以下の場合、ベクラゾン・インヘラー100mcgを絶対に使用しないでください。
・有効な抗菌剤の存在しない感染症、全身の真菌症の人: 症状を増悪するおそれがあります。
・ベクラゾン・インヘラー100mcgの成分に対して過敏症の既往歴のある人
以下の場合、ベクラゾン・インヘラー100mcgを使用しないことを原則としますが、特に必要とする場合には慎重に使用してください。
・結核性疾患の人: 症状を増悪するおそれがあります。
【慎重使用】
・感染症の人: 症状を増悪するおそれがあります。
・高血圧の人: 血圧上昇を起こすおそれがあります。
【重要な基本的注意】
・ベクラゾン・インヘラー100mcgは気管支拡張剤ならびに全身性ステロイドのように既に起きている発作を速やかに軽減する薬剤ではないため、毎日規則正しく使用してください。
・ベクラゾン・インヘラー100mcgの使用開始前には、ぜんそく症状を比較的安定な状態にしておいてください。特に、ぜんそく発作重積状態またはぜんそくの急激な悪化状態のときには、原則としてベクラゾン・インヘラー100mcgを使用しないでください。
・気管支粘液の分泌が著しい状態では、ベクラゾン・インヘラー100mcgの葉いないでの作用を確実にするため吸入に先立って、分泌がある程度減少するまで他剤を使用するとよいとされています。
・ベクラゾン・インヘラー100mcgの使用期間中にぜんそくの悪化が見られた場合には、気管支拡張剤あるいは全身性ステロイド剤を短期間併用し、症状の軽減に合わせて併用薬剤を徐々に減量してください。
・全身性ステロイド剤と比較して可能性は低いとされていますが、吸入ステロイド剤の使用により全身性の作用(クッシング症候群、クッシング様症状、副腎皮質機能抑制、小児の成長遅延、骨密度の低下、白内障、緑内障を含む)が発現する可能性があるので、吸入ステロイド剤の使用量はぜんそくをコントロールできる最小用量に調節してください。特に長期間、大量使用の場合には定期的に検査を行ない、全身性の作用が認められた場合にはぜんそく症状を観察しながら徐々に減量するなど適切な処置を行なってください。
・全身性ステロイド剤の減量は、ベクラゾン・インヘラー100mcgの吸入開始後症状の安定をみて徐々に行なってください。減量にあたっては一般のステロイド剤の減量法に準じてください。
・長期または大量の全身性ステロイド療法を受けている人は副腎皮質機能不全が考えられるので、全身性ステロイド剤の減量中ならびに離脱後も副腎皮質機能検査を行ない、外傷、手術、重症感染症などの侵襲には充分に注意を払ってください。また必要があれば一時的に全身性ステロイド剤の増量を行なってください。
・長期間コルチコトロピン療法を受けている人で、プロピオン酸ベクロメタゾン吸入剤の使用によりコルチコトロピンの離脱後、ぜんそく発作重積状態を認めたとの報告があります(症状に変化がみられる場合には、全身性ステロイド剤の使用などの適切な処置を行なってください)。
・プロピオン酸ベクロメタゾン吸入剤を含む吸入ステロイド剤使用後に、潜在していた基礎疾患であるチャーグ・ストラウス症候群にみられる好酸球増多症がまれに現われることがあります。この症状は通常、全身性ステロイド剤の減量ならびに離脱に伴って発現しており、プロピオン酸ベクロメタゾン吸入剤との直接的な因果関係は確立されていません。ベクラゾン・インヘラー100mcgの使用期間中は、好酸球数の推移や、ほかのチャーグ・ストラウス症候群症状(しびれ、発熱、関節痛、肺の浸潤などの血管炎症状など)に注意してください。
・全身性ステロイド剤の減量ならびに離脱に伴って、鼻炎、湿疹、じんましん、めまい、動悸、倦怠感、顔のほてり、結膜炎などの症状が発現・増悪することがあります。このような症状が現われた場合には適切な処置を行なってください。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・ベクラゾン・インヘラー100mcgの1日使用量はほかのプロピオン酸ベクロメタゾン吸入剤の半量です。したがって、ほかのプロピオン酸ベクロメタゾン吸入剤からベクラゾン・インヘラー100mcgに切り替える場合は、用法・用量に注意してください。従来と同量を使用した場合、過量使用となります。
【適用上の注意】
・局所的な副作用(口腔カンジダ症など)を予防するため、ベクラゾン・インヘラー100mcg吸入後にうがいを実施するようにしてください。ただし、うがいが困難な場合には、口腔内をすすぐようにしてください。
【取り扱い上の注意】
・専用のアダプターを使用してください。
・アダプターは少なくとも週1回流水かぬるま湯で充分に洗浄し、乾燥させた後、清潔に保管してください。洗浄・乾燥が不充分な場合、噴霧不良の原因となります。
・噴射口が詰まる原因となりますので、アルミ容器は濡らさないでください。
一般に高齢者では生理機能が低下しているため、状態を観察しながら慎重に使用してください。
妊婦または妊娠している可能性のある人は、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用してください。
全身性ステロイド剤と比較して可能性は低いですが、吸入ステロイド剤を特に長期間、大量に使用する場合に成長遅延を来たすおそれがあります。長期間使用する場合には、使用量はぜんそくをコントロールできる最小用量に調節することとし、慎重などの経過の観察を充分に行なってください。また使用にあたっては、使用法を正しく守ってください。
低出生体重児、新生児、乳児または4歳以下の幼児に対する安全性は確立していないため、慎重に使用してください。