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2013-05-30
ソース(記事原文):糖尿病イン・コントロール.com
テルミサルタンがメタボリックシンドロームの患者の代謝検査値を改善
糖尿病イン・コントロール.com(2013年5月30日)― メタボリックシンドロームの患者を対象としたテルミサルタンのランダム化比較試験に関する、初のメタアナリシスで有望な結果
新しい研究から、アンジオテンシン受容体拮抗薬テルミサルタンはメタボリックシンドロームの患者の代謝機能を改善することが明らかとなった。近年、テルミサルタンはそのペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR-γ)誘導特性のため、心代謝に関する検査値を改善すると提唱されている。メタボリックシンドロームの患者を対象にこれまで実施されてきた、テルミサルタンの小規模ランダム化比較試験の結果によると、代謝検査の値に影響を及ぼすことは分かっているが決定的ではない。そこで高木氏と同僚らは、テルミサルタン治療でメタボリックシンドロームの各側面が改善するかどうかを調べるため、ランダム化比較試験のメタアナリシスを実施した。
オンラインデータベースのメドライン(MEDLINE)、エムベース(EMBASE)、コクラン・セントラル・レジスター・オブ・コントロールド・トライアルズ(Cochrane Central Register of Controlled Trials)を利用して、今回の研究に適した試験を探し出した。高木氏らによると、最終的に分析対象となった試験は、「デザインが前向きランダム化比較臨床試験(準ランダム化クロスオーバーデザイン試験を含む)」、「被験者集団がメタボリックシンドロームの患者」、「患者をテルミサルタン治療または対照(プラセボを含む)治療のいずれかに無作為に割り付けた」、「空腹時血糖値、インスリン値、グリコヘモグロビン(HbA1c)値、ホメオスタシスモデル評価(HOMA)指数、アディポネクチン値の少なくとも1つを主要評価項目に含む」という基準を満たすものであった。
併合解析から、テルミサルタンの使用は各代謝検査値を有意に改善させると示唆された。対照治療と比べ、空腹時血糖値の低下における変化量(%)はテルミサルタンのほうが大きかったという(標準化平均差-0.51)。インスリン値は-0.23、HbA1c値は-0.26、HOMA指数は-0.22であった。またアディポネクチン値の変化量(%)においても有意な上昇(0.75)が認められた。
高木氏らは分析結果を以下のようにまとめている。「今回のメタアナリシスは、テルミサルタン治療によって空腹時血糖やHbA1cの値、およびインスリン値が低下することを示唆している。またHOMA指数は生理学ベースのモデルで、空腹時のグルコース値とインスリン値から算出されるインスリン抵抗性指標であるが、テルミサルタン治療が血糖に関する各測定値の改善に加えこの指数を下げる可能性も示唆している」。
メタボリックシンドロームの患者において、テルミサルタンの影響は有望なようである。ただし、この研究者らは、テルミサルタン使用によるこれら臨床転帰を裏付けるため、大規模なランダム化比較試験をさらに実施して結果を得る必要性を示唆している。
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