【警告】
ヤーズなど、ドロスピレノン配合の新世代経口避妊ピルの使用による静脈血栓塞栓症の発症と、死亡事故を含めた重篤な
副作用の発現が報告されています。特に喫煙中の女性の経口避妊薬の使用は重篤な心疾患を引き起こす可能性を高めることが指摘され、35歳以上の喫煙女性とヘビースモーカーの女性においてはその危険性が非常に高いことが認められていることから、これらの女性におけるヤーズの使用は絶対禁忌とされています。
以下に該当する場合におけるヤーズの使用は禁忌とされています。
・35歳以上の喫煙女性
・深部静脈血栓症や肺動脈栓塞症を患っている人、およびこれらの疾患の既往歴のある人
・脳血管疾患のある人
・環状動脈不全のある人
・亜急性細菌性心内膜炎(連鎖球菌性心内膜炎)を併発した弁膜症や心房細動といったような血栓形成性の弁膜症や、血栓形成性
の心拍の異常がある人
・遺伝的、後天的原因による凝固性亢進性のある人
・腎機能の低下している人
・副腎機能不全の人
・適切な治療を受けていない高血圧症の人
・循環器障害を伴う2型糖尿病のある人
・35歳以上の女性で、局在性神経徴候を伴う頭痛や、前兆のある(またはない)片頭痛のある人
・原因不明の性器不正出血のある人
・乳がんや、他のエストロゲン、プロゲステロンなどのホルモン感受性がんを患っている人、およびこれらの疾患の既往歴のある人
・良性、または悪性の肝腫瘍や他の肝疾患のある人
・妊娠中の人
また、静脈性/動脈性血栓症や塞栓症、脳血管性疾患の発症は以下のリスクファクターによって増加するとされています。
・年齢
・肥満(肥満指数30kg/m2以上)
・家族歴:親や兄弟姉妹に静脈性/動脈性血栓症や塞栓症、脳血管性疾患の家族歴がある場合のヤーズの使用の可否は、専門家によって判断される必要があります。
・長期間に渡る固定化、大手術、脚の手術、重度の外傷:ヤーズの使用を(少なくとも手術前4週間から)中断し、再開する場合には問題なく動きがとれるようになってから最低でも2週間の期間をおくべきであるとされています。
・喫煙:静脈性/動脈性血栓症や塞栓症、脳血管性疾患を発症する危険性が喫煙数、年齢に比例して高くなり、特に35歳以上における発症率が高いとされています。
・異常リポ蛋白血症
・高血圧
・片頭痛
・心臓弁の疾患
・心房性細動
ヤーズの使用は2型糖尿病、全身性エリテマトーデス、溶血性尿毒症症候群、慢性の炎症性大腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎)、鎌状赤血球症などが関連付けられています。
片頭痛の深刻化や頻度の増加は脳血管性疾患の前兆である可能性があるため、このような症状がみられた場合にはヤーズを含めた混合経口避妊薬の使用を中断する必要が生じることがあります。
稀に、ヤーズを含めた混合経口避妊薬の使用者における良性肝腫瘍が、また極稀に悪性肝腫瘍の発症が認められており、中には致命的となるような腹部内の出血例が報告されています。そのためヤーズの使用中に上腹部の痛み、肝肥大、腹部内出血などの症状が認められた場合は肝腫瘍の有無の診断が必要とされています。
腎機能不全による血清中のカリウム血が上昇している人や、カリウム保持性の薬剤を使用している人においては、高カリウム血症を発症する可能性があるとされています。高カリウム血症の人、または高カリウム血症の家族歴がある人におけるヤーズの使用はすい炎を発症する危険性を増加させるとされています。
ヤーズの使用により、血圧の大幅な上昇、及びその状態が維持されるような状態になった場合は、ヤーズの使用を中断することが好ましいとされています。また、ヤーズの使用再開は降圧治療によって血圧が正常値に改善され、専門家によって問題ないとされてから再開するようにしてください。
ヤーズの使用による黄だんや胆汁うっ滞による痒み、胆石、ポルフィン症、SLE(全身性エリテマトーデス)、溶血性尿毒症、シドナム舞踏病、妊娠性疱疹、耳硬化症に関連した聴覚障害などの発症が報告されています。
外因性のエストロゲン製剤の使用による遺伝的な血管性浮腫の見られる人におけるヤーズの使用は血管性浮腫の発症の誘発や増悪を引き起こすことがあるとされています。
急性、或いは慢性の肝機能障害による肝機能障害の低下が見られた場合にはヤーズの使用を中断し、肝機能が正常に戻ってから再開する必要が生じることがあります。また、過去の妊娠や性ホルモン製剤の使用によって発症した胆汁うっ滞性黄疸が再発した場合にはヤーズの使用を中断する必要があります。
糖尿病の人がヤーズを使用は、専門家の監視下で行うようにしてください。
ヤーズの使用によって、特に過去の妊娠中に肝斑が発生した人における肝斑の発生が報告されています。 肝斑が生じる傾向のある人はヤーズの使用中に日光、あるいは紫外線への照射を極力避けるようにしてください。
ヤスミンには,コンドームのような非接触法による避妊と違い、HIV(エイズ)・他の性行為感染症(梅毒、性器ヘルペス、淋病、クラミジア感染症、尖形コンジローム、腟トリコモナス症、B型肝炎等)を防止する効果はありません。
ヤーズが処方された用量、用法どおりに使用されておらず、偽薬(白い錠剤)を使用中の出血が2シート分に渡って見られなかった場合は妊娠の可能性があります。
ヤーズの適用対象は初潮後の女性です。
妊娠中の女性はヤーズを使用しないで下さい。
授乳中の女性におけるヤーズの使用は母乳の産生量や質に影響を及ぼす可能性があるとされています。そのため授乳中のヤーズの使用は控え、授乳が終了してから使用を再開することが望ましいとされています。
医師に指示された用途でのみ使用し、他人と共用することはしないで下さい。
子供の手の届かない涼しいところで、直射日光や霜から避けて保管してください。
使用期限を超過したものや、外装に損傷のあるものの使用はしないで下さい。