【禁忌】
・トリオミューン40の成分に対し過敏症の既往歴のある人
・ネバピリン服用を開始したばかり(1日200mgの初期服用期間中)の人: トリオミューン40の服用により1日400mgのネビラピンが摂取されることになります。
・中等度から重篤な肝機能障害のある人
【使用上の注意】
・ネビラピンに対する過敏症状(発疹、肝機能テストの異常など)を避けるため、ネビラピン服用を開始したばかり人は使用を避けてください。
・トリオミューン40の使用前に、最低でも2週間のネビラピン(1日200mg)の初期服用が必要です。
・ベースライン、ネビラピン増量前および増量の2週間後に、肝機能テストを含む集中的な臨床的、試験的な容態観察を実施してください。
・トリオミューン40の有効成分の含有量は固定されているため、低体重(50kg未満)などにより服用量調整が必要な人は使用を避けてください。
・服用による手足のしびれ、ピリピリ感、刺痛に代表される末梢神経障害は、トリオミューン40の一時的な中断によって回復します。
・服用による重篤な発疹やさまざまな症状を伴う発疹の発現、肝炎などが発症した場合には、トリオミューン40の使用を中止してください。
・何らかの事情によりネビラピンの服用が7日間以上中断された場合は、ネビラリンの初期服用(200mg/日)とほかの抗ウイルス薬の14日間継続服用による過敏症状の発現がないことを確認後、トリオミューン40との併用(200mg
x 2/日)に移行してください。
■
ネビラピン服用における注意
・ネビラピン服用開始6週間以内にスティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死などの致命的となる重篤な皮膚反応や、発疹などのさまざまな症状、臓器不全に特徴づけられる過敏症反応の発現が多く報告されています。
・服用によって重篤な皮膚反応や深刻な発疹、及び熱、水疱、口内の病変、結膜炎、顔面の浮腫、肝炎、好酸球増加、顆粒球減少、リンパ節腫、腎機能不全等を伴った発疹などの過敏症状が現れた場合には服用をただちに中断し、医療機関による診断を受けてください。また、このような症状が発現した場合はネビラピンの服用再開はできません。
■
肝臓における影響
ラミブジン、スタブジン(またはサニルブジン)
・ラミブジンとスタブジン(またはサニルブジン)などのヌクレオシド類似体の単独使用、あるいは併用により、乳酸性アシド―シスや脂肪肝を伴う重篤な肝腫大が報告されています。
これらの症状の発現の頻度は高くありませんが、スタブジン(またはサニルブジン)を含む抗レトロウイルス薬の併用により発現が誘発されている可能性があり、また女性、肥満、および長期間のヌクレオシド治療などもその要因と考えられています。
・疲労、消化器系の症状(吐き気、嘔吐、腹痛、原因不明の急激な体重減少)、呼吸器系の症状(頻呼吸、呼吸困難)、神経症状(四肢運動・感覚障害)などは乳酸性アシド―シスの可能性があります。
・乳酸性アシド―シスや肝毒性(肝腫大、脂肪肝及びトランスアミナーゼの異常な上昇など)が疑われる場合は、ラミブジン服用による治療を中断してください。
ネビラピン
・ネビラピンの服用により劇症の胆汁うっ帯性肝炎、肝懐死、肝機能不全などの深刻で致命的な肝毒性が報告されています。
肝毒性はネビラピン服用開始後のいずれかの時点でも発症しますが、服用開始から6週間以内の発症が特に多いと言われています。
・治療中に肝炎の兆候や症候がみられた場合はトリオミューン40の使用を中断し、肝機能テストを含めた診断を受けてください。特にCD4(免疫機能の指標値)が高い女性やSGOT値、およびSGPT値の上昇、あるいはB型、C型肝炎を併発している人は、肝臓障害を発症しやすいとされています。
中でも治療開始時から最初の18週間においては肝機能テストの実施など細心の注意が必要で、また治療の過程においては容態を注意深く観察し、肝毒性の症状が認められた時点で肝機能テストを実施してください。
また、治療開始時から最初の18週間以内に発疹があらわれた場合も肝機能テストの実施が必要です。
・治療中の肝毒性の診断は肝機能テストの結果だけでなく、疲労、倦怠感、食欲減退、吐き気、黄疸、ビリルビン尿症、無胆汁便、肝圧痛、肝腫大等の症状をも考慮に入れてください。
・肝炎が発現した場合は、トリオミューン40の使用を中止してください。
・以下に該当する場合、トリオミューン40の服用は適切ではないとされています
肝機能不全のある人: 重篤な肝機能不全者では、ネビラピン値の上昇とネビラピンの蓄積が起こることがあります。
腎機能不全のある人
B型肝炎のある人: ラミブジンに耐性型を持つB型肝炎の発現や肝炎が増悪することがあります。
授乳中の人
子供: 使用による安全性が確認されていません。
【その他の注意】
・トリオミューン40(ラミブジン/スタブジン(またはサニルブジン)/ネバピリン)などの抗レトロウイルス薬の服用により、軽度から重度の膵炎や脂肪の体内蓄積などがあらわれることがあります。
・ジタノシンを含む療法の一部として、スタブジン(またはサニルブジン)を服用した場合に軽度から重度の膵炎が発症する可能性があります。
・スタブジン(またはサニルブジン)の服用による手足のしびれや刺痛などの末梢神経障害が報告されていますが、これらは病状の進行や神経毒性の治療を並行して行なっている人にみられる傾向があります。
・抗レトロウイルス療法が有効である期間は限られています。
・治療を受けていても日和見感染やHIV感染の合併症が発症することがあるため、HIV感染専門家による綿密な容態観察が必要です。
・療法の一部としてのネビラピンの使用には充分注意してください。
【妊婦など】
妊婦、胎児におけるトリオミューン40の安全性は確立されていないため、危険性が安全性を上回ると判断された場合に限り使用してください。