以下の場合、フォラコート200インヘラーを絶対に使用しないでください。
・有効な抗菌剤の存在しない感染症、深在性真菌症の人: ステロイドの作用により作用を増悪することがあります。
・フォラコート200インヘラーの成分に対して過敏症(接触性皮膚炎を含む)の既往歴のある人
以下の場合、フォラコート200インヘラーを使用しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に使用してください。
・結核性疾患の人: ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがあります。
【慎重使用】
・感染症の人: ステロイドの作用により症状を増悪するおそれがあります。
・甲状腺機能亢進症の人: 甲状腺ホルモンの分泌を亢進するおそれがあります。
・高血圧の人: 血圧を上昇させるおそれがあります。
・心疾患のある人: β1作用により症状を増悪させるおそれがあります。
・糖尿病の人: グリコーゲン分解作用およびステロイドの作用により症状を増悪させるおそれがあります。
・低カリウム血症の人: Na+/K+ ATPaseを活性化し細胞外カリウムを細胞内へ移動させることにより低カリウム血症を増悪させるおそれがあります。
・重度な肝機能障害のある人: フォラコート200インヘラーの成分であるブデソニドおよびホルモテロールはいずれも主に肝臓で代謝されるため、血中濃度が上昇する可能性があります。
【重要な基本的注意】
・日本国内臨床試験における1日最高量(1回4吸入1日2回(1280/36mcg)の使用経験は少ないため、最高量を使用する場合は慎重に行なってください。
・フォラコート200インヘラーは気管支喘息の長期管理を目的としており、毎日規則正しく使用してください。
・フォラコート200インヘラーの使用開始前には、喘息状態を比較的安定な状態にしておいてください。特に喘息発作重積状態または喘息の急激な悪化状態のときには原則としてフォラコート200インヘラーを使用しないでください。
・喘息悪化により気管支粘液の分泌が著しい人は、全身性ステロイド剤などの併用を考慮してください。
・フォラコート200インヘラーの使用中に発現する急性の発作に対しては、短時間作動型吸入β2刺激剤などのほかの適切な薬剤を使用するようにしてください。またその薬剤の使用量が増加したり、効果が充分でなくなってきた場合には、喘息の管理が充分でないことが考えられるので、速やかに医療機案を受診して治療を求めると共に、そのような状態がみられた場合には生命を脅かす可能性もあるので、フォラコート200インヘラーの増量あるいは短時間作動型吸入β2刺激剤・全身性ステロイド剤などを短期間併用し、症状の軽減に合わせて併用薬剤を徐々に減量してください。
・喘息の人で感染を伴う喘息症状の増悪がみられた場合には、ステロイド療法の強化と感染症の治療を考慮してください。
・フォラコート200インヘラーの使用を突然中止すると喘息の急激な悪化を起こすことがあるので、使用を中止する場合には喘息症状を見ながら徐々に減量してください。
・全身性ステロイド剤と比較して可能性は低いですが、フォラコート200インヘラーの高用量を長期間使用する場合には、副腎皮質機能低下などの全身作用が発現する可能性があるので、定期的に検査を行なうことが望ましいとされています。また異常が認められた場合には、喘息症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行なってください。
・全身性ステロイド剤の減量はフォラコート200インヘラー吸入開始後症状の安定をみて徐々に行なってください。減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準じてください。
・長期または大量の全身性ステロイド療法を受けている人では副腎皮質機能不全が考えられるので、全身性ステロイド剤の減量中ならびに離脱後も副腎皮質機能検査を行ない、外傷、手術、重症感染症などの侵襲には充分に注意を払ってください。
また必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行なってください。
・フォラコート200インヘラーを含む吸入ステロイド剤使用後に、潜在していた基礎疾患であるChurg-Strauss症候群にみられる抗酸球増多症がまれに現われることがあります。この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量ならびに離脱に伴って発現しており、フォラコート200インヘラーとの直接的な因果関係は確立されていません。フォラコート200インヘラーの使用期間中は、好酸球数の推移やほかのChurg-Strauss症候群症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤などの血管炎症状など)に注意してください。
・全身性ステロイド剤の減量ならびに離脱に伴って、鼻炎、湿疹、じんましん、めまい、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎などの症状が発現・増悪することがあるので、このような症状が現われた場合には適切な処置を行なってください。
・過度にフォラコート200インヘラーの使用を続けた場合、不整脈、場合により心停止を起こすおそれがあるので、用法・用量を超えて使用しないよう注意してください。
【適用上の注意】
・フォラコート200インヘラーは口腔内への吸入のみに使用してください。
・吸入前、フォラコート200インヘラーの使用にあたって、吸入器に操作方法、吸入法などを充分に理解してください。
・吸入後、口腔カンジダ症またはかすれ声の予防のため、吸入後にうがいを実施してください。ただし、うがいが困難な人は、うがいではなく口腔内をすすいでください。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・フォラコート200インヘラーは吸入ステロイド剤および長時間作動型吸入β2刺激剤の併用による治療が必要な場合に使用してください。
・フォラコート200インヘラーは気管支喘息の長期管理を目的としているため、急性の発作に対しては使用しないでください。急性の発作に対しては、短時間作動型吸入β2刺激剤などほかの適切な薬剤を使用してください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・症状の緩解がみられた場合は、治療上必要最小限の用量を使用し、必要に応じ吸入ステロイド剤への切り替えも考慮してください。
・フォラコート200インヘラーの過度の使用により不整脈、心停止などの重篤な副作用が発現する危険性があることを理解し、用法・用量を超えて使用しないよう注意してください。
・β刺激剤の薬理学的作用による症状(動悸、頻脈、不整脈、ふるえ、頭痛および筋けいれんなど)の発現などによりフォラコート200インヘラーを治療上必要な用量まで増量できない場合は、ほかの治療法を考慮してください。
【その他の注意】
・ほかの長時間作動型吸入β2刺激剤(サルメテロール)での米国大規模プラセボ対照試験において、以下の報告があります。
米国で実施された喘息患者を対象とした28週間のプラセボ対照他施設共同試験において、主要評価項目である呼吸器に関連する死亡と生命を脅かす事象の総数は、患者集団全体ではサルメテロール群とプラセボ群間に優位差は認められなかったものの、アフリカ系米国人の患者集団では、サルメテロール群に有意に多く、また副次評価項目の1つである喘息に関連する死亡数は、サルメテロール群に有意に多かったとの報告があります。なお、吸入ステロイド剤を併用していた患者集団では、主要および副次評価項目のいずれにおいても両群の間に有意差は認められませんでした。
・外国における疫学調査で、吸入ステロイド剤使用によりまれに白内障が発現することが報告されています。
一般に高齢者では生理機能が低下しているので、状態を観察しながら慎重に使用してください。
妊娠または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
授乳中の人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
低出生体重児、新生児、乳児、幼児または小児に対する安全性は確立していません。