伴う機械の作業に注意してください。
【その他の注意】
・アナフィラキシーの既往歴のある人で、アテノロールまたはほかのβ遮断剤使用中に発生したアナフィラキシー反応の増悪を示し、またアドレナリンによる治療に抵抗性を示したとの報告があります。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・褐色細胞腫の人では、アテノロール使用により急激に血圧が上昇することがあるので、テンシノール50mgを単独で使用しないでください。褐色細胞腫の人が使用する場合には、α遮断剤で初期治療を行なった後にテンシノール50mgを使用し、常にα遮断剤を併用してください。
高齢者では一般に生理機能(心機能、腎機能など)が低下しているので、過度の血圧低下や心機能抑制(徐脈、心停止、心不全など)に注意してください。
脳梗塞などが起こるおそれがあるため、高齢者では一般に過度の降圧は好ましくないとされています。
休薬を要する場合は、徐々に減量してください。
アテノロールは胎盤を通過し、臍帯血に現れます。また高血圧症の妊婦への使用により胎児の発育遅延が認められたとの報告があるので、妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
母乳中へ高濃度に移行するので、授乳中の人は使用を避け、やむを得ず使用する場合には授乳を中止してください。
妊娠中および授乳中の使用により、新生児に低血糖、徐脈が現れたとの報告があります。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。