経口避妊剤は、HIV(エイズ)およびほかの性感染症(例えば梅毒、性器ヘルペス、淋病、クラミジア感染症、尖圭コンジローマ、膣トリコモナス症、B型肝炎など)を防止するものではないこと、これらの感染防止にはコンドームの使用が有効であることを充分理解してください。なお、必要に応じ、性感染症検査の実施を考慮してください。
以下の場合、ロエッテ20mcg/100mcgを絶対に服用しないでください。
・ロエッテ20mcg/100mcgの成分に対し過敏症素因のある女性
・エストロゲン依存性悪性腫瘍(例えば乳がん、子宮内膜がん)、子宮頚がんおよびその疑いのある人: 腫瘍の悪化あるいは顕性化を促すことがあります。
・診断の確定していない異常性器出血のある人: 性器がんの疑いがあります。出血が性器がんによる場合は、がんの悪化あるいは顕性化を促すことがあります。
・血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患またはその既往歴のある人: 血液凝固能が亢進され、これらの症状が増悪することがあります。
・35歳以上で1日15本以上の喫煙者: 心筋梗塞などの心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・前兆(閃輝暗点、星型閃光など)を伴う片頭痛の人: 前兆を伴う片頭痛の人は、前兆を伴わない人に比べ脳血管障害(脳卒中など)が発生しやすくなるとの報告があります。
・肺高血圧症または心房細動を合併する心臓弁膜症の人、亜急性細菌性心内膜炎の既往歴のある心臓弁膜症の人: 血栓症などの心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・血管病変を伴う糖尿病(糖尿病性腎症、糖尿病性網膜症など)の人: 血栓症などの心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・血栓性素因のある女性: 血栓症などの心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・手術前4週以内、術後2週以内、産後4週以内および長期間安静状態の人: 血液凝固能が亢進され、心血管系の副作用の危険性が高くなることがあります。
・重篤な肝障害のある人: 代謝能が低下しており、肝臓への負担が増加するため、症状が増悪することがあります。
・肝腫瘍のある人: 症状が増悪することがあります。
・脂質代謝異常のある人: 血栓症などの心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。また脂質代謝に影響を及ぼす可能性があるため、症状が増悪することがあります。
・高血圧のある人(軽度の高血圧の人を除く): 血栓症などの心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。また症状が増悪することがあります。
・耳硬化症の人: 症状が増悪することがあります。
・妊娠中に黄だん、持続性そう痒症または妊娠ヘルペスの既往歴のある人: 症状が再発するおそれがあります。
・妊婦または妊娠している可能性のある人
・授乳婦
・骨成長が終了していない可能性がある人: 骨端の早期閉鎖を来たすおそれがあります。
【慎重服用】
・40歳以上の女性: 一般に心筋梗塞などの心血管系の障害が発生しやすくなる年代であるため、これを助長するおそれがあります。
・子宮筋腫のある人: 子宮筋腫の発育を促進するおそれがあります。
・乳がんの既往歴のある女性: 乳がんが再発するおそれがあります。
・乳がんの家族歴または乳房に結節のある女性: エストロゲン摂取と乳がん発生との因果関係についてその関連性を示唆する報告もあるので、定期的に乳房検診を行なうなど慎重に使用してください。
・喫煙者
・肥満の女性: 血栓症などの心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・血栓症の家族歴を持つ女性: 血栓症などの心血管系の障害が発生しやすくなるとの報告があります。
・前兆を伴わない片頭痛のある人: 脳血管障害(脳卒中など)が発生しやすくなるとの報告があります。
・心臓弁膜症のある人
・軽度の高血圧(妊娠中の高血圧の既往も含む)のある人
・耐糖能の低下している女性(糖尿病および耐糖能異常の女性): 耐糖能が低下することがあるので、充分コントロールを行ないながら服用してください。
・ポルフィリン症の人: 症状が増悪することがあります。
・肝障害のある人
・心疾患、腎疾患またはその既往歴のある人: ナトリウムまたは体液の貯留により症状が増悪することがあります。
・てんかんのある人: 症状が増悪することがあります。
・テタニーのある人: 症状が増悪することがあります。
【重要な基本的注意】
・ロエッテ20mcg/100mcgの服用により血栓症が現われることがあるので、以下のような症状・状態が現われた場合は服用を中止してください。またロエッテ20mcg/100mcgを服用する人は、以下のような症状・状態が認められた場合はただちに医師などに相談してください。
1.血栓症の初期症状
下肢の疼痛・むくみ、突然の息切れ、胸痛、激しい頭痛、急性視力障害など
2.血栓症のリスクが高まる状態
体を動かせない状態、顕著な血圧上昇が見られた場合など
年齢および喫煙量により心血管系の重篤な副作用の危険性が増大するとの報告があります。ロエッテ20mcg/100mcgを服用する場合は禁煙してください。
ロエッテ20mcg/100mcgの服用に際しては、問診、内診、基礎体温の測定、免疫学的妊娠診断などにより、妊娠していないことを充分に確認してください。
ロエッテ20mcg/100mcgの服用にあたっては、服用者の病歴調査および検診が必要です。この検診には、血圧測定、乳房・腹部の検査および臨床検査が含まれます。また服用中は6ヵ月ごとの検診を行なってください。
ロエッテ20mcg/100mcgの服用開始前および服用中は、1年に1回以上、子宮・卵巣を中心とした骨盤内臓器の検査を行なってください。また1年に1回、子宮頚部の細胞診の実施を考慮してください。
乳がんの検査は、服用者は自己検診を行なうようにしてください。特に、乳がんの家族歴または乳房に結節のある女性では注意が必要です。
ロエッテ20mcg/100mcgの服用にあたっては、飲み忘れなどがないよう服用方法を充分に注意してください。万一飲み忘れがあった場合、翌日までに気づいたならば直ちに飲み忘れた錠剤を服用し、その日の錠剤も通常どおりに服用してください。
2日以上連続して飲み忘れがあった場合は服用を中止し、次の月経を待って服用を再開してください。
なお、飲み忘れにより妊娠する可能性が高くなるので、その周期はほかの避妊法を使用してください。
服用中に激しい下痢、嘔吐が続いた場合には、ロエッテ20mcg/100mcgの吸収不良を来たすことがあり、その場合には妊娠する可能性が高くなるので、その周期はほかの避妊法を併用してください。
服用中に消退出血が2周期連続して発来しなかった場合、服用継続に先立って妊娠していないことを確認してください。
ロエッテ20mcg/100mcgの服用を中止して妊娠を希望する場合には、月経周期が回復するまで避妊することが望ましいとされています。
・ほかの経口避妊剤からロエッテ20mcg/100mcgに切り替える場合
1.21錠タイプの経口避妊剤から切り替える場合
前に服用していた薬剤をすべて服用し、7日間の休薬の後、続けてロエッテ20mcg/100mcgの服用を開始してください。服用開始が遅れた場合、妊娠する可能性があります。
2.28錠タイプの経口避妊剤から切り替える場合
前に服用していた薬剤をすべて服用後、続けてロエッテ20mcg/100mcgの服用を開始してください。服用開始が遅れた場合、妊娠の可能性があります。
【その他の注意】
・外国の疫学調査の結果、静脈血栓症のリスクは、経口避妊剤を服用している女性は服用していない女性に比べて3.25-4.0倍高くなるとの報告があります。また、静脈血栓症のリスクは経口避妊剤服用開始の最初の1年間において最も高くなるとの報告があります。
・外国での疫学調査の結果、経口避妊剤の服用により乳がんおよび子宮頚がんになる可能性が高くなるとの報告があります。
・外国で、経口避妊剤を2年以上服用した場合、良性肝腫瘍が10万人あたり3.4人発生するとの報告があります。
また、腫瘍の破裂により腹腔内出血を起こす可能性があります。
一方、悪性肝腫瘍(肝がん)の発生率は極めて低く、100万人の当たり1人に満たないとされています。
・外国で経口避妊剤の服用により、全身性エリテマトーデス(SLE)の悪化、アナフィラキシー様症状、溶血性尿毒症症候群(HUS)が現われたとの報告があります。
・外国で、経口避妊剤の服用による角膜厚の変化などによりコンタクトレンズがうまく調整されないため、視力・視野の変化、装用時の不快感などが見られたとの報告があります。
【効能・効果に関連する使用上の注意】
・経口避妊剤使用開始1年間の飲み忘れを含めた一般的使用における失敗率は8%との報告があります。
【用法・用量に関連する使用上の注意】
・毎日一定の時刻に服用してください。
・経口避妊剤を始めて服用する場合、月経第1日目から服用を開始してください。服用開始日が月経第1日目から遅れた場合、飲み始めの最初の1週間はほかの避妊法を併用してください。
妊娠が確認された場合は服用を中止してください。なお、2周期連続して消退出血が発来しなかった場合、妊娠している可能性があるため、妊娠の有無について確認してください。
母乳の量的質的低下が起こることがあります。また母乳中への移行、児において黄だん、乳房腫大が報告されているため、授乳中の人はほかの避妊法を使用するなどしてください。